この例では、Solaris 9 リリースを実行しているシステムで lucreate コマンドを使用して新しいブート環境を作成します。この新しいブート環境を、luupgrade コマンドを使用して Solaris 10 5/08 にアップグレードします。アップグレードしたブート環境を、luactivate コマンドによってアクティブ化します。この節では、以前のブート環境にフォールバックする例も示します。
説明 |
参照先 |
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注意 – Solaris Live Upgrade を正しく操作するためには、指定の OS バージョン用の特定のパッチリビジョンのセットがインストールされている必要があります。Solaris Live Upgrade をインストールまたは実行する前に、これらのパッチをインストールする必要があります。 x86 のみ – Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、このパッチのセットがインストールされていないと、Solaris Live Upgrade が失敗し、次のエラーメッセージが表示されることがあります。次のエラーメッセージが表示されなくても、必要なパッチがインストールされていない場合があります。Solaris Live Upgrade のインストールを試みる前に、SunSolve の infodoc に記載されたすべてのパッチがすでにインストール済みであることを必ず確認してください。
infodoc 72099 に記載されたパッチは、随時変更される可能性があります。これらのパッチにより、Solaris Live Upgrade の欠陥が修正される可能性があると同時に、Solaris Live Upgrade が依存するコンポーネントの欠陥も修正される可能性があります。Solaris Live Upgrade で問題が発生した場合は、最新の Solaris Live Upgrade パッチがインストールされていることを確認してください。 |
http://sunsolve.sun.com で最新のパッチリストを確認してください。SunSolve の Web サイトで、infodoc 72099 を検索してください。 |
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Solaris 8、または Solaris 9 OS を実行している場合、Solaris Live Upgrade インストーラを実行できないことがあります。これらのリリースには、Java 2 Runtime Environment の実行に必要なパッチのセットが含まれていません。Solaris Live Upgrade インストーラを実行してパッケージをインストールするには、Java 2 Runtime Environment の推奨パッチクラスタが必要です。 |
Solaris Live Upgrade パッケージをインストールするには、pkgadd コマンドを使用します。または、Java 2 Runtime Environment 推奨パッチクラスタをインストールします。このパッチクラスタは http://sunsolve.sun.com から入手できます。 |
次の手順に従って必要なパッチをインストールします。
SunSolve の Web サイトから、パッチ一覧を取得します。
# patchadd /net/server/export/patches # init 6 |
この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャーを使用したリムーバブルメディアの管理の詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』を参照してください。
Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 2 CD を挿入します。
使用しているメディアに合わせて操作を行います。
Solaris Operating System DVD を使用している場合は、インストーラのあるディレクトリに移動し、インストーラを実行します。
SPARC システムの場合:
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_10/Tools/Installers # ./liveupgrade20 |
x86 システムの場合:
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Tools/Installers # ./liveupgrade20 |
Solaris インストールプログラムの GUI が表示されます。
Solaris SOFTWARE - 2 CD を使用している場合は、インストーラを実行します。
% ./installer |
Solaris インストールプログラムの GUI が表示されます。
「インストール形式の選択 (Select Type of Install)」パネルで「カスタム (Custom)」をクリックします。
「ロケールの選択 (Locale Selection)」パネルで、インストールする言語をクリックします。
インストールするソフトウェアを選択します。
DVD の場合、「コンポーネントの選択 (Component Selection)」パネルの「次へ (Next)」をクリックしてパッケージをインストールします。
CD の場合、「製品の選択 (Product Selection)」パネルの Solaris Live Upgrade の項目で「デフォルトインストール (Default Install)」をクリックします。また、このソフトウェアの選択を解除するには、ほかの製品をクリックします。
Solaris インストールプログラムの指示に従って、ソフトウェアをインストールします。
-c オプションを使用して、ソースブート環境に c0t4d0s0 という名前を付けます。ソースブート環境の名前設定は最初のブート環境を作成するときだけ必要です。-c オプションによる命名の詳細は、「ブート環境をはじめて作成する」の手順 2 を参照してください。
新しいブート環境の名前は c0t15d0s0 です。-A オプションを使用して、このブート環境名に関連付ける説明を作成します。
ルート (/) ファイルシステムを新しいブート環境にコピーします。また、ソースブート環境のスワップスライスは共有せずに、新しいスワップスライスを作成します。
# lucreate -A 'BE_description' -c /dev/dsk/c0t4d0s0 -m /:/dev/dsk/c0t15d0s0:ufs\ -m -:/dev/dsk/c0t15d0s1:swap -n /dev/dsk/c0t15d0s0 |
非アクティブブート環境の名前は c0t15d0s0 です。アップグレードに使用するオペレーティングシステムイメージはネットワークから取得します。
# luupgrade -n c0t15d0s0 -u -s /net/ins-svr/export/Solaris_10 \ combined.solaris_wos |
lustatus コマンドは、ブート環境の作成が完了したかどうかを報告します。lustatus コマンドは、ブート環境がブート可能であるかどうかも報告します。
# lustatus boot environment Is Active Active Can Copy Name Complete Now OnReboot Delete Status ------------------------------------------------------------------------ c0t4d0s0 yes yes yes no - c0t15d0s0 yes no no yes - |
luactivate コマンドを使用して c0t15d0s0 ブート環境をブート可能にします。続いてシステムをリブートします。これで c0t15d0s0 がアクティブブート環境になります。c0t4d0s0 ブート環境は非アクティブになります。
# luactivate c0t15d0s0 # init 6 |
新しいブート環境のアクティブ化の状況に応じて、フォールバックのための手順を次の中から選択します。
この例では、新しいブート環境のアクティブ化が正常に完了したにもかかわらず、元の c0t4d0s0 ブート環境をアクティブブート環境として復元しています。デバイス名は first_disk です。
# /sbin/luactivate first_disk # init 6 |
この例では、新しいブート環境のブートに失敗しています。シングルユーザーモードで元のブート環境 c0t4d0s0 からブートさせるために、OK プロンプトを表示させる必要があります。
OK boot net -s # /sbin/luactivate first_disk Do you want to fallback to activate boot environment c0t4d0s0 (yes or no)? yes # init 6 |
元のブート環境 c0t4d0s0 がアクティブブート環境になります。
この例では、新しいブート環境のブートに失敗しています。元のブート環境からはブートできないためメディアまたはネットインストールイメージを使用する必要があります。デバイスは /dev/dsk/c0t4d0s0 です。元のブート環境 c0t4d0s0 がアクティブブート環境になります。
OK boot net -s # fsck /dev/dsk/c0t4d0s0 # mount /dev/dsk/c0t4d0s0 /mnt # /mnt/sbin/luactivate Do you want to fallback to activate boot environment c0t4d0s0 (yes or no)? yes # umount /mnt # init 6 |
次の例では、Solaris 10 1/06 以降のリリースで、GRUB メニューを使用してフォールバックする手順を示します。
この例では、GRUB メニューは適切に表示されますが、新しいブート環境のブートに失敗します。フォールバックを可能にするため、元のブート環境はシングルユーザーモードでブートされます。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
GRUB メニューを表示するにはシステムをリブートします。
# init 6 |
GRUB メニューが表示されます。
GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory) +-------------------------------------------------------------------+ |Solaris | |Solaris failsafe | |second_disk | |second_disk failsafe | +-------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
GRUB メニューから、元のブート環境を選択します。ブート環境は、GRUB ソフトウェアで作成されている必要があります。Solaris 10 1/06 リリースより前に作成されたブート環境は、GRUB ブート環境ではありません。ブート可能な GRUB ブート環境がない場合は、例 10–5 に進んでください。
次のように入力して、GRUB メニューを編集します。e。
矢印キーを使用して kernel /boot/multiboot を選択し、e と入力します。GRUB 編集メニューが表示されます。
grub edit>kernel /boot/multiboot |
-s と入力して、シングルユーザーモードでブートします。
grub edit>kernel /boot/multiboot -s |
ブートして、ブート環境をマウントします。次に、それをアクティブ化します。
# b # fsck /dev/dsk/c0t4d0s0 # mount /dev/dsk/c0t4d0s0 /mnt # /mnt/sbin/luactivate Do you want to fallback to activate boot environment c0t4d0s0 (yes or no)? yes # umount /mnt # init 6 |
次の例では、Solaris 10 1/06 以降のリリースにおいて DVD または CD を使用してフォールバックする手順を示します。
この例では、新しいブート環境のブートに失敗しています。また、GRUB メニューは表示されません。フォールバックを可能にするため、元のブート環境はシングルユーザーモードでブートされます。
Solaris Operating System DVD (x86 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (x86 版) を挿入します。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
DVD または CD からブートします。
# init 6 |
GRUB メニューが表示されます。
GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory) +-------------------------------------------------------------------+ |Solaris 10 5/08 | |Solaris 10 5/08 Serial Console ttya | |Solaris 10 5/08 Serial Console ttyb (for lx50, v60x and v65x | +-------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
デフォルトのオプションがブートされるまで待機するか、表示されているオプションのどれかを選択します。
インストール画面が表示されます。
+-------------------------------------------------------------------+ |Select the type of installation you want to perform: | | | | 1 Solaris Interactive | | 2 Custom JumpStart | | 3 Solaris Interactive Text (Desktop session) | | 4 Solaris Interactive Text (Console session) | | 5 Apply driver updates | | 6 Single user shell | | | | Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.| | Alternatively, enter custom boot arguments directly. | | | If you wait 30 seconds without typing anything, | | an interactive installation will be started. | +----------------------------------------------------------------- --+ |
「Single user shell」オプションを選択します。
次のメッセージが表示されます。
Do you wish to automatically update the boot archive? y /n |
次のコマンドを入力します。
Starting shell... # |
これでシングルユーザーモードになりました。
ブート環境をマウントします。次に、アクティブ化してリブートします。
# fsck /dev/dsk/c0t4d0s0 # mount /dev/dsk/c0t4d0s0 /mnt # /mnt/sbin/luactivate Do you want to fallback to activate boot environment c0t4d0s0 (yes or no)? yes # umount /mnt # init 6 |