Solaris のシステム管理 (印刷)

新しいプリンタフォームの作成

新しいフォームを提供したい場合は、lpforms コマンドへの入力として 9 個の必須プリンタ特性 (ページ長とページ幅など) を指定し、その特性を定義しなければなりません。

LP 印刷サービスは、この情報を次の目的に使用します。

フォーム名は、14 文字以内の英数字と下線であれば、任意に選択して使用できます。情報は次の形式でなければなりません。


Page length: scaled-number
Page width: scaled-number
Number of pages: integer
Line pitch: scaled-number
Character pitch: scaled-number
Character set choice: character-set-name [,mandatory]
Ribbon color: ribbon-color
Comment:
informal notes about the form
Alignment pattern: [content-type] alignment pattern

省略可能な語、[,mandatory] は、ユーザーがフォームの文字セット選択を無効にできないことを意味します。content-type は位置揃えパターンを使用して指定できますが省略可能です。この値を指定すると、印刷サービスは必要に応じて使用し、ファイルにフィルタをかけて印刷する方法を決定します。

次の 2 つの例外を除いて、情報は任意の順序で指定できます。

すべての情報を指定する必要はありません。値を指定しないときは、次の表のデフォルト値が割り当てられます。lpforms コマンドを実行する前に、新しいフォームに関して次の情報を収集してください。

表 10–4 プリンタフォームのデフォルト値

値 

デフォルト 

説明 

ページ長 

66 行 

フォームの長さ、または複数ページのフォームの場合は各ページの長さ。この情報は、行数でもインチ単位やセンチメートル単位でもかまわない 

ページ幅 

80 列 

文字数、インチ数、またはセンチメートル数によるフォームの幅 

ページ数 

複数ページのフォームのページ数。LP 印刷サービスは、この数値と印刷フィルタ (利用できる場合) を使用して、位置揃えパターンを 1 つのフォームの長さに制限する。「位置揃えパターン」の説明を参照。フィルタが利用できない場合は、LP 印刷サービスは出力を打ち切らない 

行ピッチ 

1 インチあたり 6 行 

フォーム上の行間隔。これは「リーディング」とも呼ばれる。2 行間の間隔、つまりベースラインからベースラインまでの間隔を 1 インチまたは 1 センチあたりの行数で表す

文字ピッチ 

1 インチあたり 10 文字 

フォームに表示される文字間隔。文字の間隔を 1 インチまたは 1 センチあたりの文字数で表す 

文字セット選択肢 

任意 

このフォームに使用しなければならない文字セット、印字ホイール、またはフォントカートリッジ。ユーザーは、このフォームの使用時にも、各自の印刷要求に別の文字セットを選択できる。管理者は、単一の文字セットのみを使用するように指示することもできる 

リボンの色 

任意 

フォームを常に特定のカラーリボンで印刷しなければならない場合、LP 印刷サービスはどの色を使用すべきかを示す装着警告メッセージを表示できる 

コメント  

(デフォルトなし) 

ユーザーがフォームを理解する上で参考になる任意の情報。たとえば、フォーム名、そのバージョン、用途、または使用上の制限を示すことができる 

位置揃えパターン

(デフォルトなし) 

LP 印刷サービスが 1 枚のブランクフォームを埋めるために使用するサンプルファイル。フォームを装着するときに、このパターンを印刷して正しく位置揃えすることができる。また、印刷サービスに印刷方法が認識されるように、このパターンの内容形式を定義することもできる 


注 –

LP 印刷サービスは、位置揃えパターン内の重要な情報にマスクをかけようとしません。小切手を位置揃えするときなど、サンプルフォームに重要な情報を印刷したくない場合は、該当するデータにマスクをかける必要があります。LP 印刷サービスは、スーパーユーザーまたは lp としてログインしたユーザー以外は読み取れないように、位置揃えパターンを安全な場所に格納します。


フォーム情報を収集し終わったら、フォームを lpforms コマンドに入力します。lpforms コマンドに入力する前に、まず、この情報を別の編集可能なファイルに記録してください。そうすれば、プロンプトの後で個々の情報を入力しなくても、そのファイルを入力として使用できます。

Procedure新しいプリンタフォーム定義を作成する方法

  1. 印刷サーバーで、スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. フォーム定義ファイルを作成します。

    プリンタフォームの作成方法の概要については、「新しいプリンタフォームの作成」を参照してください。プリンタ定義はテキストファイルに保存してください。

  3. フォームを LP 印刷サービスに追加します。


    # lpadmin -p printer-name -M -f form-name
    
  4. フォームを印刷サーバーに追加します。

    手順については、「フォームを追加する方法」を参照してください。