このパートでは、リファレンス情報について説明します。
この章では、Solaris 10 5/08 ソフトウェアのインストール時に発生する可能性のあるエラーメッセージと一般的な問題の一覧を示し、それぞれの問題の解決方法を示します。まず、次のリストを使用して、インストールプロセスのどこで問題が発生したか確認してください。
この付録で「ブート可能なメディア」と記載されている場合、これはインストールプログラムおよび JumpStart インストールを意味します。
Unknown client “host_name ”
原因:add_install_client コマンドの host_name 引数は、ネームサービス内のホストではありません。
対処方法:ホスト host_name をネームサービスに追加し、add_install_client コマンドを実行し直してください。
Error: <system name> does not exist in the NIS ethers map
Add it, and rerun the add_install_client command
説明:add_install_client コマンドを実行すると、上記のエラーが出てコマンドが失敗します。
原因:インストールサーバーに追加しようとしているクライアントが、サーバーの /etc/ethers ファイルに存在しません。
対処方法:必要な情報をインストールサーバー上の /etc/ethers ファイルに追加し、add_install_client コマンドを実行し直してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
このクライアント上で ethers アドレスを見つけます。
# ifconfig -a grep ethers ether 8:0:20:b3:39:1d |
インストールサーバー上で、エディタを使って /etc/ethers ファイルを開きます。そのアドレスをリストに追加します。
この例のように、クライアント上で add_install_client をもう一度実行します。
# ./add_install_client bluegill sun4u |
le0: No carrier - transceiver cable problem
原因:システムがネットワークに接続されていません。
対処方法:ネットワークに接続せずに使用しているシステムの場合は、このメッセージは無視してください。ネットワークに接続されているシステムの場合は、Ethernet が正しく接続されているかどうか確認してください。
The file just loaded does not appear to be executable
原因:ブート用の適切な媒体が見つかりません。
対処方法:インストールサーバーからネットワークを介して Solaris 10 5/08 ソフトウェアをインストールするように正しく設定されているか確認します。たとえば、次のような確認を行います。
Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE CD のイメージをインストールサーバーにコピーした場合は、設定時にシステムのプラットフォームグループを正しく指定したかどうかを確認します。
DVD または CD メディアを使用する場合は、Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD がインストールサーバー上にマウントされていてアクセスできることを確認します。
boot: cannot open <filename> (SPARC システムのみ)
原因:PROM の boot -file の値を明示的に指定したときに発生するエラーです。
filename は、対象となるファイルの名前です。
次の手順を実行します。
PROM の boot-file の値を (無指定) に設定変更します。
diag-switch が off と true に設定されているか確認します。
Can't boot from file/device
原因:インストールメディアがブート可能なメディアを見つけることができません。
対処方法:次の条件が満たされているか確認します。
DVD-ROM または CD-ROM ドライブがシステムに適切に取り付けられ、電源が入っている。
Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD がドライブに挿入されている。
ディスクに傷や埃が付いていない。
WARNING: clock gained xxx days -- CHECK AND RESET DATE! (SPARC システムのみ)
説明:これは参考情報です。
対処方法:メッセージは無視して、インストールを継続してください。
Not a UFS file system (x86 システムのみ)
原因:Solaris 10 5/08 ソフトウェアをインストールしたとき (Solaris インストールプログラムまたはカスタム JumpStart を使って)、ブートドライブを選択しませんでした。BIOS を編集してシステムをブートする必要があります。
対処方法:BIOS を選択してブートします。詳細は、BIOS のマニュアルを参照してください。
システムがブートしない。
説明:初めてカスタム JumpStart サーバーを設定する場合、エラーメッセージを返さないブート問題が発生することがあります。システムについての情報およびシステムがどのようにブートするかを調べるには、-v オプションを指定してブートコマンドを実行してください。-v オプションを使用すると、ブートコマンドは画面に詳しいデバッグ情報を表示します。
このフラグを指定しなくてもメッセージは出力されますが、システムログファイルが出力先となります。詳細については、syslogd(1M) を参照してください。
SPARC システムの場合、ok プロンプトで次のコマンドを入力します。
ok boot net -v - install |
Toshiba SD-M 1401 DVD-ROM が搭載されたシステムで DVD メディアからのブートが失敗する
説明:使用しているシステムにファームウェアバージョン 1007 の Toshiba SD-M1401 DVD-ROM が搭載されている場合、システムは Solaris Operating System DVD からブートできません。
対処方法:111649–03 以降のパッチを適用して Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブのファームウェアを更新します。このパッチ 111649–03 は sunsolve.sun.com から入手できます。
メモリー増設用以外の PC カードを挿入すると、システムがハングまたはパニックを起こす。(x86 システムのみ)
原因:メモリー増設用以外の PC カードは、ほかのデバイスが使用するのと同じメモリーリソースを使用できません。
対処方法:この問題を解決するには、PC カードのマニュアルを参照してアドレス範囲を確認してください。
システムがプロンプトを出す前にハングする。(x86 システムのみ)
対処方法:サポートされていないハードウェアです。ハードウェアのマニュアルを参照してください。
WARNING: getfile: RPC failed: error 5 (RPC Timed out).
説明:インストールクライアントのブート要求に対して、ネットワーク上の複数のサーバーが応答したときに発生するエラーです。インストールクライアントの接続先のブートサーバーが間違っているため、インストールは停止します。次の原因が考えられます。
原因:1 このインストールクライアントが登録された /etc/bootparams ファイルが複数のサーバーに存在する可能性があります。
対処方法:1 ネットワーク上の複数のサーバーの /etc/bootparams エントリにインストールクライアントが登録されていないか調べます。複数のサーバーに登録がされている場合は、インストールに使用するインストールサーバー(またはブートサーバー)以外のサーバーの /etc/bootparams ファイルから登録を削除します。
原因:2 複数の /tftpboot または /rplboot ディレクトリにこのインストールクライアントが登録されている可能性があります。
対処方法:2 ネットワーク上の複数のサーバーの /tftpboot または /rplboot ディレクトリにインストールクライアントが登録されていないか調べます。複数のサーバーに登録されている場合は、インストールに使用するインストールサーバー(またはブートサーバー)以外のサーバーの /tftpboot または /rplboot ディレクトリから、クライアントの登録を削除します。
原因:3 あるサーバーの /etc/bootparams ファイルにこのインストールクライアントが登録されており、別のサーバーの /etc/bootparams ファイルで、すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるように記述されている可能性があります。次に示すようにすべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるように記述しています。
* install_config=profile_server:path
このエラーは、NIS または NIS+ の bootparams テーブルにこのような行が存在していても発生します。
対処方法:3 ワイルドカードエントリがネームサービスの bootparams マップまたはテーブル (* install_config= など) にある場合は、そのエントリを削除し、ブートサーバーの /etc/bootparams ファイルに追加します。
No network boot server. Unable to install the system. See installation instructions. (SPARC システムのみ)
原因:このエラーは、ネットワークからインストールしようとしているシステムで発生します。このシステムは、適切に設定されていません。
対処方法:ネットワークを介してインストールするようにシステムが適切に設定されているか確認します。『Solaris 10 5/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「CD イメージを使用してネットワークからインストールするシステムの追加」を参照してください。
prom_panic: Could not mount file system (SPARC システムのみ)
原因:このエラーはネットワークから Solaris をインストールしようとしてブートソフトウェアが次のものを見つけられない場合に発生します。
Solaris Operating System DVD またはインストールサーバー上の Solaris Operating System DVD イメージコピー
Solaris SOFTWARE - 1 CD または インストールサーバー上の Solaris SOFTWARE - 1 CD イメージコピー
インストール用のソフトウェアがマウントされ共有されるように設定してあることを確認します。
インストールサーバーの DVD-ROM または CD-ROM ドライブから Solaris をインストールする場合は、Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD が CD-ROM ドライブに挿入されてマウントされていること、および /etc/dfs/dfstab ファイルで共有されるように設定してあることを確認します。
インストールサーバーのディスク上にある Solaris Operating System DVD イメージまたは Solaris SOFTWARE - 1 CD イメージのコピーからインストールする場合は、そのコピーのディレクトリパスが /etc/dfs/dfstab ファイル内で共有されていることを確認します。
Timeout waiting for ARP/RARP packet...(SPARC システムのみ)
原因:1 クライアントはネットワークを介してブートしようとしていますが、認識してくれるシステムを見つけることができません。
対処方法:1 システムのホスト名が NIS または NIS+ のネームサービスに登録されていることを確認します。また、ブートサーバーの /etc/nsswitch.conf ファイル内の bootparams の検索順序を確認します。
たとえば、/etc/nsswitch.conf ファイル内にある次の行は、JumpStart または Solaris インストールプログラムが最初に NIS マップから bootparams 情報を探すことを示しています。ここで情報が見つからない場合、インストーラはブートサーバーの /etc/bootparams ファイルを調べます。
bootparams: nis files原因:
2 クライアントの Ethernet アドレスが不正です。
対処方法:2 インストールサーバーの /etc/ethers ファイルにあるクライアントの Ethernet アドレスが正しいことを確認します。
原因:3 カスタム JumpStart インストールでは、特定のサーバーをインストールサーバーとして使用するようにプラットフォームグループを add_install_client コマンドによって指定します。add_install_client を使用する際に不正な構成値を使用すると、この問題が発生します。たとえば、インストールするマシンが sun4u であるのに誤って i86pc と指定した場合などが考えられます。
対処方法:3 正しいアーキテクチャー値を使用して add_install_client を実行し直します。
ip: joining multicasts failed on tr0 - will use link layer broadcasts for multicast (x86 システムのみ)
原因:このエラーメッセージは、トークンリングカードを使ってシステムをブートしたときに表示されます。Ethernet のマルチキャストとトークンリングのマルチキャストの動作は異なります。ドライバはこのエラーメッセージを返して、マルチキャストアドレスが無効なことを知らせます。
対処方法:このエラーメッセージは無視してください。マルチキャストがうまく動作しなければ、IP は代わりにレイヤーブロードキャストを使用し、インストールは失敗しません。
Requesting Internet address for Ethernet_Address (x86 システムのみ)
原因:クライアントはネットワークを介してブートしようとしていますが、認識してくれるシステムを見つけることができません。
対処方法:システムのホスト名がネームサービスに登録されていることを確認します。システムのホスト名が NIS または NIS+ のネームサービスに登録されているのに、システムがこのエラーメッセージを表示し続ける場合は、リブートしてください。
RPC: Timed out No bootparams (whoami) server responding; still trying... (x86 システムのみ)
原因:クライアントはネットワークからブートしようとしていますが、インストールサーバー上の /etc/bootparams ファイルにエントリを持つシステムを見つけることができません。
対処方法:インストールサーバー上で add_install_client を実行します。これにより /etc/bootparams ファイルに適切なエントリが追加され、クライアントがネットワークからブートできるようになります。
Still trying to find a RPL server... (x86 システムのみ)
原因:システムはネットワークからブートしようとしていますが、サーバーではこのシステムをブートするように設定されていません。
対処方法:インストールサーバー上で、インストールするシステム用に add_install_client を実行します。add_install_client コマンドは、必要なネットワークブートプログラムを含む /rplboot ディレクトリを設定します。
CLIENT MAC ADDR: FF FF FF FF FF FF (DHCP によるネットワークインストールのみ)
原因:DHCP サーバーが正しく構成されていません。このエラーは、DHCP マネージャ内でオプションやマクロが正しく定義されていない場合に発生する可能性があります。
対処方法:DHCP マネージャで、オプションおよびマクロが正しく定義されていることを確認します。ルーターオプションが定義されており、その値がネットワークインストールで使用するサブネットを正しく表していることを確認します。
システムはネットワークを介してブートされるが、指定したインストールサーバー以外のシステムからブートされる。
原因:このクライアントが登録された /etc/bootparams エントリと /etc/ethers エントリが別のシステム上に存在します。
対処方法:ネームサーバー上で、インストールするシステムの /etc/bootparams エントリを更新します。このエントリは、次の構文に従う必要があります。
install_system root=boot_server:path install=install_server:path
また、サブネット内で複数のサーバーの bootparams ファイルにインストールクライアントが登録されていないか確認します。
システムがネットワークからブートしない (DHCP によるネットワークインストールのみ)。
原因:DHCP サーバーが正しく構成されていません。このエラーは、システムが DHCP サーバーのインストールクライアントとして構成されていない場合に発生することがあります。
対処方法:DHCP マネージャーソフトウェアで、クライアントシステムのインストールオプションとマクロが定義されていることを確認します。詳細は、『Solaris 10 5/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
初期インストールが失敗する
対処方法:Solaris のインストールが失敗する場合、インストールを再実行する必要があります。インストールを再実行するには、Solaris Operating System DVD、Solaris SOFTWARE - 1 CD、またはネットワークを利用してシステムをブートする必要があります。
Solaris ソフトウェアが部分的にインストールされたあとでは、このソフトウェアのインストールを解除することはできません。バックアップからシステムを復元するか、Solaris インストールの処理をもう一度行う必要があります。
/cdrom/cdrom0/SUNW xxxx/reloc.cpio: Broken pipe
説明:このエラーメッセージは参考情報であり、インストールには影響しません。パイプへ書き込みをしたときに読み取りプロセスが存在しないと、この状況が発生します。
対処方法:メッセージは無視して、インストールを継続してください。
WARNING: CHANGE DEFAULT BOOT DEVICE (x86 システムのみ)
原因:これは参考情報です。システムの BIOS に設定されているデフォルトブートデバイスが、ブート時に Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助)を必要とするように設定されている可能性があります。
対処方法:インストールを続行します。Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクを必要としないデバイスに Solaris ソフトウェアをインストールし終わったら、必要に応じて、BIOS に指定されたシステムのデフォルトのブートデバイスを変更します。
locale キーワードを使用して初期インストール用のカスタム JumpStart プロファイルをテストする場合は、pfinstall -D コマンドでプロファイルをテストすると失敗します。回避方法については、「Solaris OS のアップグレード」セクションのエラーメッセージ「could not select locale」を参照してください。
IDE ディスクドライブは、Solaris ソフトウェアがサポートするほかのドライブのように、不良ブロックを自動的に無効にしません。IDE ディスク上に Solaris をインストールする前に、ディスクを検査することをお勧めします。IDE ディスクの検査を行うには、次の手順に従います。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
インストールメディアに応じた方法でブートします。
インストールタイプの選択を求めるプロンプトが表示されたら、オプション 6「Single user shell」を選択します。
format(1M) プログラムを起動します。
# format |
ディスク面の検査をする IDE ディスクドライブを指定します。
# cxdy |
コントローラ番号
デバイス番号
fdisk パーティションが存在するかどうかを確認します。
Solaris fdisk パーティションが存在する場合、手順 7 へ進みます。
Solaris fdisk パーティションが存在しない場合、fdisk コマンドを使用してディスク上に Solaris パーティションを作成します。
format> fdisk |
次のように入力して、表面解析を開始します。
format> analyze |
次のように入力して、現在の設定を確認します。
analyze> config |
(省略可能) 次のように入力して、設定を変更します。
analyze> setup |
次のように入力して、不正ブロックを探します。
analyze> type_of_surface_analysis |
read、write、または compare を指定します。
format が不良ブロックを発見すると、それらの再マッピングを実行します。
次のように入力して、解析を終了します。
analyze> quit |
再マッピングするブロックを指定するかどうか決定します。
しない場合は、手順 13 へ進みます。
する場合は、次のコマンドを入力します。
format> repair |
次のように入力して、format プログラムを終了します。
quit |
次のコマンドを入力して、マルチユーザーモードでメディアを再起動します。
# exit |
No upgradable disks
原因:/etc/vfstab ファイルのスワップエントリが原因でアップグレードに失敗しました。
対処方法:/etc/vfstab ファイルの次の行をコメントにします。
アップグレードしないディスク上のスワップファイルとスライスを指定している行
存在しないスワップファイルを指定している行
使用していないスワップスライスを指定している行
usr/bin/bzcat not found
原因:パッチクラスタが必要なために Solaris Live Upgrade が失敗しています。
対処方法:Solaris Live Upgrade のインストールでパッチを使用する必要が生じました。http://sunsolve.sun.com で最新のパッチリストを確認してください。SunSolve の Web サイトで、infodoc 72099 を検索してください。
Upgradeable Solaris root devices were found, however, no suitable partitions to hold the Solaris install software were found. Upgrading using the Solaris Installer is not possible. It might be possible to upgrade using the Solaris Software 1 CDROM. (x86 システムのみ)
原因:十分な容量がないため、Solaris SOFTWARE - 1 CD でアップグレードできません。
対処方法:アップグレードするには、512M バイト以上のスワップスライスを作成するか、別のアップグレード方法 (Solaris Operating System DVD の Solaris インストール、ネットインストールイメージ、JumpStart など) を選択します。
ERROR: Could not select locale (x86 システムのみ)
原因:pfinstall -D コマンドを使用して JumpStart プロファイルをドライランテストするとき、次のような条件下ではテストが失敗します。
プロファイルに locale キーワードが含まれている。
GRUB ソフトウェアが含まれているリリースをテストしている。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、GRUB ブートローダーにより、システムにインストールされているさまざまなオペレーティングシステムを GRUB メニューで簡単にブートできます。
GRUB ソフトウェアの導入に伴い、ミニルートは圧縮されています。ソフトウェアでは、圧縮されたミニルートからロケールのリストを見つけることができなくなりました。ミニルートは最小の Solaris ルート (/) ファイルシステムであり、Solaris インストールメディアに収録されています。
対処方法:次の手順を実行します。次の値を使用してください。
MEDIA_DIR is /cdrom/cdrom0/
MINIROOT_DIR は $MEDIA_DIR /Solaris_10/Tools/Boot
MINIROOT_ARCHIVE は $MEDIA_DIR/boot/x86.miniroot
TEMP_FILE_NAME は /tmp/test
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
ミニルートアーカイブを圧縮解除します。
# /usr/bin/gzcat $MINIROOT_ARCHIVE > $TEMP_FILE_NAME |
lofiadm コマンドを使用して、ミニルートデバイスを作成します。
# LOFI_DEVICE=/usr/sbin/lofiadm -a $TEMP_FILE_NAME # echo $LOFI_DEVICE /dev/lofi/1 |
lofi コマンドを使用して、ミニルートディレクトリの下にミニルートをマウントします。
# /usr/sbin/mount -F ufs $LOFI_DEVICE $MINIROOT_DIR |
プロファイルをテストする
# /usr/sbin/install.d/pfinstall -D -c $MEDIA_DIR $path-to-jumpstart_profile |
テストが完了したら、lofi デバイスのマウントを解除します。
# umount $LOFI_DEVICE |
lofi デバイスを削除します。
# lofiadm -d $TEMP_FILE_NAME |
システム上にアップグレード可能なバージョンの Solaris ソフトウェアが存在するにもかかわらず、アップグレードオプションが提供されない。
原因:1 /var/sadm ディレクトリがシンボリックリンクであるか、別のファイルシステムからマウントされたディレクトリです。
対処方法:1 /var/sadm ディレクトリをルート (/) または /var ファイルシステムに移動します。
原因:2 /var/sadm/softinfo/INST_RELEASE ファイルが存在しません。
対処方法:2 次の形式で新しく INST_RELEASE ファイルを作成します。
OS=Solaris VERSION=x REV=0
システム上の Solaris ソフトウェアのバージョン
3 /var/sadm/softinfo に SUNWusr が存在しません。
対処方法:3 初期インストールを行う必要があります。この Solaris ソフトウェアはアップグレードできません。
md ドライバの停止または初期化に失敗する
対処方法:次の手順を実行します。
ファイルシステムが RAID-1 ボリュームでない場合は、vsftab ファイル内でコメントにします。
ファイルシステムが RAID-1 ボリュームであれば、ミラーを解除し、インストールし直します。ミラー化の解除については、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の「RAID-1 ボリュームの削除 (ミラー化の解除)」を参照してください。
Solaris インストールプログラムがファイルシステムをマウントできないため、アップグレードに失敗する。
原因:アップグレード時に、スクリプトは、アップグレード対象のルート (/) ファイルシステム上に、システムの /etc/vfstab ファイルに記載されているすべてのファイルシステムをマウントしようとします。インストールプログラムがファイルシステムをマウントできない場合、失敗して終了します。
対処方法:システムの /etc/vfstab ファイル内のすべてのファイルシステムがマウントできることを確認します。/etc/vfstab ファイル内のマウントできない、あるいは問題の原因になっている可能性があるファイルシステムは、すべてコメントにします。Solaris インストールプログラムはアップグレード中、コメントにしたファイルシステムをマウントしません。アップグレードされるソフトウェアを含む、システムベースのファイルシステム (たとえば /usr) はコメントにできません。
アップグレードが失敗する
説明:システムにアップグレードに対応できるだけの十分なディスク容量がありません。
原因:『Solaris 10 5/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ディスク容量の再配置を伴うアップグレード」を参照してディスク容量に問題がないかを確認し、自動配置機能による領域の再配置を行わずに解決できるかどうかを調べます。
RAID–1 ボリュームのルート (/) ファイルシステムのアップグレードに関連する問題
対処方法:ルート (/) ファイルシステムが Solaris ボリュームマネージャーの RAID-1 ボリュームである場合に、アップグレードの問題が発生するときは、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の第 25 章「Solaris ボリュームマネージャのトラブルシューティング (作業)」を参照してください。
アップグレードに失敗し、システムをブートできない場合があります。このような状況は、電源の故障やネットワーク接続の障害などが発生した場合に起こる可能性があります、制御できない場合に発生します。
Solaris Operating System DVD、Solaris SOFTWARE - 1 CD、またはネットワークを利用してシステムをリブートします。
インストール用のアップグレードオプションを選択します。
Solaris インストールプログラムは、システムが部分的にアップグレードされているか判断し、アップグレードを継続します。
x86 システムで Solaris Live Upgrade と GRUB ブートローダーを使用すると次のようなエラーが発生する可能性があります。
ERROR: The media product tools installation directory path-to-installation-directory does not exist.
ERROR: The media dirctory does not contain an operating system upgrade image.
説明:これらのエラーメッセージは、新しいブート環境をアップグレードするために luupgrade コマンドを使用するときに発生します。
原因:古いバージョンの Solaris Live Upgrade が使用されています。システムにインストールした Solaris Live Upgrade パッケージは、メディアおよびメディアに記録されているリリースと互換性がありません。
対処方法:Solaris Live Upgrade パッケージは、常にアップブレード先のリリースのものを使用してください。
例:次の例のエラーメッセージは、システムの Solaris Live Upgrade パッケージのバージョンがメディアのパッケージのバージョンと異なることを示しています。
# luupgrade -u -n s10u1 -s /mnt Validating the contents of the media </mnt>. The media is a standard Solaris media. ERROR: The media product tools installation directory </mnt/Solaris_10/Tools/Boot/usr/sbin/install.d/install_config> does not exist. ERROR: The media </mnt> does not contain an operating system upgrade image. |
ERROR: Cannot find or is not executable: </sbin/biosdev>.
ERROR: One or more patches required by Solaris Live Upgrade has not been installed.
原因:Solaris Live Upgrade で必要とされる 1 つ以上のパッチが、システムにインストールされていません。このエラーメッセージでは、欠落しているすべてのパッチを認識しているわけではありません。
対処方法:Solaris Live Upgrade を使用する前に、必要なパッチすべてを必ずインストールしてください。http://sunsolve.sun.com を参照して、最新のパッチリストを使用しているかどうか確認してください。SunSolve の Web サイトで、infodoc 72099 を検索してください。
ERROR: Device mapping command </sbin/biosdev> failed. Please reboot and try again.
原因:1 Solaris Live Upgrade が、以前の管理作業が原因でデバイスをマップできません。
対処方法:1 システムをリブートして、もう一度 Solaris Live Upgrade を実行します
原因:2 システムをリブートしても同じエラーメッセージが表示される場合は、2 つ以上の同一ディスクがあります。デバイスのマッピングコマンドがそれらのディスクを区別できません。
対処方法:2 ディスクの一方に、新しいダミーの fdisk パーティションを作成します。fdisk(1M) のマニュアルページを参照してください。そのあとで、システムをリブートします。
Cannot delete the boot environment that contains the GRUB menu
原因:Solaris Live Upgrade には、ブート環境に GRUB メニューが含まれる場合はブート環境を削除できないという制限があります。
対処方法:lumake(1M) コマンドまたは luupgrade(1M) コマンドを使用してブート環境を再使用します。
The file system containing the GRUB menu was accidentally remade. However, the disk has the same slices as before. For example, the disk was not re-sliced.
原因:GRUB メニューを含むファイルシステムは、システムをブート可能な状態に維持するために不可欠です。Solaris Live Upgrade コマンドは、GRUB メニューを破棄しません。ただし、Solaris Live Upgrade コマンド以外のコマンドを使用して GRUB メニューのあるファイルシステムを誤って再作成または破棄すると、回復ソフトウェアは GRUB メニューの再インストールを試みます。回復ソフトウェアは、次のリブート時に GRUB メニューを同じファイルシステムに戻します。たとえば、ファイルシステムで newfs または mkfs コマンドを使用し、誤って GRUB メニューを破棄してしまったとします。GRUB メニューを正しく復元するには、スライスが次の条件を満たす必要があります。
マウント可能なファイルシステムが含まれている
スライスが以前に存在していた Solaris Live Upgrade ブート環境の一部である
システムをリブートする前に、必要であればスライスを修正します。
対処方法:システムをリブートします。GRUB メニューのバックアップコピーが自動的にインストールされます。
The GRUB menu's menu.lst file was accidentally deleted.
対処方法:システムをリブートします。GRUB メニューのバックアップコピーが自動的にインストールされます。
Veritas VxVM の実行中に Solaris Live Upgrade を使用してアップグレードを行う場合、次の手順でアップグレードを行わないと、リブート時にシステムパニックが発生します。この問題は、パッケージが Solaris の最新のパッケージガイドラインに従っていない場合に発生します。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
非アクティブブート環境を作成します。「新しいブート環境の作成」を参照してください。
非アクティブブート環境をアップグレードする前に、非アクティブブート環境上の既存の Veritas ソフトウェアを無効にする必要があります。
非アクティブブート環境をマウントします。
# lumount inactive_boot_environment_name mount_point |
次に例を示します。
# lumount solaris8 /mnt |
次の例のように、vfstab が含まれているディレクトリに移動します。
# cd /mnt/etc |
次の例のように、非アクティブブート環境の vfstab ファイルをコピーします。
# cp vfstab vfstab.501 |
次の例のように、コピーされた vfstab 内のすべての Veritas ファイルシステムエントリをコメントにします。
# sed '/vx\/dsk/s/^/#/g' < vfstab > vfstab.novxfs |
各行の最初の文字が # に変わり、その行がコメント行になります。このコメント行は、system ファイルのコメント行とは異なります。
次の例のように、変更した vfstab ファイルをコピーします。
# cp vfstab.novxfs vfstab |
次の例のように、非アクティブブート環境の system ファイルがあるディレクトリに移動します。
# cd /mnt/etc |
次の例のように、非アクティブブート環境の system ファイルをコピーします。
# cp system system.501 |
drv/vx を含むすべての forceload: エントリをコメントにします。
# sed '/forceload: drv\/vx/s/^/*/' <system> system.novxfs |
各行の最初の文字が * に変わり、その行がコメント行になります。このコメント行は、vfstab ファイルのコメント行とは異なります。
次の例のように、Veritas install-db ファイルを作成します。
# touch vx/reconfig.d/state.d/install-db |
非アクティブブート環境のマウントを解除します。
# luumount inactive_boot_environment_name |
非アクティブブート環境をアップグレードします。第 5 章「Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)」を参照してください。
非アクティブブート環境をアクティブにします。「ブート環境のアクティブ化」を参照してください。
システムをシャットダウンします。
# init 0 |
非アクティブブート環境をシングルユーザーモードでブートします。
OK boot -s |
vxvm または VXVM を含むメッセージとエラーメッセージがいくつか表示されますが、これらは無視してかまいません。非アクティブブート環境がアクティブになります。
Veritas をアップグレードします。
元の vfstab と system ファイルを復元します。
# cp /etc/vfstab.original /etc/vfstab # cp /etc/system.original /etc/system |
システムをリブートします。
# init 6 |
診断・サービスパーティションの存在しないシステム上に Solaris 10 5/08 OS をインストールすると、インストールプログラムがデフォルトでサービスパーティションを作成しない場合があります。Solaris パーティションと同じディスクにサービスパーティションを作成する場合、Solaris 10 5/08 OS をインストールする前にサービスパーティションを作り直す必要があります。
サービスパーティションが存在しているシステムに Solaris 8 2/02 OS をインストールした場合、インストールプログラムがサービスパーティションを保持しなかった可能性があります。サービスパーティションを保持するように fdisk ブートパーティションレイアウトを手動で編集しなかった場合、インストールプログラムはインストール時にサービスパーティションを削除しています。
Solaris 8 2/02 OS のインストール時にサービスパーティションの保持を明示的に指定しなかった場合、サービスパーティションを作り直して Solaris 10 5/08 OS にアップグレードすることができなくなる可能性があります。
Solaris パーティションを含むディスクにサービスパーティションを含めたい場合、次のいずれかの方法を選択してください。
ソフトウェアを、ネットインストールイメージからインストールするか、ネットワーク経由で Solaris Operating System DVD からインストールする場合、次の手順を実行します。
ディスクの内容を削除します。
インストールする前に、システムの診断用 CD を使用してサービスパーティションを作成します。
サービスパーティションの作成方法の詳細は、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
ネットワークからシステムをブートします。
「fdisk パーティションのカスタマイズ」画面が表示されます。
「デフォルト」をクリックし、デフォルトのブートディスクパーティションレイアウトを読み込みます。
インストールプログラムにより、サービスパーティションが保持され、Solaris パーティションが作成されます。
Solaris インストールプログラムを使用して、Solaris SOFTWARE - 1 CD またはブートサーバー上のネットワークインストールイメージからインストールを実行するには、次の手順を実行します。
ディスクの内容を削除します。
インストールする前に、システムの診断用 CD を使用してサービスパーティションを作成します。
サービスパーティションの作成方法の詳細は、ハードウェアのマニュアルを参照してください。
インストールプログラムにより、Solaris パーティションの作成方法を選択するよう求められます。
システムをブートします。
「残りのディスクを使用して Solaris パーティションを配置します」を選択します。
インストールプログラムにより、サービスパーティションが保持され、Solaris パーティションが作成されます。
インストールが完了します。
この付録は、パッケージ (特に Sun 以外のパッケージ) のインストールや削除を行うシステム管理者を対象としています。ここで説明するパッケージ要件に従うことにより、次のことが可能になります。
現在稼働中のシステムへの変更を防いで、Solaris Live Upgrade によるアップグレードと、非大域ゾーンやディスクレスクライアントの作成・管理とを可能にします。
カスタム JumpStart などのインストールプログラムを使用する場合に、パッケージを対話式にしないで自動インストールを可能にします。
この章の内容は次のとおりです。
この節で説明する要件に従えば、現在稼働中の OS は変更されません。
オペレーティングシステムのインストールが成功するには、Solaris Live Upgrade の非アクティブブート環境などの代替ルート (/) ファイルシステムをパッケージが認識して、それに従う必要があります。
パッケージの pkgmap ファイル (パッケージマップ) には、絶対パスを指定できます。これらのパスが存在する場合、そのファイルは、pkgadd コマンドの -R オプションとの相対パスに書き込まれます。絶対パスと相対 (再配置可能) パスの両方を含むパッケージは、代替ルート (/) ファイルシステムにもインストールできます。絶対ファイルであれ再配置可能ファイルであれ、その前には $PKG_INSTALL_ROOT が付加されるため、pkgadd によるインストールでは、すべてのパスが正しく解釈されます。
pkgadd -R オプションを使ってパッケージをインストールしたり、pkgrm -R オプションを使ってパッケージを削除する場合には、パッケージが、動作中のシステムを変更してはいけません。この機能は、カスタム JumpStart、Solaris Live Upgrade、非大域ゾーン、およびディスクレスクライアントで使用されます。
さらに、pkgadd -R オプションを使ってパッケージをインストールしたり、pkgrm -R オプションを使ってパッケージを削除する場合には、パッケージに同梱のスクリプトで、動作中のシステムを変更してはいけません。インストールスクリプトを作成する場合には、参照するディレクトリやファイルの前に $PKG_INSTALL_ROOT 変数を付加する必要があります。パッケージでは、書き込むすべてのディレクトリやファイルの前に $PKG_INSTALL_ROOT を付加する必要があります。さらに、パッケージでは、$PKG_INSTALL_ROOT 接頭辞を付加せずにディレクトリを削除すべきではありません。
表 B–1 に、スクリプト構文の例を示します。
表 B–1 インストールスクリプト構文の例
$PKG_INSTALL_ROOT は、パッケージを追加しようとするマシンのルート (/) ファイルシステムの場所です。この値は、pkgadd コマンドの -R 引数の後にセットされます。たとえば、次のコマンドを実行すると、パッケージのインストール時に $PKG_INSTALL_ROOT の値は /a になります。
# pkgadd -R /a SUNWvxvm |
$BASEDIR は、再配置可能なパッケージオブジェクトがインストールされる「再配置可能」なベースディレクトリを指しています。ここにインストールされるのは、再配置可能オブジェクトだけです。再配置可能でないオブジェクト (pkgmap ファイルに 「絶対」パスが指定されているオブジェクト) は、必ず、非アクティブブート環境からの相対位置にインストールされます。$BASEDIR からの相対位置ではありません。再配置可能なオブジェクトがないパッケージは、絶対パッケージ (再配置不可) と呼ばれます。その場合、$BASEDIR は未定義であるため、これをパッケージに添付されているスクリプトで使用することはできません。
たとえば、パッケージの pkgmap ファイルに次のエントリがあるとします。
1 f none sbin/ls 0555 root sys 3541 12322 1002918510 1 f none /sbin/ls2 0555 root sys 3541 12322 2342423332 |
さらに、pkginfo ファイルには、 $BASEDIR が次のように指定されているとします。
BASEDIR=/opt |
このパッケージを次のコマンドでインストールすると、 ls は、 /a/opt/sbin/ls としてインストールされますが、ls2 は、 /a/sbin/ls2 としてインストールされます。
# pkgadd -R /a SUNWtest |
パッケージ処理のスクリプトを作成するときは、現在稼働中の OS への変更を防ぐために、OS に依存しないようにしてください。スクリプトには、パッケージのインストールや削除の実行中に行うアクションを定義します。事前に決められたプロシージャー名で作成できるスクリプトが 4 つあります。preinstall、postinstall、preremove、および postremove です。
表 B–2 スクリプト作成のガイドライン
ガイドライン |
Solaris Live Upgrade への影響 |
非大域ゾーンへの影響 |
---|---|---|
スクリプトは Bourne シェル (/bin/sh) で書き込む必要があります。pkgadd コマンドは、スクリプトの実行時にインタープリタとして Bourne シェルを使用します。 |
○ |
○ |
スクリプトはプロセスの開始や停止を行なったり、ps や truss などのコマンドの出力に依存したりしてはいけません。ps や truss はオペレーティングシステムに依存し、稼働中のシステムに関する情報を報告します。 |
○ |
○ |
スクリプトでは、expr、cp、ls などの標準的な UNIX コマンドや、シェルスクリプトの作成を容易にするそのほかのコマンドを自由に使用できます。 |
○ |
○ |
パッケージはサポートされているすべてのリリースで動作する必要があるため、スクリプトで呼び出すコマンドはこれらすべてのリリースで利用可能なものでなければなりません。したがって、Solaris 8 リリースのあとで追加または削除されたコマンドは使用できません。 特定のコマンドまたはオプションが Solaris 8、9、または 10 リリースでサポートされているかどうかを調べるには、http://docs.sun.com で該当するバージョンの Solaris Reference Manual Collection を参照してください。 |
○ |
パッケージでは、パッケージ自体が提供しているコマンドを実行してはいけません。これは、ディスクレスクライアントの互換性を維持するためであると同時に、まだインストールされていない共有ライブラリを必要とするコマンドの実行を避けるためです。
すべてのパッケージは pkgchk の検証にパスしなければなりません。パッケージを作成したらインストールする前に、次のコマンドでパッケージをチェックする必要があります。
# pkgchk -d dir_name pkg_name |
パッケージがあるディレクトリの名前を指定します。
パッケージの名前を指定します。
パッケージを作成したら、pkgadd コマンドに -R dir_name オプションを指定して、これを代替ルート (/) ファイルシステムにインストールしてテストする必要があります。パッケージをインストールしたら、次のように、パッケージが正しいかどうかを pkgchk コマンドでチェックします。
# pkgadd -d . -R /a SUNWvxvm # pkgchk -R /a SUNWvxvm |
エラーが表示されないことを確認します。
たとえば、パッケージが /export/SUNWvxvm にあるなら、コマンドを次のように指定します。
# pkgchk -d /export SUNWvxvm |
エラーが表示されないことを確認します。
ファイルの作成、変更、削除を行うときに、ほかのコマンドでパッケージを検証することもできます。次にコマンド例を示します。
たとえば、パッケージが正しく動作するかどうかを dircmp や fssnap コマンドを使って検証できます。
さらに、ps コマンドでは、パッケージによりデーモンの開始や停止が行われていないことを確認することによってデーモンに対する要件準拠を確認できます。
truss、pkgadd -v、および pkgrm コマンドで、パッケージインストールの実行要件に準拠しているかどうかを確認できます。ただし、これが常に機能するとはかぎりません。次の例では、truss コマンドは、読み取り専用ディレクトリおよび $TEMPDIR 以外のディレクトリへのアクセス情報をすべて除外し、指定された非アクティブブート環境以外のディレクトリへの読み取り専用でないアクセス情報のみを表示します。
# TEMPDIR=/a; export TEMPDIR # truss -t open /usr/sbin/pkgadd -R ${TEMPDIR} SUNWvxvm \ 2>&1 > /dev/null | grep -v O_RDONLY | grep -v \ 'open("'${TEMPDIR} |
次の Solaris 標準ユーティリティーを使用するときは、ユーザーの情報入力なしに、パッケージの追加や削除が行われる必要があります。
カスタム JumpStart プログラム
Solaris Live Upgrade
Solaris インストール プログラム
Solaris ゾーン
パッケージをテストして、ユーザー操作なしでインストールされるようにするには、pkgadd -a コマンドで新しい管理ファイルを設定します。-a オプションは、デフォルトの管理ファイルの代わりにユーザー定義の管理ファイルを使用することを意味します。デフォルトのファイルを使用すると、情報の入力が必要になることがあります。管理ファイルを作成すれば、pkgadd でこのようなチェックを省略し、ユーザーの確認なしでパッケージをインストールすることができます。詳細については、admin(4) または pkgadd(1M) のマニュアルページを参照してください。
次の例では、pkgadd コマンドによる管理ファイルの扱いを示します。
管理ファイルを指定しないと、pkgadd は /var/sadm/install/admin/default を使用します。このファイルを使用すると、ユーザーの入力が必要になることがあります。
# pkgadd |
コマンド行に相対的な管理ファイルを指定すると、pkgadd は /var/sadm/install/admin からこのファイル名を探して使用します。この例では相対的な管理ファイルの名前が nocheck であるため、pkgadd は /var/sadm/install/admin/nocheck を探します。
# pkgadd -a nocheck |
絶対パスでファイルを指定すると、 pkgadd はこれを使用します。この例では、pkgadd は /tmp 内で nocheck 管理ファイルを検索します。
# pkgadd -a /tmp/nocheck |
次に示すのは、pkgadd ユーティリティーでユーザーの入力をほとんど必要としないインストール管理ファイルの例です。パッケージがシステムで利用可能な容量を超えた容量を必要としない限り、 pkgadd ユーティリティーはこのファイルを使用して、ユーザーに情報の入力を求めることなくインストールを実行します。
mail= instance=overwrite partial=nocheck runlevel=nocheck idepend=nocheck space=ask setuid=nocheck confiict=nocheck action=nocheck basedir=default
パッケージが保持するパラメータにより、非大域ゾーンのインストールされたシステムで内容を配布および可視にする方法が制御されます。SUNW_PKG_ALLZONES、SUNW_PKG_HOLLOW、および SUNW_PKG_THISZONE パッケージパラメータは、ゾーンがインストールされているパッケージの特性を定義します。非大域ゾーンのインストールされたシステムでパッケージを管理できるようにするには、これらのパラメータを設定する必要があります。
次の表に、パッケージパラメータの設定に使用できる 4 つの有効な組み合わせを示します。次の表に示されていない設定の組み合わせは無効であり、そのような設定を選択するとパッケージのインストールは失敗します。
3 つのパッケージパラメータをすべて設定したことを確認してください。3 つのパッケージパラメータをすべて空のままにしてもかまいません。ゾーンのパッケージパラメータが見つからない場合、パッケージツールでは false の設定として解釈されますが、パラメータの設定を省略しないように強くお勧めします。3 つのパッケージパラメータをすべて設定することにより、パッケージをインストールまたは削除するときのパッケージツールの動作を正確に指定します。
SUNW_PKG_ALLZONES の設定 |
SUNW_PKG_HOLLOW の設定 |
SUNW_PKG_THISZONE の設定 |
パッケージの説明 |
---|---|---|---|
false |
false |
false |
ゾーンのパッケージパラメータのいずれにも値を指定しないパッケージの場合、これがデフォルト設定として使用されます。 この設定を持つパッケージは、大域ゾーンまたは非大域ゾーンにインストールできます。
どちらの場合も、パッケージがインストールされたすべてのゾーンで、パッケージの内容全体が可視になります。 |
false |
false |
true |
この設定を持つパッケージは、大域ゾーンまたは非大域ゾーンにインストールできます。インストール後に新しい非大域ゾーンを作成した場合、パッケージはこれらの新しい非大域ゾーンには伝達されません。
どちらの場合も、パッケージがインストールされたゾーンで、パッケージの内容全体が可視になります。 |
true |
false |
false |
この設定を持つパッケージは、大域ゾーンだけにインストールできます。pkgadd コマンドを実行すると、パッケージは大域ゾーンおよびすべての非大域ゾーンにインストールされます。すべてのゾーンで、パッケージの内容全体が可視になります。 注 – パッケージを非大域ゾーンにインストールしようとすると失敗します。 |
true |
true |
false |
この設定を持つパッケージは、大域管理者が大域ゾーンだけにインストールできます。pkgadd コマンドを実行すると、パッケージの内容が大域ゾーンに完全にインストールされます。パッケージパラメータの値がこのように設定されている場合、パッケージの内容自体はどの非大域ゾーンにも提供されません。パッケージをインストール済みとして表示するために必要なパッケージインストール情報だけが、すべての非大域ゾーンにインストールされます。これにより、このパッケージに依存するほかのパッケージをインストールできるようになります。「hollow」パッケージの詳細については、『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の第 24 章「ゾーンがインストールされている Solaris システムでのパッケージとパッチについて (概要)」を参照してください。 パッケージの依存関係を検査できるように、パッケージはすべてのゾーンでインストール済みとして表示されます。
注 – パッケージを非大域ゾーンにインストールしようとすると失敗します。 |
説明 |
参照先 |
---|---|
パッケージとゾーンの詳細 | |
疎ルートゾーンと完全ルートゾーンの概要 |
『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の第 16 章「Solaris ゾーンの紹介」 |
パッケージの特性およびパラメータの詳細 |
pkginfo(4) |
パッケージパラメータ値の表示の詳細 |
pkgparam(1) |
パッケージの要件および特定のコマンドの構文については、次の情報を参照してください。
パッケージの要件の詳細および用語の定義 |
『Application Packaging Developer’s Guide』の第 6 章「Advanced Techniques for Creating Packages」 |
パッケージの追加と削除およびインストール管理ファイルに関する基本情報 | |
この付録に記載されている個々のコマンドの詳細について参照するマニュアルページ |
dircmp(1)、fssnap(1M)、ps(1)、または truss(1)、 pkgadd(1M)、pkgchk(1M)、または pkgrm(1M) |
Solaris Live Upgrade の概要 | |
カスタム JumpStart の概要 |
『Solaris 10 5/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の第 2 章「カスタム JumpStart (概要)」 |
Solaris ゾーンの概要 |
『Solaris のシステム管理 (Solaris コンテナ : 資源管理と Solaris ゾーン)』の第 16 章「Solaris ゾーンの紹介」 |
この章では、Solaris OS をアップグレードする前にパッチアナライザでパッチを検査する手順について説明します。最初の Solaris 10 3/05 リリースに続くSolaris 10 リリースにアップグレードする場合に、パッチアナライザはシステムの解析を実行します。
すでに Solaris 10 3/05 リリースを実行していて、個別のパッチをインストール済みの場合、以降の Solaris 10 リリースにアップグレードしたときの動作は次のとおりです。
上記のリリースの 1 つでその一部として提供されているすべてのパッチが、システムに再び適用されます。これらのパッチはバックアウトできません。
システムにすでにインストールされていたパッチのうち、上記のリリースの 1 つに含まれていないものは、すべて削除されます。
パッチアナライザは、システムを解析し、上記のいずれかのリリースへのアップグレードによって削除されるパッチがあれば、それを特定します。パッチアナライザは次の形式で使用できます。
Solaris インストールプログラムを使用してアップグレードを行なっている場合は、「パッチの解析」ダイアログボックスが表示されます。「はい」を選択して解析を実行します。
テキストインストーラを使用してアップグレードを行なっている場合は、「パッチの解析」ダイアログボックスの「解析」を選択して解析を実行します。
カスタム JumpStart または Solaris Live Upgrade を使用してアップグレードを行なっている場合は、analyze_patches スクリプトを実行して解析を実行します。詳しい手順については、「analyze_patches スクリプトを実行する方法」を参照してください。
解析を実行した後、パッチの解析結果の詳細については、「パッチアナライザの出力を確認する方法」を参照してください。
analyze_patches スクリプトを実行するには、インストール済みシステムと Solaris Operating System DVD、Solaris SOFTWARE CD、またはネットワークインストールイメージに、NFS またはローカルでマウントされたメディアを通してスクリプトからアクセスできることが必要です。
Misc ディレクトリに移動します。
SPARC: ローカルでマウントされたメディアにイメージが置かれている場合は、次のように入力します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Misc |
x86: ローカルでマウントされたメディアにイメージが置かれている場合は、次のように入力します。
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Misc |
このコマンドの date は、リリースの実際の日付です (06 など)。
イメージが NFS ファイルシステム上にある場合は、次のように入力します。
# cd /NFS_mount_directory/Solaris_10/Misc |
analyze_patches スクリプトを実行します。
# ./analyze_patches -R rootdir -N netdir -D databasedir |
rootdir はインストール済みシステムのルートです。デフォルトは / です。
netdir は、インストールする OS イメージのルートのパスです。デフォルトは /cdrom/cdrom0 です。netdir は、Solaris_10 ディレクトリを含んでいるディレクトリのパスです。NFS マウントポイントから patch_analyzer を実行している場合は、このオプションを使用する必要があります。
OS イメージ内の Misc/ ディレクトリ以外のディレクトリからスクリプトを呼び出すと、プログラムはパッチの解析に使用するデータベースを見つけることができません。-D オプションを使用してデータベースのパスを指定してください。このデータベースは OS イメージの Solaris_10 /Misc/database に置かれています。このデータベースを使用しなければ、スクリプトは正しく動作しません。
解析を実行した後、次の手順で出力を確認します。
パッチアナライザの出力を確認します。
パッチアナライザでは、ほかのパッチによって削除、ダウングレード、累積、または廃止されるパッチのリストが得られます。パッチの累積はパッチのアップグレードに似ています。累積されるパッチは削除され、その修正は新しいパッチによって提供されます。次のようなメッセージが表示されます。
Patch 105644-03 will be removed. Patch 105925 will be downgraded from -02 to -01. Patch 105776-01 will be accumulated/obsoleted by patch 105181-05. |
パッチアナライザプログラムでリストが得られない場合は、システムにすでにインストールされていたどのパッチに対しても何のアクションも行われません。
パッチの置換と削除に同意するかどうかを決定します。
する場合は、システムをアップグレードします。
しない場合は、システムをアップグレードしないでください。