次の表に、Solaris OS をインストールするための基本的なシステム要件の一覧を示します。
表 1–1 SPARC: メモリー、スワップ、およびプロセッサの推奨事項
要件 |
サイズ |
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インストールやアップグレードに必要なメモリー |
注 – オプションのインストール機能の中には、メモリーが十分でないと有効にできないものもあります。たとえば、DVD からインストールする場合にメモリーが不足していると、Solaris インストールプログラムの GUI ではなくテキストインストーラが使用されます。これらのメモリー要件の詳細は、表 1–2 を参照してください。 |
スワップ領域 |
注 – スワップ領域のカスタマイズが必要になる場合もあります。スワップ領域は、システムのハードディスクのサイズに基づいて決まります。 |
プロセッサ要件 |
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Solaris 10 Operating System DVD または Solaris 10 SOFTWARE - 1 CD に入っている Solaris インストールプログラムは、グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) で、あるいは対話式テキストインストーラとしてデスクトップセッションまたはコンソールセッションで、実行できます。x86 システムの場合、Solaris インストールプログラムに Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) が含まれています。
GUI - Solaris インストール GUI には、ウィンドウ、プルダウンメニュー、ボタン、スクロールバー、アイコン画像などがあり、これらを使ってインストールプログラムを操作できます。GUI には、ローカルまたはリモートの DVD-ROM ドライブか CD-ROM ドライブ、またはネットワーク接続、およびビデオアダプタ、キーボード、モニター、十分なメモリーが必要です。これらのメモリー要件の詳細は、表 1–2 を参照してください。
テキストインストーラ - Solaris の対話式テキストインストーラを使用すると、端末またはコンソールウィンドウに情報を入力してインストールプログラムを操作できます。テキストインストーラは、ウィンドウ表示環境のデスクトップセッションか、コンソールセッションで実行できます。テキストインストーラには、ローカルまたはリモートの DVD-ROM ドライブか CD-ROM ドライブ、またはネットワーク接続、およびキーボードとモニターが必要です。Solaris インストールテキストインストーラを tip コマンドで実行できます。詳細は、tip(1)のマニュアルページを参照してください。
ソフトウェアをインストールするときに、GUI を使用する方法、ウィンドウ表示環境を使用する方法、またはウィンドウ表示環境を使用しない方法を選択できます。十分なメモリーがある場合は、デフォルトで GUI が表示されます。GUI を表示できるだけの十分なメモリーがない場合は、デフォルトでその他の環境が表示されます。ブートオプション nowin または text を使用すると、デフォルト動作を変更できます。ただし、システムのメモリー量や遠隔インストールに関して制限されます。また、ビデオアダプタが検出されない場合、Solaris インストールプログラムは自動的にコンソールベースの環境で表示されます。表 1–2 に、これらの環境と、その表示に必要なメモリー要件を示します。
表 1–2 表示オプションとメモリー要件
メモリー |
インストールの種類 |
説明 |
---|---|---|
384 - 511M バイト |
テキストベース |
画像は含まれませんが、ウィンドウとほかのウィンドウを開く機能が提供されます。 text ブートオプションを使用している場合でシステムに十分なメモリーがあるときは、ウィンドウ表示環境でインストールされます。tip ラインを介してリモートでインストールする場合や、nowin ブートオプションを使用してインストールする場合は、コンソールベースのインストールに限定されます。 |
512 M バイト以上 |
GUI ベース |
ウィンドウ、プルダウンメニュー、ボタン、スクロールバー、およびアイコン画像が提供されます。 |
選択を入力するか、プロンプトに特別なコマンドを入力することで、インストールに使用するインストーラを指定することもできます。手順については、第 2 章Solaris インストールプログラムによる UFS ファイルシステムのインストール (作業)を参照してください。
ディスク容量の計画のたて方は、ユーザーによって異なります。必要に応じて、次の条件に基づいて割り当てる容量を考慮に入れてください。
表 1–3 ディスク容量とスワップ領域に関する一般的な計画
容量割り当ての条件 |
説明 |
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UFS ファイルシステムの場合 |
ファイルシステムを割り当てる場合には、将来の Solaris バージョンにアップグレードするときのために、現在必要な容量よりも 30% 多く割り当ててください。 デフォルトでは、ルート(/) とスワップ領域 (/swap) だけが作成されます。OS サービスのためにディスク容量が割り当てられたときは、/export ディレクトリも作成されます。Solaris のメジャーリリースにアップグレードする場合は、システムのスライスを切り直すか、インストール時に必要な容量の 2 倍を割り当てる必要があります。Solaris Update にアップグレードする場合は、将来のアップグレードに備えて余分のディスク容量を追加しておけば、システムのスライスを切り直す手間を軽減できます。Solaris Update リリースにアップグレードするたびに、直前のリリースに比べておよそ 10% のディスク容量が追加で必要になります。ファイルシステムごとに 30% のディスク容量を追加しておくと、Solaris Update を数回追加できます。 |
UFS ファイルシステムの /var ファイルシステム |
クラッシュダンプ機能 savecore(1M) を使用する場合は、/var ファイルシステムの容量を物理メモリーの倍のサイズに設定します。 |
スワップ |
注 – ZFS ルートプールのスワップの割り当てについては、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ZFS インストールのディスク容量要件」を参照してください。 UFS ファイルシステムの場合、次のような条件では、Solaris インストールプログラムはデフォルトのスワップ領域 (512M バイト) を割り当てます。
デフォルトでは、Solaris インストールプログラムは、利用可能な最初のディスクシリンダ (SPARC ベースのシステムでは通常シリンダ 0) でスワップが開始されるようにスワップ領域を割り当てます。この配置によって、デフォルトのディスクレイアウト時にはルート (/) ファイルシステムに最大の空間を割り当てることができ、アップグレード時にはルート (/) ファイルシステムを拡張できます。 将来スワップ領域を拡張することを考えている場合、次のいずれかの手順を実行してスワップスライスを配置することにより、別のディスクシリンダでスワップスライスを開始できます。
スワップ空間の概要については、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 20 章「追加スワップ空間の構成 (手順)」を参照してください。 |
ホームディレクトリファイルシステムを提供するサーバー |
ホームディレクトリは、通常デフォルトで /export ファイルシステムにあります。 |
インストールする Solaris ソフトウェアグループ |
ソフトウェアグループはソフトウェアパッケージの集まりです。ディスク容量を計画する際には、選択したソフトウェアグループから個々のソフトウェアパッケージを個別に追加したり削除したりできることを覚えておいてください。ソフトウェアグループの詳細は、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。 |
アップグレード |
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言語サポート |
中国語、日本語、韓国語などです。単一の言語をインストールする場合は、約 0.7G バイトのディスク容量をその言語用に追加して割り当ててください。すべての言語サポートをインストールする場合は、インストールするソフトウェアグループに応じて、最大で約 2.5G バイトのディスク容量を言語サポート用に追加して割り当てる必要があります。 |
印刷やメールのサポート |
容量を追加します。 |
追加ソフトウェアや Sun 以外のソフトウェア |
容量を追加します。 |
Solaris ソフトウェアグループは Solaris パッケージの集まりです。それぞれのソフトウェアグループには、異なる機能やハードウェアドライバのサポートが含まれています。
初期インストールの場合は、システムでどの機能を実行するかを考慮して、インストールするソフトウェアグループを選択します。
アップグレードの場合は、システムにインストールされているソフトウェアグループでアップグレードする必要があります。たとえば、システムにエンドユーザーシステムサポートソフトウェアグループがインストールされている場合には、開発者システムサポートソフトウェアグループにアップグレードするオプションはありません。ただし、アップグレード中に、インストール済みのソフトウェアグループに属していないソフトウェアをシステムに追加することはできます。
Solaris ソフトウェアのインストール時には、選択した Solaris ソフトウェアグループに対してパッケージを追加したり、削除したりすることができます。パッケージの追加や削除を行う場合には、ソフトウェアの依存関係や Solaris ソフトウェアがどのようにパッケージ化されているかを知っている必要があります。
次の図は、ソフトウェアパッケージのグループを示しています。Reduced Networking サポートには、最小限の数のパッケージが含まれています。全体ディストリビューションと OEM サポートには、すべてのパッケージが含まれています。
表 1–4 に、Solaris ソフトウェアグループ、およびそれぞれのグループのインストールに推奨されるディスク容量の一覧を示します。
表 1–4 の推奨ディスク容量には、次の項目の容量も含まれています。
スワップ領域
パッチ
追加のソフトウェアパッケージ
各ソフトウェアグループに必要なディスク容量は、この表に一覧表示されている容量より少ない場合があります。
ディスク容量の計画方法の詳細は、『Solaris 10 10/08 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ディスク容量とスワップ空間の割り当て」を参照してください。
ソフトウェアグループ |
説明 |
推奨ディスク容量 |
---|---|---|
全体ディストリビューションと OEM サポート |
全体ディストリビューションのパッケージに加え、追加のハードウェアドライバが含まれています。これには、インストール時にシステムに存在していないハードウェアのドライバも含まれます。 |
6.8G バイト |
全体ディストリビューション |
開発者システムサポートのパッケージに加え、サーバーに必要な追加のソフトウェアが含まれています。 |
6.7G バイト |
開発者システムサポート |
エンドユーザーシステムサポートのパッケージに加え、ソフトウェア開発用の追加のサポートが含まれています。ソフトウェア開発のサポートとして、ライブラリ、インクルードファイル、マニュアルページ、プログラミングツールなどが追加されています。ただし、コンパイラは含まれていません。 |
6.6G バイト |
エンドユーザーシステムサポート |
ネットワークに接続された Solaris システムと共通デスクトップ環境 (CDE) の起動と実行に必要な最小限のコードを提供するパッケージが含まれています。 |
5.3G バイト |
コアシステムサポート |
ネットワークに接続された Solaris システムの起動と実行に必要な最小限のコードを提供するパッケージが含まれています。 |
2.0G バイト |
限定ネットワークシステムサポート |
ネットワークサービスのサポートが限定された Solaris システムを起動および実行するために必要な最小限のコードを提供するパッケージが含まれています。Reduced Networking サポートは、テキストベースのマルチユーザーコンソールと、システム管理ユーティリティーを提供します。このソフトウェアグループを使用すると、システムでネットワークインタフェースを認識できますが、ネットワークサービスがアクティブになることはありません。 |
2.0G バイト |