インストール時に NFSv4 ドメイン名を指定するよう求められないようにするには、sysidcfg ファイルの nfs4_domain キーワードを使用します。このキーワードを使用すると、インストール処理時にドメイン名を選択しなくて済みます。構文は次のとおりです。
nfs4_domain=dynamic or custom_domain_name |
この予約されたキーワードは、ネームサービスの設定に基づいて NFSv4 ドメイン名を動的に取得します。次に例を示します。
nfs4_domain=dynamic |
この例では、ネームサービスからドメイン名を取得できます。
予約されたキーワード dynamic には、大文字小文字の区別がありません。
デフォルトでは、NFSv4 はシステムのネームサービスから自動的に取得されるドメイン名を使用します。ほとんどの構成では、このドメイン名で十分です。場合によっては、マウントポイントがドメイン境界を交差してしまい、ファイルの所有者が「nobody」のように見えることがありますが、これは、共通のドメイン名が存在しないからです。この事態を避けるために、デフォルトのドメイン名を無効にして、カスタムドメイン名を選択することができます。
この値は、デフォルトのドメイン名より優先されます。
この値は、有効なカスタムドメイン名でなければなりません。有効なドメイン名は、英数字、ドット、下線、ダッシュの組み合わせだけで構成されます。最初の文字は英字にする必要があります。次に例を示します。
nfs4_domain=example.com |
この例では、nfsmapid デーモンが使用する値が example.com になるように設定されます。この選択は、デフォルトのドメイン名より優先されます。
以前のリリースでは、スクリプトを使って、インストール時に NFSv4 ドメイン名の入力を求められないようにできました。
Solaris 10 OS での JumpStart インストールでは、対処用の JumpStart サンプルスクリプト set_nfs4_domain を使って、インストール時に NFSv4 プロンプトが表示されないようにできました。このスクリプトはもう必要ありません。代わりに、sysidcfg のキーワード nfs4_domain を使用します。
以前のリリースでは、sysidnfs4 プログラムによって /etc/.NFS4inst_state.domain ファイルが作成されました。このファイルは、インストール時に NFSv4 ドメイン名の入力を求めるプロンプトを抑制するものでした。このファイルはもう作成されません。代わりに、sysidcfg のキーワード nfs4_domain を使用します。