印刷システムの中核は UNIX System V (R4) ベースのスプーラです。スプーラに加え、スプーラの要求と管理を行うクライアントアプリケーション、ドキュメントの翻訳を実行するフィルタ、最終的なドキュメントの変換を実行するバックエンド処理ソフトウェア、およびデバイス (プリンタ) 通信があります。印刷システムの完全な機能を利用するには、これらすべての資源が必要です。
Oracle Solaris OS での印刷は、次のものをサポートするソフトウェアから構成されています。
印刷コマンド
印刷スプーラ
有線プロトコル
クライアントからサーバーやプリンタに印刷要求を移動するといった、基になる技術
次の図は、印刷システムのコンポーネントを表す概要レベルの図です。
Oracle Solaris の印刷に最近加えられた変更には、PAPI を介して実装される、IPP のクライアント側サポートの統合が含まれます。Berkeley Software Distribution (BSD) と System V (SysV) のコマンド、および一部のアプリケーションは、PAPI インタフェースの階層の上に置かれています。「Open Standard Print API の実装」を参照してください。
Oracle Solaris 10 OS でのプリンタの設定および管理に使用可能なツールは、次のとおりです。
Solaris 印刷マネージャー。ローカルシステム上やネームサービス内の印刷構成を管理するグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) です。
LP 印刷サービスコマンド。ローカルシステム上やネームサービス内のプリンタを設定して管理するコマンド行インタフェース (CLI) です。これらのコマンドは、他の印刷管理ツールにない機能も提供します。
Oracle Solaris リリースでサポートされているインタフェース、プロトコル、およびテクノロジは、次のとおりです。
IPP (Internet Printing Protocol)
Samba 経由のサーバーメッセージブロック (SMB) プロトコル
Berkeley Software Distribution (BSD) プロトコル