Solaris 10 5/08 リリース以降のアップグレードに関する最新のサポート情報については、「Solaris リリースのアップグレードサポートの変更」を参照してください。
ここでは、アップグレードに関するバグ情報について説明します。これらのバグには、Solaris 10 OS へのアップグレード中に発生するものもあれば、アップグレードの完了後に発生するものもあります。
実行状態にない非大域ゾーンで lucreate および lumake コマンドを使用すると、それらのコマンドが正常に実行されないことがあります。元の非大域ゾーンの内容とコピーの内容が異なっていることがあります。ユーザーが zlogin コマンドを使用してゾーンのコンソールにログインできないことがあります。zlogin コマンドの使用時に、次のエラーメッセージが表示されます。
zlogin: makeutx failed |
lucreate および lumake コマンドの診断出力にはエラーは一切表示されません。
回避方法: lucreate および lumake コマンドを使用する前に、すべての非大域ゾーンが実行状態にあることを確認してください。
Solaris Live Upgrade を使用して以前の Solaris 8 および Solaris 9 リリースから Solaris 10 5/08 リリースへのアップグレードを実行すると、失敗します。インストールイメージの圧縮ファイルは、7za ユーティリティーを使って解凍するようになりました。Solaris 8 および 9 リリースには、SUNWp7zip パッケージが含まれていません。その結果、Solaris Live Upgrade が失敗します。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 9 OS を Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードするには、次のパッチを適用してください。
SPARC システムの場合 – 137477-01 またはそれ以降
x86 システムの場合 – 137478-01 またはそれ以降
回避方法 2: Solaris Live Upgrade を使用して、現在の Solaris 10 OS を Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードするには、次のパッチを適用してください。
SPARC システムの場合 – 137321-01 またはそれ以降
x86 システムの場合 – 137322-01 またはそれ以降
Solaris 8 リリースから Solaris 10 5/08 リリースへの Solaris Live Upgrade はサポートされていません。代わりに、標準のアップグレード手順を使用するか、Solaris 8 OS から Solaris 9 OS または Solaris 10 OS への Solaris Live Upgrade を実行してください。その次に、Solaris 9 リリースまたは Solaris 10 リリースから Solaris 10 5/08 リリースへの Solaris Live Upgrade を実行できます。
Solaris Live Upgrade を使用した非大域ゾーンのアップグレードが完了したあと、そのゾーンで /tmp を使って実行される各種プロセスがクラッシュすることがあります。アップグレードプロセスによって /tmp ディレクトリのアクセス権が変更され、そのことがアプリケーションエラーの原因となっています。ユーザーに対して、正しいアクセス権の drwxrwxrwx ではなく、drwxr-xr-x が表示されます。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: 新しいブート環境をアクティブにする前に、次の手順を実行してください。
ディスクをマウントします。
# mount /dev/dsk/c1t1d0s6 /mnt |
アクセス権を修正します。
# chmod 1777 /mnt/zone/*/root/tmp |
次に、ディスクをマウント解除します。
# umount /mnt |
この回避方法によって同時にすべてのゾーンが修正されます。
回避方法 2: 新しいブート環境をすでにブートしている場合は、 root ユーザーとしてシステムにログインします。ゾーンを停止し、/tmp ディレクトリの正しいアクセス権を手動で設定します。次のコマンドを入力します。
# chmod 1777 /path/root/tmp |
path にはゾーンのゾーンパスを指定します。
ゾーンを /opt ディレクトリにインストールした場合は、ゾーンを持つディスク容量再割り当て (DSR) のアップグレードが失敗します。DSR アーカイブの復元中にアップグレードが失敗することがあります。場合によっては、アップグレードが成功することもありますが、システムをリブートすることはできません。
回避方法: アップグレードの前に、ルートファイルシステムの使用率が 100% でないことを確認します。アップグレードの前にファイルをいくつか削除して、ルートスライスの使用率が 90% 未満になるようにします。
Solaris Trusted Extensions を Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースから最新の Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードすると、ローカライズされた不要な Solaris Trusted Extensions パッケージがシステムにインストールされます。このバグが発生するのは、Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースの Solaris Trusted Extensions インストーラがローカライズされたパッケージをデフォルトでインストールするためです。エラーメッセージは表示されません。
回避方法: Solaris Trusted Extensions を最新のリリースにアップグレードする前に、ローカライズされた次の Solaris Trusted Extensions パッケージを削除してください。
SUNWjdtts |
SUNWkdtts |
SUNWjmgts |
SUNWkmgts |
SUNWjtsman |
SUNWktsu |
SUNWjtsu |
SUNWodtts |
SUNWtgnome-l10n-doc-ja |
SUNWtgnome-l10n-ui-ko |
SUNWtgnome-l10n-ui-it |
SUNWtgnome-l10n-ui-zhHK |
SUNWtgnome-l10n-ui-sv |
SUNWtgnome-l10n-ui-es |
SUNWtgnome-l10n-doc-ko |
SUNWtgnome-l10n-ui-ptBR |
SUNWtgnome-l10n-ui-ja |
SUNWtgnome-l10n-ui-zhTW |
SUNWtgnome-l10n-ui-zhCN |
SUNWtgnome-l10n-ui-fr |
SUNWtgnome-l10n-ui-de |
SUNWtgnome-l10n-ui-ru |
このバグは、Solaris 10 Hardware 2 リリースから最新の Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードする際に発生します。
Solaris 10 Hardware 2 リリースでは、NIS、NIS+、FILES、LDAP などの任意のネームサービスに対して name_service.xml ファイルは次のようになっています。
# ls -l name_service.xml lrwxrwxrwx 1 root root 10 Apr 10 16:26 name_service.xml -> ns_files.xml |
ネームサービスが NIS の場合、name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。ただし、ns_files.xml の内容は ns_nis.xml の内容と同じです。
# cat /etc/release Solaris 10 3/05 HW2 s10s_hw2wos_05 SPARC Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved. Use is subject to license terms. Assembled 26 September 2005 # cd /var/svc/profile # ls -l name_service.xml ns_files.xml ns_nis.xml lrwxrwxrwx 1 root other 12 May 21 04:06 name_service.xml -> ns_files.xml -r--r--r-- 1 root sys 779 May 21 04:25 ns_files.xml -r--r--r-- 1 root sys 779 Jan 21 2005 ns_nis.xml # # diff ns_files.xml ns_nis.xml # diff name_service.xml ns_nis.xml |
上記の出力で、ns_nis.xml ファイルと ns_files.xml ファイルは同じになっています。つまり、name_service.xml ファイルのシンボリックリンクが、間違ったネームサービスファイルを指しています。name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。代わりに、name_service.xml ファイルは ns_nis.xml にリンクするべきです。
CR 6411084 に対する修正は SUNWcsr インストールまたはインストール後スクリプトで行いますが、修正によって正しいリンクが作成されるのは、name_service.xml がリンクファイルでない場合のみです。Solaris 10 Hardware 2 リリースのように、name_service.xml がすでにシンボリックリンクファイルになっている場合、CR 6411084 に対する修正は機能しません。
Solaris 10 Hardware 2 から最新の Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードした後、次のメッセージがコンソールに表示されるか、メッセージファイルに記録されます。
Oct 23 12:18:45 vt2000a automount[301]: [ID 366266 daemon.error] can't read nis map auto_master: can't communicate with ypbind - retrying |
また、/network/nis/client:default サービスがオフラインになります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: アップグレードの前に、/var/svc/profile/name_service.xml ファイルを削除します。
回避方法 2: アップグレード後に、ネームサービスに応じた正しい ns_<xxx>.xml ファイルに /var/svc/profile/name_service.xml をリンクします。
インストールされているのに、ブートされていないまたは準備ができていない非大域ゾーンによって、システムは正しくアップグレードされなくなります。エラーメッセージは表示されません。
回避方法:
そういったゾーンが見つかった場合は、アップグレードを開始する前に、ゾーンの準備を整えてから停止する必要があります。次に例を示します。
global# zoneadm -z myzone ready ; zoneadm -z myzone halt |
非大域ゾーンを持つ Solaris 10 3/05 システムまたは Solaris 10 1/06 システムを Solaris 10 6/06、Solaris 10 8/07、または Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードすると、ローカルファイルシステムをマウントする SMF サービスが非大域ゾーンで失敗する場合があります。その結果、非大域ゾーン内のその他のサービスが起動に失敗することがあります。
非大域ゾーンを持つ Solaris 10 システムを Solaris 10 6/06、Solaris 10 8/07、または Solaris 10 5/08 リリースにアップグレードしたあとで、サービスが保守状態になる場合があります。次に例を示します。
# zlogin myzone svcs -x svc:/system/filesystem/local:default (local file system mounts) State: maintenance since Wed May 24 13:18:06 2006 Reason: Start method exited with $SMF_EXIT_ERR_FATAL. See: http://sun.com/msg/SMF-8000-KS See: /var/svc/log/system-filesystem-local:default.log Impact: 18 dependent services are not running. (Use -v for list.) |
回避方法:
大域ゾーンから非大域ゾーンをリブートします。次に例を示します。
global# zoneadm -z myzone reboot |
この Solaris 10 リリースの Solaris ボリュームマネージャーでは、デバイス ID が新しい形式で表示されます。Solaris 9 9/04 OS では、ディスクセットでのデバイス ID サポートが導入されましたが、この新しい形式は認識されません。Solaris 9 9/04 リリースから Solaris 10 OS にアップグレードするとき、既存のディスクセットアップに関連付けられたデバイス ID は、Solaris ボリュームマネージャーの構成で更新されません。Solaris 9 9/04 OS に戻す必要がある場合、アップグレード後にディスクセットに加えた構成の変更は、Solaris 9 9/04 OS で使用できないことがあります。詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の第 25 章「Solaris ボリュームマネージャのトラブルシューティング (作業)」を参照してください。
インストール時更新 (ITU) としても知られる、ドライバ更新 (DU) を追加しているとき、Solaris 10 OS のインストールに失敗することがあります。このエラーは、GUI を使用して Solaris 10 ソフトウェアをインストールする場合に発生します。次のメッセージが表示されます。
Unable to run cmd: /usr/sbin/sysidput |
回避方法: 次のいずれかの回避方法を使用してください。
Solaris Live Upgrade を使用してブート環境を作成するときには、システムのいずれかのブート環境で GRUB (GRand Unified Bootloader) メニューを運用します。このブート環境は、ludelete コマンドを使っても削除できません。
このブート環境を削除しようとすると、次のエラーメッセージが表示されます。
ERROR: The boot environment name-of-boot-environment contains the GRUB menu. ERROR: You are not allowed to delete this BE. Unable to delete boot environment. |
回避方法: lumake コマンドまたは luupgrade コマンドを使用して、このブート環境を再利用してください。GRUB メニューを含むブート環境は、最後に削除するブート環境にします。
Solaris Live Upgrade では、最後のブート環境を削除することはできません。また、GRUB メニューが含まれるブート環境を削除することもできません。ただし、最後のブート環境に GRUB メニューが含まれている場合でも、他のすべてのブート環境については必要に応じて削除できます。
Solaris Live Upgrade ソフトウェアを次の方法で使用する場合は、アップグレード進捗バーが表示されません。
Solaris 10 5/08 CD メディアを使用して OS をアップグレードする場合。
luupgrade コマンドを使用してブート環境をアップグレードするときに、次のオプションを指定する場合。
-i (CD メディアからインストールするオプション)
-O “-nodisplay -noconsole ” (2 枚目の CD のインストーラをテキストモードかつユーザーとの対話なしで実行するオプション)
Solaris 10 5/08 ソフトウェアを次のリリースからアップグレードする場合。
Solaris 9 リリース
Solaris 10 リリース
たとえば、次のコマンドを実行した場合、次の出力が表示されたあとに進捗バーが表示されるべきです。
Running installer on BE s10u1. |
しかし、進捗バーは表示されません。
# luupgrade -i -n s10u1 -s /net/installsrv/export/s10u1 -O "-nodisplay -noconsole" Validating the contents of the media /net/installsvr/export/s10u1. The media is a standard Solaris media. The media contains a standard Solaris installer. The media contains Solaris 3 version 10. Mounting BE s10u1. Running installer on BE s10u1. |
エラーメッセージは表示されません。
回避方法: prstat コマンドを使用してください。このコマンドでは、インストールが進行してパッケージが追加されるに従って、その進捗を監視することができます。
推奨パッチクラスタがインストールされた Solaris 9 リリースが稼働しているシステムでは、Solaris 10 OS へのアップグレードは部分的にしか成功しません。この問題は、Solaris 9 推奨パッチクラスタがインストールされた次のリリースが稼働しているシステムで発生します。
Solaris 9 リリース
Solaris 9 9/02 リリース
Solaris 9 12/02 リリース
Solaris 9 4/03 リリース
Solaris 9 8/03 リリース
Solaris 9 12/03 リリース
Solaris 9 4/04 リリース
Solaris 10 リリースへのアップグレード時に、システムから SUNWcti2x パッケージが正常に削除されません。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
この問題を回避するには、Solaris 10 OS へのアップグレードを行う前に、パッチ ID 117426-03 またはそれ以降のバージョンをシステムに適用します。
このパッチは http://sunsolve.sun.com からダウンロードできます。
アップグレード時にこの問題が発生する場合は、次の手順を実行します。
テキストエディタを使用して、/var/sadm/pkg/SUNWcti2x/install/preremove ファイル内の次の行をコメントにします。
rem_drv -b ${BASEDIR} sc_nct || EXIT=1 |
SUNWcti2x パッケージを削除します。
# pkgrm SUNWcti2x |
Solaris Live Upgrade を使用して Solaris 8 または Solaris 9 リリースから Solaris 10 OS にアップグレードするとき、古いアンインストールプログラムは削除されません。このような以前の OS のアンインストールプログラムは、システムの /var/sadm/prod ディレクトリに残ります。
次に示す古いアンインストーラは削除されません。
uninstall_Alternate_Pathing_2_3_1.class uninstall_CDRW_1_1.class o uninstall_CDRW_1_0.class uninstall_Bonus_Localization_-_Catalan_CDE_Desktop.class uninstall_Bonus_Localization_-_Polish_CDE_Desktop.class uninstall_Bonus_Localizations_-_Russian_CDE_Desktop.class uninstall_Capacity_on_Demand_1_0.class uninstall_Java3D_1_3_1.class uninstall_Java3D_1_3.class uninstall_Java3D_1_2_1_04.class uninstall_Java3D_1_2_1_03.class uninstall_Lights_Out_Management_2_0.class uninstall_Man_Page_Supplement.class uninstall_OpenGL_1_3.class uninstall_OpenGL_1_2_3.class uninstall_Netra_ct_Platform_1_0.class uninstall_Netra_t11xx_Alarms_2_0.class uninstall_Netscape_6_2_3.class uninstall_Netscape_6_2_1_Beta.class uninstall_PC_launcher_1_0_2.class uninstall_PC_launcher_1_0_1_PCfileviewer_1_0_1.class uninstall_RSC_2_2_2.class uninstall_RSC_2_2_1.class uninstall_RSC_2_2.class uninstall_ShowMeTV_1_3.class uninstall_Solaris_9_French_Localization.class uninstall_Solaris_9_German_Localization.class uninstall_Solaris_9_Hong_Kong_Traditional_Chinese_Localization.class uninstall_Solaris_9_Italian_Localization.class uninstall_Solaris_9_Japanese_Localization.class uninstall_Solaris_9_Korean_Localization.class uninstall_Solaris_9_Simplified_Chinese_Localization.class uninstall_Solaris_9_Spanish_Localization.class uninstall_Solaris_9_Swedish_Localization.class uninstall_Solaris_9_Traditional_Chinese_Localization.class uninstall_Solaris_On_Sun_Hardware_Documentation.class uninstall_Sun_Hardware_AnswerBook.class uninstall_SunATM_5_0.class uninstall_SunATM_5_1.class uninstall_SunFDDI_PCI_3_0.class uninstall_SunFDDI_SBus_7_0.class uninstall_Sun_Fire_880_FC-AL_Backplane_Firmware_1_0.class uninstall_Sun_Fire_B10n_Load_Balancing_Blade_1_1.class uninstall_SunForum_3_1.class uninstall_SunForum_3_2.class uninstall_SunHSI_PCI_3_0.class uninstall_SunHSI_SBus_3_0.class uninstall_SunScreen_3_2.class uninstall_SunVTS_5_1_PS6.class uninstall_SunVTS_5_1_PS5.class uninstall_SunVTS_5_1_PS4.class uninstall_SunVTS_5_1_PS3.class uninstall_SunVTS_5_1_PS2.class uninstall_SunVTS_5_1_PS1.class uninstall_SunVTS_5_0.class uninstall_System_Management_Services_1_4.class uninstall_System_Management_Services_1_3.class uninstall_System_Management_Services_1_2.class uninstall_System_Service_Processor_3_5.class uninstall_WBEM_DR_1_0.class uninstall_Web_Start_Wizards_SDK_3_0_2.class uninstall_Web_Start_Wizards_SDK_3_0_1.class uninstall_Web_Start_Wizards_SDK.class uninstall_XML_Libraries_2_4_12.class |
回避方法: システムをアップグレードしたあと、/var/sadm/prod ディレクトリにある古いアンインストーラを手動で削除してください。
この Solaris 10 リリースでは、pam_ldap の機能に変更が加えられています。このリリースにアップグレードするとき、既存の pam.conf 構成ファイル内の pam_ldap 構成は更新されず、これらの変更は反映されません。pam_ldap 構成が検出された場合は、アップグレードの終了時に生成される CLEANUP ファイルに、次のような通知が追加されます。
/etc/pam.conf please examine/update the pam_ldap configuration because its functionality has changed, refer to pam_ldap(5) documentation for more information |
回避方法: アップグレード後に /etc/pam.conf を調べます。必要に応じて、このファイルを手動で変更して、pam_ldap の新しい機能と互換性を持たせます。変更内容は、use_first_pass オプションや try_first_pass オプションなどのパスワードプロンプト機能、パスワード更新機能などです。pam.conf の更新方法の詳細については、pam_ldap(5) のマニュアルページを参照してください。
Solaris Live Upgrade で luupgrade(1M) コマンドに -i オプションを指定して、アクティブでないブート環境をアップグレードした場合、言語によってはインストールプログラムが表示するテキストが判読不能になります。これは、現在のブート環境にある古いリリースに存在していないフォントを、インストールプログラムが要求した場合に発生します。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
Solaris 8 ソフトウェアから Solaris 10 リリースへのアップグレードの際、SUNWjxcft パッケージが削除されるときに、次のようなエラーメッセージが upgrade_log ファイルに記録されます。
Removing package SUNWjxcft: Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TTbitmaps/fonts.alias Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.upr Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.scale Can't open /a/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/TT/fonts.alias Removal of <SUNWjxcft> was successful |
回避方法: このエラーメッセージは無視してください。
/etc/init.d/sshd デーモンから第三者の Secure Shell (OpenSSH など) を実行しているシステムの場合、Solaris 10 リリースにアップグレードすると、既存の Secure Shell デーモンが使用できなくなります。アップグレード時に、Solaris 10 ソフトウェアが自身の sshd で /etc/init.d/sshd の内容を上書きし、既存の sshd が失われます。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムが不要な場合は、アップグレード時に SUNWsshdr パッケージと SUNWsshdu パッケージをインストールしないでください。
システムに Secure Shell プロトコルサーバープログラムもクライアントプログラムもどちらも不要な場合は、アップグレード時に Secure Shell Cluster (SUNWCssh) をインストールしないでください。
/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 10 リリースにアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生し、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされている場合によく発生します。または、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合にも発生します。次のメッセージが表示されます。
WARNING: Insufficient space for the upgrade. |
回避方法: アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。
アップグレードが完了するまで、一時的に /export ディレクトリの名前を変更します。
アップグレードが完了するまで、/etc/vfstab ファイル内の /export の行を一時的にコメントにします。
/export が独立したファイルシステムである場合は、アップグレードを実行する前に /export のマウントを解除します。
現在のシステムが、Solstice AdminSuiteTM 2.3 Diskless Client ツールによってインストールされたディスクレスクライアントをサポートしている場合、2 つの手順を実行する必要があります。
既存のディスクレスクライアントのうち、サーバーと同じ Solaris バージョンで同じアーキテクチャーのものをすべて削除します。
Solaris 10 リリースをインストールするか、または Solaris 10 リリースにアップグレードします。
具体的な手順については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。
ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 10 ソフトウェアをインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
The Solaris Version (Solaris version-number) on slice <xxxxxxxx> cannot be upgraded. There is an unknown problem with the software configuration installed on this disk. |
このエラーメッセージの version-number は、現在、システムで稼働している Solaris のバージョンを表します。<xxxxxxxx> は、このバージョンの Solaris ソフトウェアを実行しているスライスです。