Solaris 10 5/08 ご使用にあたって

ネットワーク接続に関する注意事項

Solaris 10 リリースのネットワーク接続に関するバグ情報について説明します。

nxge ドライバが nxge_fflp_stat_update でパニックになる (6644276)

nxge ドライバで kstat を実行すると、システムパニックが発生することがあります。ただし、この状態はまれにしか発生しません。

回避方法: nxge ドライバで kstat を実行しないでください。

SPARC: NFS/RDMA の接続エラー (6229077)

NFS サーバーと、RDMA (Remote Direct Memory Access) を使用しているクライアントとの間で接続エラーが発生することがあります。このエラーにより、バッファープールの資源が使い果たされ、システムがパニックになります。次のエラーメッセージが表示されます。


rpcib: WARNING: rib_rbuf_alloc: No free buffers!

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

詳細は、mount_nfs(1M) および nfs(4) のマニュアルページを参照してください。

2 つのポータルを持つ iSCSI ターゲットで、1 つが不正なポータルの場合は、ログインが失敗する (6476060)

iSCSI ターゲットまたはアレイから send target 応答の一部として複数の IP アドレスが返された場合、イニシエータはこれまでのリリースのようにリスト内の最初のアドレスだけを考慮するのではなく、最後のアドレスだけを考慮します。その結果、最後の IP アドレスが不正または無効な場合は、このターゲットへの接続が失敗します。

回避方法: send target 応答で、各エントリについて異なるターゲットポータルグループタグ (TPGT) を返します。イニシエータは接続を成功させるために、すべての IP アドレスに対して接続を確立しようとします。

システム DOI を設定できない (6314248)

システム DOI (Domain of Interpretation) を設定できません。Solaris 管理コンソールを使用して新しいトラステッドネットワークテンプレートを作成するとき、Solaris 管理コンソールによって DOI が 0 に設定され、Solaris Trusted Extensions が正しく機能しません。さまざまなエラーメッセージが表示されます。

回避方法: Solaris 管理コンソールを使用して DOI を 1 に設定します。

Solaris 10 OS では IP 転送がデフォルトで無効になっている

この Solaris リリースでは、IP 転送はデフォルトで無効になっています。この設定は、ほかのシステム構成に関係なくIPv4 と IPv6 の両方に適用されます。以前はデフォルトで IP パケットを転送していた複数の IP インタフェースを持つシステムには、もうこの自動機能はありません。マルチホームシステムでの IP 転送を有効にするには、管理者は手動でいくつかの設定手順を実行する必要があります。

回避方法: コマンド routeadm を実行して IP 転送を有効にできます。routeadm を使用して行われた構成変更は、システムのリブート時にも保持されます。

IP 転送の詳細については、routeadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

IP アドレスが失敗した IP ネットワークマルチパスグループに属していると、ゾーンはブートしない (6184000)

ゾーンの IP アドレスが IP ネットワークマルチパス (IPMP) グループの一部になるようにゾーンを構成できます。構成方法については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』「IP ネットワークマルチパス機能を共有 IP 非大域ゾーンに拡張する方法」を参照してください。

IPMP グループに含まれるすべてのネットワークインタフェースが失敗すると、その IPMP グループに属している IP アドレスを持つゾーンはブートしません。

次の例は、ゾーンをブートしようとした場合の結果を示しています。


# zoneadm -z my-zone boot
zoneadm: zone 'my-zone': bge0:1: 
could not set default interface for multicast: Invalid argument 
zoneadm: zone 'my-zone': call to zoneadmd failed

回避方法: グループ内のネットワークインタフェースの少なくとも 1 つを修復してください。

DataDigests の使用時にエラーが断続的に発生することがある (5108515)

DataDigests が有効になっている場合に、Internet SCSI (iSCSI) ターゲットが CRC (巡回冗長検査) エラーを報告することがあります。iSCSI イニシエータにデータを転送したあとに入出力バッファーを更新するユーザーアプリケーションでは、CRC が正しく計算されないことがあります。ターゲットが CRC エラーを返すと、iSCSI イニシエータは正しい DataDigest CRC を含むデータを再転送します。データの整合性は維持されます。ただし、データ転送のパフォーマンスに影響します。エラーメッセージは表示されません。

回避方法: DataDigest オプションは使用しないでください。

フィルタリングが有効な 2 つの IP ノード間に複数のトンネルを設定するとパケットが失われることがある (4152864)

2 つの IP ノード間に複数の IP トンネルを設定し、ip_strict_dst_multihoming またはその他の IP フィルタを有効にした場合、パケットが失われることがあります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。