Solaris 10 5/08 ご使用にあたって

Solaris ボリュームマネージャー

Solaris 10 リリースの Solaris ボリュームマネージャーに関するバグ情報について説明します。

Solaris ボリュームマネージャーの metattach コマンドが失敗することがある

ファイルシステムがシリンダ 0 から始まっていない Solaris ボリュームマネージャーのミラー化が存在するルート (/) ファイルシステムの場合には、接続されるサブミラーにシリンダ 0 から始まるものを含めることはできません。

最初のサブミラーがシリンダ 0 から始まらないミラーに、シリンダ 0 から始まるサブミラーを接続しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。


can't attach labeled submirror to an unlabeled mirror

回避方法: 次のいずれかを選択してください。


注 –

JumpStart インストールのデフォルトでは、swap パーティションがシリンダ 0 から始まっていて、ルートファイルシステム / はディスク上のほかの場所から始まっています。システム管理者は通常、スライス 0 をシリンダ 0 から始めようとします。デフォルトの JumpStart インストールにおいてスライス 0 上にあり、シリンダ 0 から始まってないルートパーティションを、別のディスクのシリンダ 0 から始まるスライス 0 にミラー化しようとすると問題が発生する場合があります。その結果、ミラーを追加しようとする際に、エラーメッセージが出力されます。Solaris インストールプログラムのデフォルト動作の詳細については、Solaris 10 インストールガイドを参照してください。


Solaris ボリュームマネージャーの metassist コマンドが英語以外のロケールで失敗する (5067097)

英語以外のロケールでは、Solaris ボリュームマネージャーの metassist コマンドがボリュームの作成に失敗することがあります。たとえば、LANGja (日本語) に設定した場合は、次のエラーメッセージが表示されます。


xmlEncodeEntitiesReentrant : input not UTF-8
Syntax of value for attribute read on mirror is not valid
Value "XXXXXX"(unknown word) for attribute read on mirror
is not among the enumerated set
Syntax of value for attribute write on mirror is not valid
Value "XXXXXX"(Parallel in Japanse) for attribute write on mirror
is not among the enumerated set
metassist: XXXXXX(invalid in Japanese) volume-config

回避方法: スーパーユーザーとして、LANG 変数を LANG=C に設定してください。

Bourne、Korn、および Bash シェルの場合は、次のコマンドを実行します。


# LANG=C; export LANG

C シェルの場合は、次のコマンドを実行します。


# setenv LANG C

ディスクがフォーマットされていないシステムではボリュームの作成に失敗する (5064066)

フォーマットされていないディスクがシステムに存在する場合、metassist コマンドによる Solaris ボリュームマネージャーのボリューム構成の作成が失敗することがあります。次のエラーメッセージが表示されます。


metassist: failed to repartition disk

回避方法: フォーマットされていないすべてのディスクを手動でフォーマットしてから、metassist コマンドを実行してください。

Solaris ボリュームマネージャー RAID-1 (ミラー) または RAID-5 ボリュームがソフトパーティション上に構築されたディスクセット内に作成されると、ホットスペアが正しく動作しない (4981358)

Solaris ボリュームマネージャー RAID-1 (ミラー) または RAID-5 ボリュームをソフトパーティションの上に構築されたディスクセットに作成すると、ホットスペアデバイスが正しく動作しません。

次の問題が発生する可能性がありますが、ほかの問題が発生することもあります。

論理デバイス名がすでに存在しない場合、Solaris ボリュームマネージャーの metadevadm コマンドが失敗する (4645721)

障害が発生したドライブは Solaris ボリュームマネージャーソフトウェアで構成されたドライブに交換できません。交換するドライブは Solaris ボリュームマネージャーソフトウェアにとって新しいドライブである必要があります。Sun StorEdge A5x00 上のあるスロットから別のスロットにディスクを物理的に移動した場合、metadevadm コマンドが失敗することがあります。この問題は、スライスの論理デバイス名がすでに存在しないときに発生します。ただし、ディスクのデバイス ID はメタデバイス複製に存在しています。次のメッセージが表示されます。


Unnamed device detected. Please run 'devfsadm && metadevadm -r to resolve.

注 –

このとき、新しい場所にあるディスクにはアクセスできますが、スライスにアクセスするためには、古い論理デバイス名を使用する必要があります。


回避方法: ドライブを物理的に元のスロットに戻してください。

Solaris ボリュームマネージャーの metarecover コマンドが metadb 名前空間の更新に失敗する (4645776)

システムからディスクを物理的に取り外して交換して、metarecover -p -d コマンドを使用して適切なソフトパーティションの特定の情報をディスクに書き込むと、オープンエラーが発生します。このコマンドはメタデバイスデータベースの名前空間を更新せず、ディスクデバイス識別情報の変更を反映しません。この状態になると、ディスクの一番上に構築された各ソフトパーティションでオープンエラーが発生し、次のメッセージが表示されます。


Open Error

回避方法: metarecover コマンドを実行してソフトパーティションを回復するのではなく、新しいディスクにソフトパーティションを作成してください。


注 –

ソフトパーティションがミラーまたは RAID5 の一部である場合、次の metareplace コマンドを -e オプションをつけずに使用して、古いソフトパーティションを新しいソフトパーティションに交換します。


# metareplace dx mirror or RAID 5 
old_soft_partition new_soft_partition