Solaris 10 5/09 ご使用にあたって

アップグレード後にシステムが ypbind と通信できなくなる (6488549)

このバグは、Solaris 10 Hardware 2 リリースから最新の Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードする際に発生します。

Solaris 10 Hardware 2 リリースでは、NIS、NIS+、FILES、LDAP などの任意のネームサービスに対して name_service.xml ファイルは次のようになっています。


# ls -l name_service.xml
lrwxrwxrwx   1 root     root     10 Apr 10 16:26 name_service.xml -> ns_files.xml

ネームサービスが NIS の場合、name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。ただし、ns_files.xml の内容は ns_nis.xml の内容と同じです。


  # cat /etc/release
                     Solaris 10 3/05 HW2 s10s_hw2wos_05 SPARC
           Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc.  All Rights Reserved.
                        Use is subject to license terms.
                           Assembled 26 September 2005
  # cd /var/svc/profile
  # ls -l name_service.xml ns_files.xml ns_nis.xml
  lrwxrwxrwx   1 root   other    12 May 21 04:06 name_service.xml -> ns_files.xml
  -r--r--r--   1 root   sys     779 May 21 04:25 ns_files.xml
  -r--r--r--   1 root   sys     779 Jan 21  2005 ns_nis.xml
  #
  # diff ns_files.xml ns_nis.xml
  # diff name_service.xml ns_nis.xml

上記の出力で、ns_nis.xml ファイルと ns_files.xml ファイルは同じになっています。つまり、name_service.xml ファイルのシンボリックリンクが、間違ったネームサービスファイルを指しています。name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。代わりに、name_service.xml ファイルは ns_nis.xml にリンクするべきです。


注 –

CR 6411084 に対する修正は SUNWcsr インストールまたはインストール後スクリプトで行いますが、修正によって正しいリンクが作成されるのは、name_service.xml がリンクファイルでない場合のみです。Solaris 10 Hardware 2 リリースのように、name_service.xml がすでにシンボリックリンクファイルになっている場合、CR 6411084 に対する修正は機能しません。


Solaris 10 Hardware 2 から最新の Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードした後、次のメッセージがコンソールに表示されるか、メッセージファイルに記録されます。


Oct 23 12:18:45 vt2000a automount[301]: [ID 366266 daemon.error] 
can't read nis map auto_master: can't communicate with ypbind - retrying 

また、/network/nis/client:default サービスがオフラインになります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。