インストール済みパッケージについての情報を表示するには、pkginfo コマンドを使用します。このコマンドには複数のオプションがあり、表示の形式と内容をカスタマイズできます。
任意の数のパッケージインスタンスについての情報を要求できます。
オプションを指定しないで pkginfo コマンドを実行すると、システムに完全にインストールされているすべてのパッケージのカテゴリ、パッケージインスタンス、およびパッケージ名が表示されます。次の例に示すように、表示はカテゴリ別に整理されます。
$ pkginfo . . . system SUNWinst Install Software system SUNWipc Interprocess Communications system SUNWisolc XSH4 conversion for ISO Latin character sets application SUNWkcspf KCMS Optional Profiles application SUNWkcspg KCMS Programmers Environment application SUNWkcsrt KCMS Runtime Environment . . . $ |
pkginfo の表示には 3 種類の形式があります。 簡易、抽出、詳細の 3 種類です。
短形式がデフォルトです。「pkginfo のデフォルトの表示」に示すように、簡易形式では、カテゴリ、パッケージの省略名、およびパッケージの完全な名前のみが表示されます。
抽出形式では、パッケージの省略名、名前、アーキテクチャー(ある場合)、およびバージョン (ある場合) が表示されます。次の例のように、抽出形式を要求するには -x オプションを使用します。
$ pkginfo -x . . . SUNWipc Interprocess Communications (sparc) 11.8.0,REV=1999.08.20.12.37 SUNWisolc XSH4 conversion for ISO Latin character sets (sparc) 1.0,REV=1999.07.10.10.10 SUNWkcspf KCMS Optional Profiles (sparc) 1.1.2,REV=1.5 SUNWkcspg KCMS Programmers Environment (sparc) 1.1.2,REV=1.5 . . . $ |
-l オプションを使用すると長形式で表示され、次の例のように、パッケージについて入手できるすべての情報が表示されます。
$ pkginfo -l SUNWcadap PKGINST: SUNWcadap NAME: Chip designers need CAD application software to design abc chips. Runs only on xyz hardware and is installed in the usr partition. CATEGORY: system ARCH: SPARC VERSION: release 1.0 BASEDIR: /opt PSTAMP: system980706083849 INSTDATE: Jul 7 1999 09:58 STATUS: completely installed FILES: 13 installed pathnames 6 directories 3 executables 3121 blocks used (approx) $ |
次の表で、各パッケージで表示できるパッケージパラメータについて説明します。パラメータとその値は、パラメータに値が割り当てられている場合にのみ表示されます。
表 4–2 パッケージパラメータ
パラメータ |
説明 |
---|---|
ARCH |
パッケージがサポートするアーキテクチャー。 |
BASEDIR |
ソフトウェアパッケージが常駐するベースディレクトリ (パッケージが再配置可能な場合に表示されます)。 |
CATEGORY |
パッケージがメンバーであるソフトウェアのカテゴリ (たとえば、system や application)。 |
CLASSES |
パッケージに定義されているクラスのリスト。リストの順序で、クラスのインストール順序が決まります。最初にリストされているクラスが、最初にインストールされます (メディア単位)。このパラメータは、request スクリプトによって変更される場合があります。 |
DESC |
パッケージを説明するテキスト。 |
|
ユーザー照会のための電子メールアドレス。 |
HOTLINE |
パッケージについてのホットラインヘルプを受け取る方法についての情報。 |
INTONLY |
NULL 以外の値に設定されている場合は、パッケージを対話形式でのみインストールする必要があることを示します。 |
ISTATES |
パッケージのインストールに対する許容可能な実行状態のリスト (S s 1 など)。 |
MAXINST |
マシン上で同時に許可する必要のあるパッケージインスタンスの最大数。デフォルトでは、1 つのパッケージインスタンスのみが許可されます。 |
NAME |
パッケージ名。通常は、パッケージの省略名を説明するテキスト。 |
ORDER |
媒体に格納する順序を定義するクラスのリスト。パッケージを作成する際に pkgmk コマンドで使用されます。このパラメータで定義されていないクラスは、標準の順序付け手順を使用して媒体に格納されます。 |
PKGINST |
インストールされているパッケージの省略名。 |
PSTAMP |
パッケージの製造スタンプ。 |
RSTATES |
パッケージの削除に対する許容可能な実行状態のリスト (S s 1 など)。 |
ULIMIT |
このパラメータが設定されると、ulimit コマンドに引数として渡されます。これにより、インストールの間にファイルの最大サイズが設定されます。これは、手続きスクリプトによって作成されるファイルに対してのみ適用されます。 |
VENDOR |
ソフトウェアパッケージの提供ベンダーの名前。 |
VERSION |
パッケージのバージョン。 |
VSTOCK |
ベンダー提供のストック番号。 |
pkginfo コマンドの詳細については、pkginfo(1) のマニュアルページを参照してください。