このバグは、Solaris 10 Hardware 2 リリースから最新の Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードする際に発生します。
Solaris 10 Hardware 2 リリースでは、NIS、NIS+、FILES、LDAP などの任意のネームサービスに対して name_service.xml ファイルは次のようになっています。
# ls -l name_service.xml lrwxrwxrwx 1 root root 10 Apr 10 16:26 name_service.xml -> ns_files.xml |
ネームサービスが NIS の場合、name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。ただし、ns_files.xml の内容は ns_nis.xml の内容と同じです。
# cat /etc/release Solaris 10 3/05 HW2 s10s_hw2wos_05 SPARC Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved. Use is subject to license terms. Assembled 26 September 2005 # cd /var/svc/profile # ls -l name_service.xml ns_files.xml ns_nis.xml lrwxrwxrwx 1 root other 12 May 21 04:06 name_service.xml -> ns_files.xml -r--r--r-- 1 root sys 779 May 21 04:25 ns_files.xml -r--r--r-- 1 root sys 779 Jan 21 2005 ns_nis.xml # # diff ns_files.xml ns_nis.xml # diff name_service.xml ns_nis.xml |
上記の出力で、ns_nis.xml ファイルと ns_files.xml ファイルは同じになっています。つまり、name_service.xml ファイルのシンボリックリンクが、間違ったネームサービスファイルを指しています。name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。代わりに、name_service.xml ファイルは ns_nis.xml にリンクするべきです。
CR 6411084 に対する修正は SUNWcsr インストールまたはインストール後スクリプトで行いますが、修正によって正しいリンクが作成されるのは、name_service.xml がリンクファイルでない場合のみです。Solaris 10 Hardware 2 リリースのように、name_service.xml がすでにシンボリックリンクファイルになっている場合、CR 6411084 に対する修正は機能しません。
Solaris 10 Hardware 2 から最新の Solaris 10 10/08 リリースにアップグレードした後、次のメッセージがコンソールに表示されるか、メッセージファイルに記録されます。
Oct 23 12:18:45 vt2000a automount[301]: [ID 366266 daemon.error] can't read nis map auto_master: can't communicate with ypbind - retrying |
また、/network/nis/client:default サービスがオフラインになります。
回避方法: 次のいずれかを選択してください。
回避方法 1: アップグレードの前に、/var/svc/profile/name_service.xml ファイルを削除します。
回避方法 2: アップグレード後に、ネームサービスに応じた正しい ns_<xxx>.xml ファイルに /var/svc/profile/name_service.xml をリンクします。