ラベル付きゾーンが X サーバーにアクセスできない場合は、次のようなメッセージが表示されます。
Action failed. Reconnect to Solaris Zone?
No route available
Cannot reach globalzone-hostname:0
ラベル付きゾーンが X サーバーにアクセスできない理由として次のものが考えられます。
ゾーンが初期化されていないため、sysidcfg プロセスの完了を待機している。
ラベル付きゾーンのホスト名が、大域ゾーンで実行中のネームサービスに認識されない。
all-zones として指定されているインタフェースがない。
ラベル付きゾーンのネットワークインタフェースがダウンしている。
LDAP 名の検索が失敗する。
NFS マウントが機能しない。
次の手順を実行してください。
ゾーンにログインします。
zlogin コマンドまたは「ゾーン端末コンソール」アクションを使用できます。
# zlogin -z zone-name |
スーパーユーザーとしてログインできない場合は、zlogin -S コマンドを使用して認証を省略してください。
ゾーンが実行中であることを確認します。
# zoneadm list |
ゾーンの状態が running であれば、少なくとも 1 つのプロセスがゾーンで実行されています。
ラベル付きゾーンが X サーバーにアクセスするのを妨害しているすべての問題を解決します。
sysidcfg プロセスを完了することによってゾーンを初期化します。
sysidcfg プログラムを対話式で実行します。ゾーン端末コンソール、または zlogin コマンドを実行した端末ウィンドウでプロンプトに答えます。
sysidcfg プロセスを非対話式に実行するには、次のいずれかの方法があります。
/usr/sbin/txzonemgr スクリプトに対して初期化項目を指定します。
初期化項目により、sysidcfg の質問にデフォルト値を入力できるようになります。
独自の sysidcfg スクリプトを記述します。
詳細は、sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。
ゾーンから X サーバーにアクセスできることを確認します。
ラベル付きゾーンにログインします。DISPLAY
変数が X サーバーをポイントするように設定し、ウィンドウを開きます。
# DISPLAY=global-zone-hostname:n.n # export DISPLAY # /usr/openwin/bin/xclock |
ラベル付きウィンドウが表示されない場合は、このラベル付きゾーンに対してゾーンネットワークが適切に構成されていません。
Solaris 10 5/09 以降のリリースの Trusted CDE を実行している場合は、「Trusted CDE でローカルゾーンを大域ゾーンルーティングに解決する」を参照してください。
ネームサービスを使ってゾーンのホスト名を構成します。
ゾーンのローカル /etc/hosts ファイルは使用しません。代わりに、同等の情報を大域ゾーンまたは LDAP サーバーに指定する必要があります。この情報には、ゾーンに割り当てられたホスト名の IP アドレスを含める必要があります。
all-zones として指定されているインタフェースがない。
すべてのゾーンに大域ゾーンと同じサブネット上の IP アドレスがある場合を除き、all-zones (共有) インタフェースを構成する必要のある場合があります。このように構成することによって、ラベル付きゾーンが大域ゾーンの X サーバーに接続できるようになります。大域ゾーンの X サーバーへのリモート接続を制限するには、vni0 を all-zones アドレスとして使用します。
all-zones インタフェースを構成しない場合は、それぞれのゾーンに大域ゾーンの X サーバーへのルートを指定する必要があります。これらのルートは大域ゾーン内で構成しなければなりません。
ラベル付きゾーンのネットワークインタフェースがダウンしている。
# ifconfig -a |
ifconfig コマンドを使用して、ラベル付きゾーンのネットワークインタフェースが UP と RUNNING の両方の状態であることを確認します。
LDAP 名の検索が失敗する。
ldaplist コマンドを使用して、各ゾーンが LDAP サーバーまたは LDAP プロキシサーバーと通信できることを確認します。LDAP サーバー上で、ゾーンが tnrhdb データベースに記載されていることを確認します。
NFS マウントが機能しない。
スーパーユーザーとして、ゾーンで automount を再起動します。または、crontab エントリを追加して、automount コマンドを 5 分ごとに実行します。