Oracle Solaris Trusted Extensions 構成ガイド

Procedureラベルエンコーディングファイルを検査およびインストールする

エンコーディングファイルは、通信する相手の Trusted Extensions ホストと互換性がなければなりません。


注 –

Trusted Extensions はデフォルトの label_encodings ファイルをインストールします。このデフォルトファイルは、デモンストレーションとして便利です。ただし、実際の使用に適しているとは限りません。デフォルトファイルを使用する場合、この手順は省略できます。



注意 – 注意 –

続行する前に、ラベルを正しくインストールしてください。正しくインストールしていないと構成できません。


始める前に

セキュリティー管理者です。セキュリティー管理者は、label_encodings ファイルの編集、検査、および保守を担当します。label_encodings ファイルを編集する場合、ファイルが書き込み可能であることを確認してください。詳細は、label_encodings(4) のマニュアルページを参照してください。

  1. label_encodings ファイルが含まれたメディアを適切なデバイスに挿入します。

  2. label_encodings ファイルをディスクにコピーします。

  3. ファイルの構文を検査し、それをアクティブな label_encodings ファイルにします。

    • Trusted JDS では、コマンド行からファイルの検査とインストールを行います。

      1. 端末ウィンドウを開きます。

      2. chk_encodings コマンドを実行します。


        # /usr/sbin/chk_encodings /full-pathname-of-label-encodings-file
        
      3. 出力を読み、次のいずれかを行います。


      注意 – 注意 –

      続行するには、label_encodings ファイルが chk_encodings テストに合格しなければなりません。


    • Trusted CDE では、「エンコーディングの検査」アクションを使用します。

      1. Trusted_Extensions フォルダを開きます。

        背景をマウスボタン 3 でクリックします。

      2. ワークスペースメニューで、「アプリケーション」->「アプリケーション・マネージャ」を選択します。

      3. Trusted_Extensions フォルダのアイコンをダブルクリックします。

        図は Trusted_Extensions フォルダのアイコンを示しています。
      4. 「エンコーディングの検査」アクションをダブルクリックします。

        ダイアログボックスで、ファイルのフルパス名を入力します


        /full-pathname-of-label-encodings-file
        

        chk_encodings コマンドを起動して、ファイルの構文を検査します。「エンコーディングの検査」ダイアログボックスに結果が表示されます。

      5. 「エンコーディングの検査」ダイアログボックスの内容を読み、次のいずれかを行います。

        • エラーを解決します。

          「エンコーディングの検査」アクションによってエラーが報告された場合、続行する前に、そのエラーを解決しなければなりません。参考として、『Solaris Trusted Extensions ラベルの管理』の第 3 章「ラベルエンコーディングファイルの作成 (手順)」を参照してください。

        • はい」をクリックすることで、そのファイルをアクティブな label_encodings ファイルにします。

          「エンコーディングの検査」アクションによって元のファイルのバックアップコピーが作成され、検査済みのバージョンが /etc/security/tsol/label_encodings にインストールされます。さらに、ラベルデーモンが再起動されます。


    注意 – 注意 –

    続行するには、label_encodings ファイルがエンコーディングの検査テストに合格しなければなりません。


  4. ファイルの構文を検査し、それをアクティブな label_encodings ファイルにします。

    コマンド行を使用します。

    1. 端末ウィンドウを開きます。

    2. chk_encodings コマンドを実行します。


      # /usr/sbin/chk_encodings /full-pathname-of-label-encodings-file
      
    3. 出力を読み、次のいずれかを行います。


    注意 – 注意 –

    続行するには、label_encodings ファイルがエンコーディングの検査テストに合格しなければなりません。



例 4–1 コマンド行での label_encodings 構文の検査

この例では、管理者がコマンド行を使用していくつかの label_encodings ファイルをテストします。


# /usr/sbin/chk_encodings /var/encodings/label_encodings1
No errors found in /var/encodings/label_encodings1
# /usr/sbin/chk_encodings /var/encodings/label_encodings2
No errors found in /var/encodings/label_encodings2

業務管理で label_encodings2 ファイルを使用することを決めたら、管理者はファイルの意味解析を実行します。


# /usr/sbin/chk_encodings -a /var/encodings/label_encodings2
No errors found in /var/encodings/label_encodings2

---> VERSION = MYCOMPANY LABEL ENCODINGS  2.0 10/10/2006

---> CLASSIFICATIONS <---

   Classification 1: PUBLIC
   Initial Compartment bits: 10
   Initial Markings bits: NONE

---> COMPARTMENTS AND MARKINGS USAGE ANALYSIS <---
...
---> SENSITIVITY LABEL to COLOR MAPPING <---
...

管理者は自分の記録用に意味解析のコピーを出力したのち、このファイルを /etc/security/tsol ディレクトリに移動します。


# cp /var/encodings/label_encodings2 /etc/security/tsol/label.encodings.10.10.06
# cd /etc/security/tsol
# cp label_encodings label_encodings.tx.orig
# cp label.encodings.10.10.06 label_encodings

最後に、管理者は label_encodings ファイルが会社ファイルであることを確認します。


# /usr/sbin/chk_encodings -a /etc/security/tsol/label_encodings | head -4
No errors found in /etc/security/tsol/label_encodings

---> VERSION = MYCOMPANY LABEL ENCODINGS  2.0 10/10/2006