アプリケーションパッケージ開発者ガイド

再配置可能パッケージ

System V ABI は、再配置可能パッケージの背後にある当初の目的は、パッケージのインストールを管理者にとってより便利にすることだったということを含意しています。今では、再配置可能パッケージの必要性はそれ以上のものになっています。利便性だけの問題ではなく、インストール時にアクティブなソフトウェア製品がすでにデフォルトディレクトリにインストールされている可能性が非常に高くなっています。この状況に対応できないパッケージは、既存の製品を上書きするか、インストールに失敗します。しかし、複数のアーキテクチャーおよび複数のバージョンに対応したパッケージは、スムーズにインストールでき、従来の管理方法と十分に互換性がある幅広いオプションを管理者に提供します。

ある意味で、複数のアーキテクチャーの問題と複数のバージョンの問題は同じです。既存のパッケージのバリアントは、ほかのバリアントと共存させてインストールできる必要があります。また、エクスポートされたファイルシステムのクライアントまたはスタンドアロンのコンシューマは、機能を低下させることなく、いずれかのバリアントに変更できる必要もあります。Sun はサーバー上で複数のアーキテクチャーに対応する方法を確立していますが、管理者はこれらの提案に従わない場合もあります。すべてのパッケージは、管理者のインストールに関する合理的な要望に応じることができるようにする必要があります。