Solaris 10 10/08 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)

root_device プロファイルキーワード (UFS と ZFS)


注 –

root_device キーワードは、UFS ファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらのインストールにも使用できます。ZFS インストールの場合、このキーワードの使用は単一システムに制限されています。


root_device slice

root_device は、システムのルートディスクを指定します。「システムのルートディスクを決定する方法」に追加情報があります。


注 –

ルートディスクは、JumpStart プログラムによって決定され、OS がインストールされる場所を指定します。rules ファイルでは、プローブキーワード「rootdisk」を使用しますが、このキーワードは JumpStart プロファイルで使用される「rootdisk」キーワードとは使い方が異なります。rules ファイルのプローブキーワード「rootdisk」を使って、インストールの場所を設定することはできません。プローブキーワード rootdisk は、インストール時のブート元を決定します。表 8–10 を参照してください。


システムをアップグレードする場合、root_device は指定されるルート (/) ファイルシステムおよびその /etc/vfstab ファイルでマウントされるファイルシステムがアップグレードされることを示します。システム上で複数のルート (/) ファイルシステムがアップグレードできる場合は、root_device を指定する必要があります。slice は、cwtxdysz または cxdysz の形式で指定してください。

root_device キーワードを使用する場合は、次の点を考慮してください。


例 8–26 root_device プロファイルキーワード

root_device c0t0d0s2

システムのルートディスクを決定する方法

システムのルートディスクは、ルート (/) ファイルシステムを含むシステム上のディスクです。プロファイル内では、JumpStart プログラムがシステムのルートディスクを設定するディスク名の代わりに、この rootdisk 変数を使用できます。表 8–8 では、JumpStart プログラムがインストール用にシステムのルートディスクを決定する方法を説明します。


注 –

システムのルートディスクサイズが確認されるのは、初期インストール時だけです。アップグレードの場合、システムのルートディスクは変更できません。


表 8–8 JumpStart がシステムのルートディスクを決定する方法 (初期インストールのみ)

手順 

動作 

プロファイル内で root_device キーワードが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をルートデバイスに設定します。

プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、boot_device キーワードが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をブートデバイスに設定します。

プロファイル内で rootdisk が設定されていなくて、filesys cwtxdysz size / エントリが指定されている場合、JumpStart プログラムは rootdisk をエントリで指定されたディスクに設定します。

プロファイル内で rootdisk が設定されておらず、rootdisk.sn エントリが指定されている場合、JumpStart プログラムは、システムのディスクから、カーネルのプローブの順番で、指定されたスライス上の既存のルートファイルシステムを検索します。ディスクが見つかった場合、JumpStart プログラムは見つかったディスクに rootdisk を設定します。

プロファイル内で、rootdisk が設定されていなくて、partitioning existing が指定されている場合、JumpStart プログラムはシステムのディスクで、(カーネルのプローブ順で) 既存のルートファイルシステムを検索します。ルートファイルシステムが見つからなかった場合、あるいは複数のルートファイルシステムが見つかった場合は、エラーが発生します。ルートファイルシステムが見つかった場合、JumpStart プログラムは見つかったディスクに rootdisk を設定します。

プロファイル内で rootdisk が設定されていない場合、JumpStart プログラムは、ルート (/) ファイルシステムがインストールされるディスクに rootdisk を設定します。