この章では、Solaris インストールプログラムの新機能について説明します。Solaris OS のすべての機能の詳細は、『Solaris 10 の概要』を参照してください。この章の内容は次のとおりです。
Solaris 10 10/08 以降のリリースでは、ZFS ルートファイルシステムをインストールおよびブートできるようになりました。
ZFS ルートプールの初期インストールを実行するインストールプログラムは、次のとおりです。
Solaris テキストインストーラは、ZFS ルートプールの初期インストールを実行します。そのインストール中に、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのいずれをインストールするかを選択できます。インストール中に 2 つのディスクを選択することで、ミラー化 ZFS ルートプールを設定できます。あるいは、インストール後に別のディスクを接続または追加することによってミラー化 ZFS ルートプールを作成することもできます。ZFS ボリューム上のスワップおよびダンプデバイスは、ZFS ルートプール内に自動的に作成されます。
詳細な操作手順については、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (基本編)』の第 3 章「Solaris 対話式テキストインストーラによる ZFS ルートプールのインストール (計画と作業)」を参照してください。
カスタム JumpStart を使用して、ZFS ストレージプールの作成とブート可能な ZFS ファイルシステムの指定を行うプロファイルを作成できます。新しい ZFS プロファイルキーワードを使用すると、初期インストールで ZFS ルートプールがインストールされます。ZFS プロファイルには、特定のキーワードのセットが含まれます。
JumpStart と ZFS の詳細については、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の第 9 章「JumpStart による ZFS ルートプールのインストール」を参照してください。
Solaris Live Upgrade を使用して、次の作業を実行できます。
UFS ルート (/) ファイルシステムを ZFS ルートプールに移行する
lucreate コマンドを使って ZFS ブート環境を作成したあと、そのブート環境で、luupgrade、luactivate コマンドなどほかの Solaris Live Upgrade コマンドを使用できます。ZFS での Solaris Live Upgrade の使用方法の詳細については、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』の第 11 章「Solaris Live Upgrade と ZFS (概要)」を参照してください。
Solaris 10 10/08 以降のリリースでは、SPARC プラットフォーム向けの Solaris Operating System DVD と Solaris SOFTWARE - 1 CD の構造が変更され、スライス 0 はディレクトリ構造の最上位ではなくなりました。この結果、x86 と SPARC で DVD および Solaris SOFTWARE - 1 CD の構造が同じになりました。この構造変更により、SPARC インストールサーバーと x86 メディアなど、プラットフォームが混在している場合のインストールサーバーの設定が容易になります。インストールサーバーの設定手順については、次の箇所を参照してください。
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 5 章「DVD メディアを使用したネットワークインストール (作業)」
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 6 章「CD メディアを使用したネットワークインストール (作業)」
Solaris 10 8/07 以降のリリースでは、以前のリリースにあった、非大域ゾーンがインストールされているシステムでの Solaris OS のアップグレードの制限事項が、ほとんど解消されています。
アップグレードに対する唯一の制限は、Solaris フラッシュアーカイブに関するものです。Solaris フラッシュアーカイブを使ってインストールを行う場合は、非大域ゾーンが含まれているアーカイブがシステムに正しくインストールされません。
非大域ゾーンがインストールされているシステムに対応するための変更を次にまとめます。
Solaris 対話式インストールプログラムでは、非大域ゾーンがインストールされている場合に、DVD だけでなく CD を使ったシステムのアップグレードまたはパッチ適用が可能になりました。DVD、CD いずれかのネットワークインストールイメージを使用することもできます。以前は、DVD によるアップグレードに限定されていました。インストールされている非大域ゾーンの数に応じて、アップグレードやパッチに要する時間が大幅に長くなることがあります。
自動化された JumpStart インストールでは、アップグレードまたはパッチに適用されるキーワードを使ってアップグレードまたはパッチを行うことができます。以前のリリースでは、使用できるキーワードが限定されていました。インストールされている非大域ゾーンの数に応じて、アップグレードやパッチに要する時間が大幅に長くなることがあります。
Solaris Live Upgrade では、非大域ゾーンが含まれているシステムのアップグレードまたはパッチが可能です。システムに非大域ゾーンが含まれている場合は、アップグレードプログラムまたはパッチを追加するプログラムとして、Solaris Live Upgrade を推奨します。ほかのアップグレードプログラムでは、膨大なアップグレード時間が必要となる場合があります。これは、アップグレードの実行に要する時間が、インストールされている非大域ゾーンの数に比例して増加するからです。Solaris Live Upgrade を使ってシステムにパッチを適用する場合は、システムをシングルユーザーモードにする必要がないため、システムの稼働時間を最大限に活用できます。
Solaris Live Upgrade は、非アクティブブート環境に OS のコピーを作成します。非アクティブブート環境は、非大域ゾーンがインストールされている場合にアップグレードまたはパッチの適用が可能です。その後、非アクティブブート環境をブートすれば、新しいブート環境にできます。非大域ゾーンがインストールされているシステムに対応するための変更は次のとおりです。
新しいパッケージ SUNWlucfg をほかの Solaris Live Upgrade パッケージ SUNWlur および SUNWluu とともにインストールする必要があります。このパッケージは、非大域ゾーンがインストールされているシステムだけでなく、どのシステムにも必要です。
これらの 3 つのパッケージは、Solaris Live Upgrade を使ってアップグレードを行うのに必要なソフトウェアを構成します。これらのパッケージには、既存のソフトウェア、新しい機能、およびバグ修正が含まれています。Solaris Live Upgrade を使用する前にこれらのパッケージをシステムにインストールしないと、ターゲットリリースへのアップグレードは失敗します。
現在稼働しているブート環境から新しいブート環境を作成する方法は以前のリリースの場合と同じですが、例外が 1 つあります。非大域ゾーン内の共有ファイルシステムに対して宛先ディスクスライスを指定できます。
-m オプションの引数には、新しい省略可能フィールド zonename が追加されました。この新しいフィールドを使用すると、新しいブート環境を作成し、個別のファイルシステムを含むゾーンを指定できます。この引数は、ゾーンのファイルシステムを新しいブート環境の個々のスライス上に配置します。
lumount コマンドは、非大域ゾーンが、非アクティブブート環境に存在する、それらに対応するファイルシステムにアクセスできるようにします。大域ゾーン管理者が lumount コマンドを使って非アクティブブート環境をマウントすると、同様にブート環境が非大域ゾーン用にマウントされます。
ブート環境の比較機能が向上しました。lucompare コマンドは、非大域ゾーンの内容が含まれているブート環境の比較を行うようになりました。
lufslist コマンドによるファイルシステムの表示機能が向上し、大域ゾーンと非大域ゾーンの両方のファイルシステムの一覧が表示されるようになりました。
非大域ゾーンがインストールされているシステムをアップグレードする手順または Solaris ゾーン区分技術に関する情報については、次の参照先を参照してください。
説明 |
詳細 |
---|---|
非大域ゾーンが含まれるシステムにおける Solaris Live Upgrade によるアップグレード | |
非大域ゾーンの作成と使用 | |
JumpStart によるアップグレード | |
Solaris 対話式インストール GUI によるアップグレード |
この機能は、次のリリースで新たに加わりました。
Solaris 10 11/06 以降のリリース (SPARC の場合)
Solaris 10 8/07 以降のリリース (x86 の場合)
sysidkdb ツールは、USB 言語とそれに対応するキー配列を設定します。
次の手順で行われます。
キーボードが自己識別型である場合は、インストール時にキーボードの言語および配列が自動的に設定されます。
キーボードが自己識別型でない場合は、インストール時にユーザーがキーボード設定の配列を選択できるように、 サポートされているキー配列の一覧が sysidkdb ツールによって提供されます。
SPARC: 以前は、USB キーボードのインストール時の自己識別値を 1 としていました。そのため、自己識別型でないキーボードはすべて、インストール時に必ず米国英語 (U.S. English) キー配列に設定されていました。
PS/2 キーボードは自己識別型ではありません。インストール時にキー配列を選択するように求められます。
キーボードが自己識別型でない場合に、JumpStart インストール時にプロンプトが表示されないようにするには、sysidcfg ファイルでキーボードの言語を選択します。JumpStart インストールの場合、デフォルトは米国英語 (U.S. English) 用です。別の言語とそれに対応するキー配列を選択するには、sysidcfg ファイルでキーボードのキーワードを設定します。
詳細は、次のいずれかを参照してください。
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「sysidcfg ファイルによる事前設定」
sysidtool(1M) のマニュアルページ
sysidcfg(4) のマニュアルページ
Solaris 10 8/07 以降のリリースでは、Solaris OS のインストール時に NFS バージョン 4 のドメインを定義できるようになりました。以前は、インストール後に初めてシステムを再起動した際に NFS ドメイン名を定義していました。
この新しい機能は、インストールに次のような影響を及ぼします。
sysidtool コマンドに、拡張された sysidnfs4 プログラムが含まれています。sysidnfs4 プログラムはインストールプロセス中に起動し、NFSv4 ドメインがネットワークに構成されているかを判定するようになりました。
詳細は、sysidtool(1M) および sysidnfs4(1M) のマニュアルページを参照してください。
対話式インストールの過程で、OS から自動的に得られたデフォルトの NFSv4 ドメイン名がユーザーに提示されます。ユーザーはこのデフォルトをそのまま使用できます。または、ユーザーは別の NFSv4 ドメインを指定してもかまいません。
Solaris JumpStart インストールの一環として、新しいキーワードを sysidcfg ファイルで使用できます。ユーザーは、新しいキーワード nfs4_domain を使用して、NFSv4 ドメインの値を割り当てることができるようになりました。
この新しいキーワードの詳細は、sysidnfs4(1M) のマニュアルページを参照してください。このマニュアルページには、この新しいキーワードの使用例も記載されています。
NFSv4 ドメイン名の設定の詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』を参照してください。
Solaris 10 11/06 以降のリリースでは、インストール時に、ネットワークサービスのデフォルト動作を設定できるようになりました。これにより、ネットワークサービスのデフォルト動作が大幅にセキュリティー強化されます。対話式インストール (ハンズオン) の実行時、インストール構成の選択画面にこの新しいセキュリティーオプションが表示されます。自動化された JumpStart インストール (ハンズオフ) の場合、sysidcfg ファイル内で新しい service_profile キーワードを使用することで、制限されたネットワークプロファイルを選択できます。このセキュリティーオプションを使用できるのは、初期インストールを実行するときだけです。アップグレードでは、以前に設定したサービスが保持されます。ただし netservices コマンドを使用すれば、必要に応じてアップグレード後にネットワークサービスを制限することができます。
ネットワークのセキュリティーを制限する場合、多数のサービスが完全に無効になります。その他のサービスは引き続き有効ですが、ローカル接続のみに制限されます。Secure Shell は、引き続きシステムへのリモート管理アクセスに使用できます。
この制限されたネットワークプロファイルを使用すると、インターネットや LAN 上で公開されるリスクを減らすことができます。グラフィカルデスクトップの使用とアウトバウンドのネットワークアクセスは維持されます。たとえば、グラフィカルインタフェースへのアクセス、ブラウザや電子メールクライアントの使用、NFSv4 ファイル共有のマウントなどは引き続き可能です。
ネットワークサービスは、netservices open コマンドを使用するか、SMF コマンドを使用して個別にサービスを有効にする方法で、インストール後に有効にすることができます。「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。
このセキュリティーオプションの追加情報については、次の資料を参照してください。
表 2–1 制限されたネットワークプロファイルの追加情報
説明 |
詳細 |
---|---|
ネットワークサービスのセキュリティーを管理する | |
インストール後にネットワークサービスを使用可能に戻す | |
インストール構成を計画する | |
対話式インストールで制限付きネットワークセキュリティーを選択する |
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (基本編)』の第 2 章「Solaris インストールプログラムによる UFS ファイルシステムのインストール (作業)」 |
JumpStart インストールで制限されたネットワークセキュリティーを設定する |
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「service_profile キーワード」 |
Solaris 10 11/06 以降のリリースでは、Solaris Trusted Extensions は Solaris OS 用の複数レベルのセキュリティーを提供します。この機能を使用すると、柔軟でありながら安全性の高い方法で情報を制御できます。データへのアクセスを、データの所有権だけではなくデータの機密性に基づいて厳密に制御できるようになりました。
Solaris Trusted Extensions のインストールは、標準のインストールとは異なります。これらのインストールの相違点のリストおよび Solaris Trusted Extensions の詳細は、『Solaris Trusted Extensions インストールと構成』の「Trusted Extensions 用 Solaris OS のインストールまたはアップグレード」を参照してください。
flarcreate コマンドから、個別のファイルに対するサイズ制限がなくなりました。各ファイルのサイズが 4G バイトを超えていても Solaris フラッシュ アーカイブを作成できます。次の 2 つのアーカイブユーティリティーを使用できます。
cpio アーカイブユーティリティーはデフォルトのユーティリティーです。個別のファイルが 2G バイト または 4G バイトを越えることはできません。使用する cpio のバージョンにより、適用されるサイズ制限が異なります。
-L pax オプションを指定すると、ポータブルアーカイブ交換ユーティリティー pax が呼び出されます。-L pax オプションを指定すると、個別ファイルのサイズ制限なしでアーカイブを作成できます。
詳細については、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の「大規模なファイルを含むアーカイブの作成」を参照してください。
この節では、Solaris 10 1/06 リリースの次のような新しいインストール機能について説明します。
Solaris ゾーン区分技術には、1 つの Solaris インスタンス、つまり大域ゾーンに、複数の非大域ゾーンを設定する機能があります。非大域ゾーンは、アプリケーションプロセスがほかのゾーンから隔離して実行される環境です。Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、非大域ゾーンがインストールされたシステムが稼働している場合は、標準の Solaris アップグレードプログラムを使用してアップグレードできます。Solaris の対話式インストールプログラムまたはカスタム JumpStart を使用して、アップグレードすることができます。非大域ゾーンがインストールされている場合のアップグレードには、若干の制限があります。
サポートされるカスタム JumpStart キーワードの数には制限があります。サポートされるカスタム JumpStart キーワードの一覧は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。
Solaris Operating System DVD または DVD から作成されたネットワークインストールイメージを使用する必要があります。Solaris SOFTWARE CD を使用してシステムをアップグレードすることはできません。このプログラムを使用したインストールの詳細は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (基本編)』の第 2 章「Solaris インストールプログラムによる UFS ファイルシステムのインストール (作業)」を参照してください。
非大域ゾーンのインストールされたシステムでは、Solaris Live Upgrade を使用してシステムをアップグレードすることはできません。lucreate コマンドを使用してブート環境を作成することはできますが、非大域ゾーンがインストールされたブート環境を luupgrade コマンドを使用してアップグレードすることはできません。この場合、アップグレードは失敗し、エラーメッセージが表示されます。
Solaris 対話式インストールプログラムの使用方法の詳細は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (基本編)』を参照してください。
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、オープンソースの GNU GRand Unified Boot Loader (GRUB) が x86 ベースのシステムの Solaris OS に採用されています。GRUB は、ブートアーカイブをシステムのメモリーに読み込むソフトウェアです。ブートアーカイブは、システムの起動中にルート (/) ファイルシステムがマウントされる前に必要な、重要なファイルの集まりです。ブートアーカイブは、Solaris OS のブートに使用されます。
もっとも注目すべき変更点は、Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) が GRUB メニューに置き換えられたことです。GRUB メニューにより、システムにインストールされているさまざまなオペレーティングシステムのブートが容易になります。GRUB メニューは、x86 システムをブートするときに表示されます。GRUB メニューから、矢印キーを使用してブートする OS インスタンスを選択できます。選択しない場合は、デフォルトの OS インスタンスがブートされます。
GRUB ベースのブート機能では、次の点が改善されています。
ブート時間の高速化
USB CD または DVD ドライブからのインストール
USB ストレージデバイスからのブート
PXE ブート用の簡易 DHCP 設定 (ベンダー固有のオプションは設定できない)
すべてのリアルモードドライバを除去
Solaris Live Upgrade と GRUB メニューを使用して、ブート環境をすばやくアクティブ化およびフォールバックする機能
GRUB の詳細については、以降の節を参照してください。
作業 |
GRUB の作業 |
参照先 |
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インストール |
GRUB ベースのブートの概要 | |
GRUB ベースのブートのインストール計画 | ||
GRUB メニューを使用してネットワーク経由でブートおよびインストールを行う方法 |
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「DVD イメージを使用したネットワークからのシステムのインストール」 |
|
GRUB メニューとカスタム JumpStart インストール方式を使用してブートおよびインストールを行う方法 |
『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「カスタム JumpStart インストールの実行」 |
|
GRUB メニューと Solaris Live Upgrade を使用してブート環境のアクティブ化およびフォールバックを行う方法 | ||
GRUB メニューの menu.lst ファイルの検出 | ||
システム管理 |
GRUB メニューを使用してシステム管理作業を行う方法 |
GNU は、「GNU's Not UNIX」の再帰的頭字語です。詳細については、http://www.gnu.org を参照してください。
Solaris 10 1/06 以降のリリースは、Solaris 8、9、または 10 リリースからアップグレード可能です。Solaris 7 リリースからのアップグレードはサポートされません。
この節では、Solaris 10 3/05 リリースの次のような新しいインストール機能について説明します。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、Solaris OS のインストールにいくつかの変更が加えられ、より簡単で統一された方法でインストールできます。
変更内容は次のとおりです。
今回のリリースには、1 枚のインストール DVD と数枚のインストール CD が付いています。Solaris Operating System DVD には、すべてのインストール CD の内容が含まれています。
Solaris Software 1 – ブート可能な CD は、この CD だけです。この CD から、Solaris インストール用グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) またはコンソールベースのインストールを利用できます。また、どちらのインストールを利用する場合でも、選択したソフトウェア製品だけをインストールすることもできます。
その他の Solaris Operating System CD – これらの CD には次のものが含まれます。
Solaris パッケージ (必要に応じてインストールします)
サポートまたは非サポートのソフトウェアが入っている ExtraValue ソフトウェア
インストーラ
ローカライズされたインタフェースソフトウェアおよびマニュアル
Solaris Installation CD はなくなりました。
CD または DVD のどちらでインストールする場合も、GUI インストールがデフォルトです (十分なメモリーがある場合)。ただし、text ブートオプションを使用してコンソールベースのインストールを指定することもできます。
インストール手順が単純化され、ブート時に言語サポートを選択し、ロケールを後で選択できます。
GUI またはコンソールを使用しない Solaris カスタム JumpStartTM インストール方式には変更はありません。
OS をインストールするには、Solaris Software - 1 CD または Solaris Operating System DVD を挿入してから、次のいずれかのコマンドを入力します。
デフォルトの GUI インストールの場合 (システムメモリーが十分にある場合) は、boot cdrom と入力します。
コンソールベースのインストールの場合は、boot cdrom - text と入力します。
新しい text ブートオプションのある CD または DVD メディアを使用して Solaris OS をインストールする方法について | |
CD メディアによるインストールサーバーの設定方法の変更について |
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、ソフトウェアのインストールに GUI を使用するか、ウィンドウ表示環境を使用するか、またはウィンドウ表示環境を使用しないかを選択できます。十分なメモリーがある場合は、デフォルトで GUI が表示されます。メモリー不足により GUI を表示できない場合はデフォルトで別の環境が表示されます。ブートオプション nowin または text を使用すると、デフォルト動作を変更できます。ただし、システムのメモリー量による制限や、リモートでインストールする場合の制限があります。また、Solaris インストールプログラムがビデオアダプタを検出できなかった場合、プログラムは自動的にコンソールベースの環境で表示されます。
具体的なメモリー要件については、「システム要件と推奨事項」を参照してください。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、カスタム JumpStart インストール方式を使用して Solaris OS をインストールおよびアップグレードした場合、新しくカスタマイズすることで次のことが可能になります。
Solaris フラッシュインストールと追加パッケージ
カスタム JumpStart プロファイルの package キーワードが拡張され、Solaris フラッシュアーカイブを追加パッケージとともにインストールできるようになりました。たとえば、2 台のマシンに同じ基本アーカイブをインストールし、それぞれのマシンに別のパッケージを追加することができます。これらのパッケージは、Solaris OS ディストリビューションに含まれている必要はありません。
Solaris ディストリビューションに含まれない追加パッケージのインストール
package キーワードが拡張され、Solaris ディストリビューションに含まれないパッケージもインストールできるようになりました。追加パッケージをインストールするために、インストール後スクリプトを作成する必要がなくなりました。
Solaris OS パッチをインストールする機能
カスタム JumpStart プロファイルの新しい patch キーワードを使用して、Solaris OS のパッチをインストールできます。この機能を利用して、パッチファイルに指定されているパッチをインストールできます。
詳細は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、Solaris インストールプログラムを使用してインストール時に複数のインタフェースを構成できます。これらのインタフェースは、システムの sysidcfg ファイルに事前に構成できます。また、インストール時に構成することもできます。詳細については、次のドキュメントを参照してください。
以前の Solaris リリースでは、Solaris ソフトウェアの 32 ビットコンポーネントと 64 ビットコンポーネントが、個別のパッケージとして配布されていました。Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、パッケージが簡略化され、32 ビットコンポーネントと 64 ビットコンポーネントのほとんどが 1 つのパッケージで配布されています。この統合されたパッケージには元の 32 ビットパッケージの名前が使用され、64 ビットパッケージは配布されなくなりました。
64 ビットパッケージがなくなったことで、インストールが簡素化され、パフォーマンスも向上します。
パッケージ数が減ったことで、パッケージのリストが含まれるカスタム JumpStart スクリプトが簡素化されます
ソフトウェア機能を 1 つのパッケージにまとめるだけなので、パッケージシステムも簡素化されます
インストールするパッケージ数が少ないため、インストール時間が短縮されます
64 ビットパッケージの名前は、次の規則に基づいて変更されます。
64 ビットパッケージに対応する 32 ビットパッケージがある場合には、64 ビットパッケージには 32 ビットパッケージの名前が付きます。たとえば、/usr/lib/sparcv9/libc.so.1 などの 64 ビットライブラリは、以前は SUNWcslx パッケージで配布されていましたが、今後は SUNWcsl パッケージとして配布されます。64 ビットの SUNWcslx パッケージは配布されなくなります。
対応する 32 ビットパッケージがない場合は、名前から接尾辞「x」が削除されます。たとえば、SUNW1394x は SUNW1394 になります。
この変更により、64 ビットパッケージへの参照を削除するために、カスタム JumpStart スクリプトなどのパッケージインストールスクリプトの修正が必要になる場合があります。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、Solaris オペレーティングシステムをインストールする場合に、JumpStart インストール方式を使用して空のブート環境を作成できます。空のブート環境には、必要なときに備えて Solaris フラッシュアーカイブを格納しておくことができます。
詳細は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の第 8 章「カスタム JumpStart (リファレンス)」を参照してください。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、インストール時に限定ネットワークソフトウェアグループ (SUNWCrnet) を選択または指定することにより、有効なネットワークサービスが少なくても、よりセキュリティー保護されたシステムを構築できます。限定ネットワークソフトウェアグループでは、システム管理ユーティリティーとマルチユーザーのテキストベースコンソールが利用できます。SUNWCrnet は、ネットワークインタフェースを有効にします。インストール時に、ソフトウェアパッケージを追加したり、必要に応じてネットワークサービスを使用可能にすることによって、システムの構成をカスタマイズすることができます。
詳細は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、Solaris インストールプログラムにより、Virtual Table of Contents (VTOC) から既存のスライスをロードできます。インストーラのデフォルトのディスクレイアウトを使用するのではなく、インストール時にシステムの既存のディスクスライステーブルをそのまま使用できるようになりました。
Solaris 10 3/05 以降のリリースでは、Solaris インストールプログラムの新機能として、ブートディスクパーティションレイアウトが採用されています。ブートディスクパーティションのデフォルトのレイアウトは、Sun x86 ベースのシステムのサービスパーティションと調和します。このインストールプログラムを使用すれば、既存のサービスパーティションをそのまま使用できます。
デフォルトのブートディスクレイアウトには、次のパーティションが含まれます。
1 番目のパーティション – サービスパーティション (システムの既存サイズ)
2 番目のパーティション – x86 ブートパーティション (約 11M バイト)
3 番目のパーティション – Solaris オペレーティングシステムパーティション (ブートディスクの残りの領域)
このデフォルトのレイアウトを使用する場合は、Solaris インストールプログラムからブートディスクレイアウトの選択を要求されたときに、「デフォルト」を選択します。
サービスパーティションが現在作成されていないシステムに Solaris OS x86 ベースのシステムをインストールすると、Solaris インストールプログラムは新しいサービスパーティションを作成しません。このシステムにサービスパーティションを作成するには、最初にシステムの診断 CD を使用してサービスパーティションを作成してください。サービスパーティションを作成してから、Solaris オペレーティングシステムをインストールします。
サービスパーティションの作成方法については、お手元のハードウェアのマニュアルを参照してください。
詳細については、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』を参照してください。