Solaris のシステム管理: Solaris 8 Containers

第 8 章 Solaris 8 ブランドゾーンで発生するさまざまな問題の解決

この章では、ゾーンのトラブルシューティングについて説明します。

ライブラリのバージョンがアプリケーションの動作に影響する

Solaris 8 ブランドゾーンは、「代替」libthread ライブラリと呼ばれるものを使用します。これは、Solaris 8 の /usr/lib/lwp で提供されているバージョンの libthread です。このライブラリは Solaris 10 で標準スレッドライブラリになりましたが、Solaris 8 ではそうではありませんでした。

一般に、代替 libthread は、デフォルトライブラリに存在していたスレッド関連のさまざまな問題を解決するもので、Solaris 10 カーネルで提供されている基になるスレッドモデルに必要とされています。ただし、Solaris 8 の早期のリリースでは、デフォルトライブラリと比較してこのライブラリの動作には多少の相違があります。

このような相違が原因で solaris8 ブランドゾーン内のアプリケーションの動作がネイティブハードウェアでの動作と異なる場合は、ゾーンの libthread に最新のパッチが適用されていることを確認します。パッチ 108827 の最新バージョンをインストールします。ゾーンにインストールされている Solaris 8 のバージョンによっては、パッチの依存関係をすべて満たすために、ほかのパッチのインストールも必要になることがあります。Solaris 8 2/04 など後期のリリースでは、代替 libthread はすでに solaris8 ブランドゾーンで正しく機能するバージョンになっています。