Solaris のシステム管理 (印刷)

Procedure新しい印刷フィルタを作成する方法

  1. 印刷サーバーで、スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 印刷フィルタプログラムを作成します。

    印刷フィルタプログラムについては、「印刷フィルタプログラムの作成」を参照してください。通常、PostScript プリンタ用のフィルタプログラムは /usr/lib/lp/postscript ディレクトリに入っています。作成したプログラムは、選択したディレクトリ内の /usr/lib/lp ディレクトリの下に入れる必要があります。

  3. 印刷フィルタ定義を作成します。

    印刷フィルタ定義については、「印刷フィルタ定義の作成」を参照してください。印刷フィルタ定義はテキストファイルに保存する必要があります。使用しやすいように、通常、フィルタ定義は /etc/lp/fd ディレクトリに入っており、接尾辞 .fd で識別されます。

  4. 印刷フィルタを印刷サーバーに追加します。

    詳細は、「印刷フィルタを追加する方法」を参照してください。


例 10–7 新しい印刷フィルタの作成

次の例は、 N37 または Nlpsimple に変換するために使用する印刷フィルタ定義を示しています。


Input types: N37, Nlp, simple
Output types: simple
Command: /usr/bin/col
Options: MODES expand = -x
Options: INPUT simple = -p -f

この例で、印刷フィルタプログラム名は col です。新しい印刷フィルタを印刷サーバーに追加すると、ユーザーの印刷要求は次のように処理されます。

ユーザーが次のコマンドを入力した場合


$ lp -y expand report.doc

印刷フィルタプログラムは次の引数を使用して実行され、ファイルが変換されます。


/usr/bin/col -x -p -f

ユーザーが次のコマンドを入力した場合


$ lp -T N37 -y expand report.doc

印刷フィルタプログラムは次の引数を使用して実行され、ファイルが変換されます。


/usr/bin/col -x


例 10–8 入力タイプを異なる出力タイプに変換する、印刷フィルタを新規作成する

次の例は、troff から PostScript ファイルに変換するために使用する印刷フィルタ定義を示しています。


Input types: troff
 Output types: postscript
 Printer types: PS
 Filter type: slow
 Command: /usr/lib/lp/postscript/dpost
 Options: LENGTH * = -l*
 Options: MODES port = -pp, MODES land = -pl
 Options: MODES group \=\([1-9]\) = -n\l

この例で、印刷フィルタプログラム名は dpost です。このフィルタプログラムは入力タイプ troff をとり、postscript 出力を生成し、タイプ PS (PostScript) のすべてのプリンタで機能します。ユーザーは、用紙方向を縦モードにするか横モードにするかを尋ねるプロンプトが表示されたときに、それぞれの省略形 port または land を指定するだけですみます。これらのオプションは LP 印刷サービスに固有ではないので、ユーザーは lp -y コマンドを使用して指定しなければなりません。

新しい印刷フィルタを印刷サーバーに追加すると、印刷要求は次のように処理されます。