Solaris 10 5/09 ご使用にあたって

第 1 章 インストールに関する注意事項とバグ情報

この章では、Solaris 10 オペレーティングシステムのインストールに関連した情報と問題について説明します。


注 –

修正されて Solaris 10 5/09 ソフトウェアに適用されなくなったバグと問題については、付録 A Solaris 10 オペレーティングシステムで統合された解決済みバグの表を参照してください。


一般情報

ここでは、Solaris 10 OS での動作の変更点など、一般的な情報について説明します。

BIOS およびファームウェアのアップグレード

Solaris 10 5/09 リリースは、次の最新の組み合わせを実行するサポート対象のすべての Sun システムでテストされています。

Solaris 10 5/09 リリースを使用して最良の結果を得るためには、使用している BIOS/ファームウェアを最新リリース (http://www.sun.com/bigadmin/patches/firmware/release_history.jsp の表に記載されている) にアップグレードしてください。

新しいメモリー要件

Solaris 10 5/09 リリースの最小および推奨メモリー要件を次に示します。

Solaris リリースのアップグレードサポートの変更

SPARC システムの場合、Solaris 10 8/07 リリース以降にアップグレードできるのは、次のリリースの Solaris OS だけです。

x86 システムの場合、アップグレードできるのは、次のリリースの Solaris OS だけです。

Solaris 8 より前のリリースのソフトウェアを Solaris 10 5/09 ソフトウェアにアップグレードする場合は、最初に上記のいずれかのリリースにアップグレードしてください。そのあとに、Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードしてください。

Solaris OS 以外の製品のサポート

Solaris 10 5/09 は、Solaris の互換性保証に沿って以前のリリースとの互換性についてテスト済みです。このことは、Solaris の公開されている ABI に準拠するアプリケーション (他社製のアプリケーションを含む) が Solaris 10 5/09 で修正なしに動作することを意味します。詳細は、Solaris アプリケーション保証プログラム (http://www.sun.com/software/solaris/guarantee.jsp) を参照してください。

Solaris ソフトウェアに含まれないほかの製品を Solaris OS とともにシステムで実行する場合があります。このような製品には、Sun よって提供されるものと、他社によって提供されるものがあります。このシステムを Solaris 10 リリースにアップグレードする場合は、このようなほかの製品が Solaris 10 OS でもサポートされることを確認してください。これらの各製品の状態に応じて、次のどちらかの方法を実行できます。

始める前に

ここでは、Solaris 10 OS のインストールまたは Solaris 10 OS へのアップグレードを行う前に知っておく必要がある重要な問題点について説明します。このような問題点による影響で、インストールやアップグレードが正常に完了しない場合があります。ここで説明する問題点が使用しているシステムに該当する場合は、インストールやアップグレードを行う前に、推奨される回避方法を実行する必要があります。

Solaris Live Upgrade と Solaris ゾーン

Solaris 10 8/07 リリース以降では、Solaris ゾーンに Solaris Live Upgrade を使用できます。この詳細は、InfoDoc 206844 (http://sunsolve.sun.com/search/document.do?assetkey=1-61-206844-1) を参照してください。

Solaris Live Upgrade に関する制約事項

Solaris Live Upgrade が正しく動作するためには、使用する OS バージョンに特定のパッチリビジョンのセットをインストールする必要があります。http://sunsolve.sun.com を参照して、最新のパッチリストを使用しているかどうか確認してください。Solaris 10 5/09 リリースには、Solaris Live Upgrade に関する次の制約事項があります。

これらのパッチには、新しい p7zip 機能が備わっています。Solaris 10 5/09 へのアップグレードをサポートするためには、Solaris Live Upgrade に p7zip 機能が必要です。


注 –

Solaris Live Upgrade を使用する前に、Infodoc 206844 (http://sunsolve.sun.com/search/document.do?assetkey=1-61-206844-1) に記載された、ライブブート環境に最低限必要なパッチ情報を参照してください。


ZFS ファイルシステムのゾーンルートでの Solaris Live Upgrade の使用

Solaris 10 5/09 リリースには、ZFS ルートファイルシステムをインストールし、ZFS 上にゾーンルートを構成する機能が備わっています。通常、ゾーンルートは必要に応じて ZFS 上に作成および構成することができます。ZFS とゾーンの構成で Solaris Live Upgrade を使用する場合は、次の情報を確認してください。

Solaris 10 5/09 リリースでアップグレードまたはパッチ適用されるサポートされているゾーン構成の詳細については、『Solaris ZFS Administration Guide』「Migrating a UFS Root File System to a ZFS Root File System (Solaris Live Upgrade)」を参照してください。

これらの構成の設定方法の詳細は、『Solaris ZFS 管理ガイド』「ZFS をサポートするための Solaris インストールと Solaris Live Upgrade の要件」を参照してください。

ZFS ルートファイルシステムへの移行を開始する場合、または ZFS ルートファイルシステムが含まれているシステムでゾーンを設定する場合は、この章に記載された情報をよく確認してから行なってください。推奨手順に正確に従って ZFS ルートファイルシステムが含まれているシステムにゾーンを設定して、そのシステムで確実に Solaris Live Upgrade を使用できるようにしてください。

ラベル付きゾーンが構成された Solaris Trusted Extensions システムのアップグレード

Solaris Trusted Extensions が構成された Solaris システムでは、非大域ゾーンが使用されます。これらのシステムのアップグレード方法は、ゾーンを使用する Solaris システムのアップグレード方法と同じであり、注意事項も同じです。

SPARC および x86 マシン上のミニルートへのパッチの適用

SPARC および x86 マシン上のミニルートにパッチを適用する場合に、C ターゲット指定子を指定して -patchadd を使用する手順が変更されています。変更後の手順では、ミニルートを展開し、パッチを適用してから、ミニルートを再度パッケージ化する必要があります。

詳細な手順については、次のトピックを参照してください。

Solaris 10 Update の Solaris Data Encryption Supplement

Solaris 10 8/07 リリース以降、Solaris 10 OS ソフトウェアには Solaris Data Encryption Supplement パッケージがデフォルトで含まれています。これらのパッケージをダウンロードしてインストールする必要はなくなりました。

Solaris 10 5/09 リリース用の GNOME ディスプレイマネージャーパッチをインストールするときに必要な追加手順

次のパッチは、CR 6277164 および CR 6214222 で報告されている問題を解決するためのパッチです。

次の節では、それら報告済みの問題を完全に解決するために必要な追加手順について説明します。詳細は、これらのパッチのパッチ README の Special Install Instructions セクションをお読みください。

x86: elx または pcelx NIC を備えたシステムでネットワーク構成が失敗する

elx または pcelx ネットワークインタフェースカード (NIC) を備えたシステムでは、インストールが失敗します。NIC の構成中に、次のエラーメッセージが表示されることがあります。


WARNING: elx: transmit or jabber underrun: d0<UNDER, INTR, CPLT>

詳細は、elxl(7D) または pcelx(7D) のマニュアルページを参照してください。

回避方法: elx または pcelx NIC を使用していないシステムにインストールして実行してください。

/var ファイルシステムのデフォルトのサイズが不十分

/var ファイルシステムが別のスライスに置かれている場合は、/var ファイルシステムのデフォルトのサイズが不十分なことがあります。

/var ファイルシステムのスライスサイズを手動で大きくする必要があります。


注 –

/var ファイルシステムが別のスライスやパーティションに置かれていない場合、この問題は発生しません。


回避方法: 次のいずれかを選択してください。

x86: BIOS バージョン GG.06.13 の Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリーズのシステムをアップグレードできない

Solaris 10 ソフトウェアには、大きなパーティションをインストールできる機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。このことはほかの HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法: 最新の BIOS バージョン GG.06.13 の HP Vectra XU シリーズシステムを Solaris 10 リリースにアップグレードしないでください。Solaris 10 リリースでは、これらのシステムはサポートされていません。

ブートフロッピーディスクまたはブート CD を使用すれば、ブートにハードディスクコードを使用しないので、システムをブートすることができます。その後、ブート可能デバイスとして、ネットワークまたは CD-ROM ドライブではなくハードディスクを選択してください。

SPARC: 古いファームウェアでは、ブート用 Flash PROM を更新する必要がある

SPARC ベースのシステムでは、Solaris 10 OS は 64 ビットモードでのみ動作します。一部の Sun4UTM システムでは、OS を 64 ビットモードで実行するために、Flash PROM 内の OpenBootTM ファームウェアを高いレベルに更新する必要があります。次のシステムでは、Flash PROM の更新が必要となる場合があります。

次の表に、UltraSPARC システムと、64 ビットの Solaris 10 OS を実行するために必要な最小限のファームウェアバージョンを示します。システムタイプは、uname -i コマンドを実行して確認できます。実行中のファームウェアバージョンは、prtconf -V コマンドを実行して確認できます。

表 1–1 UltraSPARC システム上で 64 ビット Solaris ソフトウェアを実行するために必要なファームウェアバージョン

システムタイプ (uname -i で出力される)

必要最小限のファームウェアバージョン (prtconf -V で出力される)

SUNW,Ultra-2 

3.11.2 

SUNW,Ultra-4 

3.7.107 

SUNW,Ultra-Enterprise 

3.2.16 

この表に記載されていないシステムでは、Flash PROM を更新する必要はありません。Flash PROM を更新する方法については、 http://docs.sun.com で『Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』のいずれかの版を参照してください。


注 –

SPARC システムと x86 システムの両方でファームウェアをアップグレードすると、パフォーマンスが著しく向上する可能性があります。BigAdmin Patching Center (http://www.sun.com/bigadmin/patches/overview.jsp) の Firmware の節を参照してください。また、FAQ (http://www.sun.com/bigadmin/patches/firmware/faq.jsp) も参照してください。


旧バージョンの Solaris 管理コンソールソフトウェアは Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアと互換性がない

Solaris 管理コンソール 2.1 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris 管理コンソール 1.0、1.0.1、1.0.2 ソフトウェアと互換性がありません。Solaris 管理コンソール 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 10 リリースおよびその互換バージョンにアップグレードする場合は、Solaris 管理コンソールソフトウェアをアンインストールする必要があります。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris 管理コンソールソフトウェアが存在している可能性があります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

x86: BIOS デバイスのユーティリティーに障害が発生すると、インストールまたはアップグレードを完了できない (6362108)

特定の状況において、BIOS デバイスのユーティリティー (/sbin/biosdev) に障害が発生し、インストールまたはアップグレードが正常に行われないことがあります。このエラーは、次のいずれかの状況で発生する可能性があります。

次のエラーメッセージが表示されます。


biosdev: Could not match any!!

回避方法: パッチ ID 117435-02 を適用したあとは、必ずシステムをリブートしてください。インストールまたはアップグレードに使用される同一のディスクが、異なる fdisk パーティションレイアウトで構成されていることを確認してください。

次の例で使用するシステムには、同じ fdisk パーティションレイアウトで構成される 2 つのディスクが含まれています。これらのレイアウトを変更するには、次の手順を実行します。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. ディスク管理ユーティリティーを起動します。


    # format
    

    システム上で使用できるディスクのリストが表示されます。

  3. fdisk パーティションを変更するディスクを選択するために、ディスクの番号を入力します。

  4. 「Format」オプションのリストから、「fdisk」を選択します。

    ディスクのパーティション情報と fdisk オプションのリストが表示されます。

  5. ディスクのレイアウトを変更するために、次のいずれかの方法を選択します。

    • 別のアクティブパーティションを指定する場合は、2 を押します。

    • 別のディスクパーティションを追加する場合は、1 を押します。

    • 未使用のパーティションを削除する場合は、3 を押します。

  6. 変更を保存して fdisk メニューを終了するには、5 を押します。

  7. ディスク管理ユーティリティーを終了するには、「Format」オプションから「Quit」を選択します。

  8. システムを再起動します。

  9. システムをリブートしたあとに、エラーメッセージが表示されなくなったことを確認します。スーパーユーザーとして、次のコマンドを入力します。


    # /sbin/biosdev
    

    それでもエラーメッセージが生成される場合は、前記の手順を繰り返します。ただし、手順 5 では別のオプションを選択してください。

  10. 同一の fdisk パーティションレイアウトを持つ同一のディスクがほかにもシステムに含まれている場合は、それらのディスクに対して手順 1 - 9 を繰り返します。そのようなディスクがない場合は、Solaris のインストールまたはアップグレードを続行できます。

Solaris ゾーンがインストールされている場合に、Solaris Flash アーカイブを作成できない (6246943)

最新の Solaris リリースから、非大域ゾーンがインストールされているときに、Solaris Flash アーカイブを適切に作成できなくなっています。Solaris Flash 機能は、最新のリリースでは Solaris コンテナ (ゾーン) 機能との互換性を持っていません。

flar create コマンドを使用して、次の環境に Solaris Flash アーカイブを作成しないでください。

このような環境に Solaris Flash アーカイブを作成すると、配置したアーカイブが適切にインストールされないことがあります。

回避方法: インストールされているゾーンがすべて停止している場合は、それらのゾーンを含むシステムの Solaris Flash アーカイブを作成で る可能性があります。詳細は、http://opensolaris.org/os/community/zones/faq/flar_zones/ を参照してください。

x86: Sun Java Workstations 2100Z では、Solaris 10 Operating System DVD からのブート時にパニックが発生することがある (6214356)

Sun Java Workstation 2100Z の DVD コンボドライブのファームウェアが原因で、システムパニックが発生することがあります。このパニックは、ワークステーションを Solaris 10 Operating System DVD からブートするときに発生します。カーネル起動画面が表示されたあと、次のメッセージがごく短時間に表示されます。


panic[cpu0]/thread=fec1be20: mod_hold_stub: 
Couldn't load stub module sched/TS_DTBL
fec25cb0 genunix:mod_hold_stub+139 (fec04088, 63, fea11)
fec25cc4 unix:stubs_common_code+9 (1, 8, fec026e4)
fec25ce4 unix:disp_add+3d (fec026dc)
fec25d00 genunix:mod_installsched+a4 (fef01530, fef01518)
fec25d20 genunix:mod_install+2f (fef01518, fec25d3c,)
fec25d2c TS:_init+d (0, d6d89c88, fec25d)
fec25d3c genunix:modinstall+d9 (d6d89c88)
fec25d50 genunix:mod_hold_installed_mod+2e (d6d77640, 1, fec25d)
fec25d7c genunix:modload+ac (fec026c4, fec26c4)
fec25d98 genunix:scheduler_load+3d (fec026c4, fec026dc)
fec25db4 genunix:getcid+50 (fec026c4, fec28514)
fec25dcc unix:dispinit+df (fec25ddc, fe814ba9)
fec25dd4 unix:startup_modules+d5 (fec25dec, fe8cac37)
fec25ddc unix:startup+19 (fe800000, 166130, 7)
fec25dec genunix:main+16 ()

その後、システムが自動的にリセットされます。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

回避方法 1: BIOS の構成設定の一部を変更します。この一時的な回避方法によって、Solaris 10 のインストールを完了できます。ただし、この方法では、DVD の読み取りパフォーマンスが低下することがあります。次の手順を実行します。

  1. システムのブート中に、プロンプトで F2 キーを押してセットアップモードに入ります。

    画面には、次のような接続タイプのオプションが表示されます。


    Primary Master [ ]
    Primary Slave [ ]
    Secondary Master [CD-ROM]
    Secondary Slave [ ]
  2. DVD ドライブの接続タイプを選択するために、CD-ROM 用の接続タイプを選択します。


    注 –

    システムに光学式ドライブが複数ある場合など、画面に CD-ROM 用の接続タイプが複数表示されることがあります。そのような場合は、システムのケースを開き、DVD ドライブの接続点を調べる必要があります。必ず DVD ドライブに適した接続タイプを選択してください。


  3. 適切な CD-ROM 接続タイプを選択したら、Enter キーを押します。

    次に表示される画面では、Type:[Auto] が自動的に選択されています。

  4. スペースバーを 2 回押して選択を Type:[CD-ROM] に変更します。

  5. 矢印キーを使用して「Transfer Mode」を選択します。

  6. Enter キーを押して、「Transfer Mode」のほかのオプションを一覧表示します。

  7. 矢印キーを使用して「Standard」を選択し、Enter キーを押して確定します。

  8. F10 キーを押して、構成の変更を保存し、BIOS セットアップを終了します。

    システムが再起動します。

回避方法 2: DVD コンボドライブのファームウェアを v1.12 に更新します。この回避方法を実行するには、Microsoft Windows が稼働しているシステムに DVD コンボドライブを接続する必要があります。次の手順を実行します。

  1. DVD コンボドライブを Sun Java Workstation 2100z から取り外します。ドライブを正しく取り外す手順については、ワークステーションのユーザーガイドを参照してください。

  2. Microsoft Windows が稼働しているシステムにドライブを接続します。必要な場合は必ず、マスターおよびスレーブのジャンパ設定を変更してください。

  3. AOpen のダウンロードセンター (http://download.aopen.com.tw/default.aspx) を参照します。

  4. 次の情報を使用して、使用している DVD ドライブのファームウェアを検索します。

    • Product: Combo drives

    • Model: COM5232/AAH

    • Categories: Firmware

  5. ファームウェアバージョン R1.12 をダウンロードし、インストールします。

  6. ドライブをワークステーションに再び取り付けます。必要に応じて、マスターおよびスレーブのジャンパ設定を元に戻します。


注 –

このサイトには、これよりも新しいバージョンのファームウェアが用意されている可能性もあります。Sun のテストでは、パニックの問題は v1.12 リリースで解決されることが確認されています。v1.12 より新しいバージョンのファームウェアでも同様にこの問題が解決されるかどうかは、Sun では確認できません。


x86: 一部の Sun Fire システムでは、シリアルコンソールが動作しない (6208412)

次の Sun Fire システムでは、デフォルトではシリアルコンソール (ttya) が動作しません。

シリアルコンソールを使用するには、システムの BIOS を手動で設定する必要があります。

回避方法: この回避方法を実行するには、システムに Sun キーボードとディスプレイモニターが必要です。次の手順を実行します。

  1. マシンをブートします。

  2. システムのブート中に、プロンプトで F2 キーを押して Phoenix BIOS にアクセスします。

  3. 「Peripherals」で、通信ポートを「disabled」から「enabled」に変更します。

  4. 設定を保存し、システムをブートします。

  5. eeprom コマンドを使用して、入力デバイスと出力デバイスを ttya に変更します。


注 –

これらのシステムでは、システムのブート中に Stop キーと N キーを押しても、低レベルのファームウェアをデフォルトの設定にリセットすることはできません。


x86 fdisk ブートパーティションがすでに存在しているシステムでは、Solaris GUI インストールプログラムが失敗する場合がある (6186606)

x86 ブートパーティションがすでに存在しているシステムでは、Solaris GUI インストールプログラムが失敗する場合があります。既存の x86 ブートパーティションが Solaris GUI インストールプログラムで作成された場合に、この失敗が発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


Default layout will not work on this system.
Error:
Error: ERROR: Could not create explicit fdisk partition on c0t0d0,
requested cylinders 14581 - 14597 in use by fdisk partition 1
Error:
Error: ERROR: System installation failed
Pfinstall failed. Exit stat= java.lang.UNIXProcess@a89ce3 2 
artition on c0t0d0, requested cylinders 14581 - 14597 in use by fdisk
partition 1  ERROR: System installation failed

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

回避方法 1: インストールプログラムで、インストールの種類を選択するよう求めるプロンプトが表示されたら、「3 Solaris Interactive Text (Desktop Session)」を選択します。

回避方法 2: Solaris GUI インストールプログラムを使用している場合は、次の手順を実行します。

  1. インストールを開始します。

  2. インストールの種類を選択するよう求めるプロンプトで、「カスタムインストール」を選択します。

    カスタムインストールのパネルでは、インストールするロケール、ソフトウェア、およびディスクに関する情報を入力するよう求められます。

  3. システムに応じて、これらの画面の質問に適切に回答します。

  4. Fdisk の選択画面で、x86boot パーティションが含まれているディスクにチェックマークを付けます。

  5. プルダウンメニューで x86boot パーティションを「UNUSED」に変更して、このパーティションを削除します。

  6. x86boot パーティションを「UNUSED」から元の「x86boot」に変更して、このパーティションを追加します。

  7. インストールを続行します。

インストールに関する注意事項とバグ情報

Solaris 10 OS のインストール時またはインストール後に発生するバグ情報について説明します。

ローカライズされたインストールに関する注意事項

ローカライズされた Solaris インストーラは、常に EUC または ISO8859 ロケールで実行されます。このため、インストールログは EUC または ISO8859 エンコーディングで作成されます。

回避方法: 端末を介してローカライズされた CLI (コマンド行インタフェース) インストールを実行している間は、端末のロケールを EUC または ISO8859 ロケールにする必要があります。

SPARC: Solaris 10 5/09 に対して WAN ブートインストールが失敗する

Solaris 10 5/09 リリースから WAN ブートイメージをインストールするときに、インストールが失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。


boot_file=/wanboot/wanboot.u-137111-04
root_file=/miniroot/miniroot.s10-1008

回避方法: インストールを続行するには、Solaris 10 5/09 ミニルートイメージにパッチを適用する必要があります。ネットワークインストールミニルートイメージにパッチを適用するには、次の手順を実行します。


注 –

次の手順では、ネットワーク上に Solaris 最新リリースが実行されているシステムがあり、そのシステムにネットワークを経由してアクセスできると仮定しています。


  1. Solaris 最新リリースが実行されているシステム上で、スーパーユーザーとしてログインするか、同等の役割になります。

  2. 作成したインストールイメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd install-server-path/install-dir-path/Solaris_10/Tools
    
    install-server-path

    たとえば /net/installserver-1 のように、ネットワーク上のインストールサーバーシステムへのパスを指定します。

  3. 新しいインストールイメージを作成し、そのイメージを Solaris 最新リリースが実行されているシステム上に置きます。


    # ./setup_install_server remote_install_dir_path
    
    remote_install_dir_path

    新しいインストールイメージを作成する Solaris 最新リリース上のパスを指定します。

    このコマンドにより、Solaris 最新リリース上に新しいインストールイメージが作成されます。このイメージにパッチを適用するには、このイメージを Solaris 最新リリースが実行されているシステム上に一時的に置きます。

  4. Solaris 最新リリース上で、ネットワークインストールのブートアーカイブを展開します。


    # /boot/solaris/bin/root_archive unpackmedia remote_install_dir_path \
     destination_dir
    
    remote_install_dir_path

    Solaris 最新リリース上のネットワークインストールイメージへのパスを指定します。

    destination_dir

    展開されたブートアーカイブを含むディレクトリのパスを指定します。

  5. Solaris 最新リリース上で、展開したブートアーカイブにパッチを適用します。


    # patchadd -C destination_dir path-to-patch/patch-id
    
    path-to-patch

    たとえば /var/sadm/spool のように、追加するパッチのパスを指定します。

    patch-id

    適用するパッチ ID を指定します。

    patchadd -M コマンドを使用すると、複数のパッチを指定できます。詳細については、patchadd(1M) のマニュアルページを参照してください。


    注意 – 注意 –

    patchadd -C を使用する前には必ず、パッチの README を読むか、ご購入先におたずねください。


  6. Solaris 最新リリース上で、ブートアーカイブを作成します。


    # /boot/solaris/bin/root_archive packmedia remote_install_dir_path \
     destination_dir
    
  7. パッチを適用したアーカイブをインストールサーバー上のインストールイメージにコピーします。


    # cd remote_install_dir_path
    # find boot Solaris_10/Tools/Boot | cpio -pdum \
      install-server-path/install_dir_path
    

x86: Solaris 10 10/08 より前のリリースで Solaris Flash アーカイブのインストールが失敗する (6735181)

Solaris 10 10/08 より前のリリースの Solaris Flash アーカイブをインストールしようとすると、アーカイブのインストールに失敗します。Solaris 10 10/08 以降のリリースでは、Solaris 10 10/08 以降のアーカイブであればインストールできます。 次のエラーメッセージが表示されます。


bootadm: biodev command failed for disk:
/dev/dsk/<c0t2d0s0>.
bootadm: 1s_bootdisk(): cannot determine BIOS disk ID "hd?" for disk:
/dev/dsk/<c0t2d0s0>
bootamd: get_grubroot(): cannot get (hd?, ?,?) for menu. menu not on bootdisk:
/dev/rdsk/<c0t2d0s0>

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

SPARC: WAN ブートプログラムを使用してインストールメディアから直接ブートすると失敗する (6734066)

次のコマンドを使用してシステムをブートしようとすると、インストールに失敗します。


# boot  -F wanboot -vV -o prompt

その結果、システムパニックが発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


wanboot: panic - boot: can't alloc ramdisk memory

この問題は、Sun4u と Sun4v の両プラットフォームタイプで発生します。この問題は、Solaris 10 10/08 リリースで起こりました。

回避方法: wanboot プログラムを使用してシステムをブートしないでください。代わりに、インストールメディアから直接システムをブートしてください。

一部のアジア語ロケールがカスタム JumpStart に使用できない (6681454)

カスタム JumpStart によるインストール中に、th_TH.ISO8859-11、th_TH.TIS620、ko_KR.EUC、ko_KR.UTF-8、zh_TW.EUC、zh_CN.EUC、zh_CN.GBK、zh_CN.UTF-8 などの一部のアジア語ロケールを使用できません。system_locale キーワードを使用してロケールを sysidcfg ファイル内に設定しているときに、次のエラーメッセージが表示されます。


xx_xx.xxxxx is not a valid system locale

JumpStart によるインストールが停止され、対話式インストールが開始します。

回避方法: 長いロケール名ではなく、短めのロケール名 (th_TH、ko、ko.UTF-8、zh_TW、zh、zh.GBK、zh.UTF-8 など) を使用します。

PRODRM に Solaris Trusted Extensions の prodreg エントリの削除にかかわる問題がある (6616592)

Solaris Trusted Extensions を Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースから Solaris 10 10/08 リリースまたは最新の Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードする間に、Solaris Trusted Extensions の prodreg エントリが削除されません。エラーメッセージは表示されません。

回避方法: Solaris Trusted Extensions を最新のリリースにアップグレードしたあとで、次のように手動で prodreg エントリを削除してください。


# prodreg unregister -f -r -u "Solaris Trusted Extensions" -i 1

x86: NVidia SATA コントローラで ATAPI デバイスがサポートされない (6595488)

Solaris 10 5/09 リリースに含まれている NVidia SATA コントローラ MCP55 および CK804 チップセット用のドライバで ATAPI CD/DVD デバイスがサポートされません。

SATA CD/DVD デバイスを使用したシステムのインストールまたはアップグレード中に、Solaris インストーラが起動し、機能しているように見えますが、次のエラーメッセージを表示して失敗します。


ERROR: The disc you inserted is not a Solaris OS CD/DVD

または


There were problems loading the media from /cdrom

通常のシステムオペレーション中に、SATA CD/DVD ドライブが設定されず、使用できません。

回避方法: USB CD/DVD を使用します。

Sun アップグレードの詳細なパッチ解析のパネルはスクロールできない (6597686)

Solaris のアップグレード中、削除されるパッチを確認するために「Detailed Analysis」を選択するとパッチがパネルに表示されますが、このパネルはスクロールできません。削除されるパッチの完全なリストは表示できません。

回避方法: analyze_patches スクリプトを手動で実行します。


# cd <cdrom>/Solaris_10/Misc
# ./analyze_patches -R rootdir -N netdir -D databasedir

コマンドのオプションは次のとおりです。

-R rootdir

rootdir は、インストールされたシステムのルートです。デフォルトのルートディレクトリは / です。

-N netdir

netdir は、インストールする OS イメージのルートへのパスです。デフォルトのパスは /cdrom/cdrom0 です。netdir は、Solaris_10_606 ディレクトリを含んでいるディレクトリへのパスです。NFS マウントポイントから patch_analyzer を実行する場合は、このオプションを使用する必要があります。

-D databasedir

OS イメージ内の /Misc ディレクトリ以外のディレクトリからスクリプトを呼び出す場合、プログラムはパッチ解析に使用するデータベースを見つけることができません。-D オプションを使用して、データベースへのパスを指定してください。このデータベースは OS イメージの Solaris_10_606/Misc/database ディレクトリにありますが、これが見つからないとスクリプトは正しく動作しません。

キーボードが接続されていない場合でもキー配列を選択する必要がある (6593071)

Solaris シリアルインストールの間、システムにはキーボードが接続されていませんが、キー配列の選択を求めるプロンプトが表示されます。

回避方法: キー配列を選択します。キーボードを接続したときに、必要に応じて kbd コマンドを -s オプションとともに使用すれば、キー配列を変更できます。

dev_info ノードに親のデータがないため PCIe にパニックが発生する (6517798)

driver.conf ファイルが parent 属性を使って変更されている場合、NULL ポインタ間接参照によって Solaris OS にパニックが発生することがあります。次のエラーメッセージが表示されます。


System panic: BAD TRAP: type=31 rp=2a101d31200 addr=8 mmu_fsr=0 
occurred in module "pcie" due to a NULL pointer dereference

回避方法: PCI Express (PCIe) ベースの SPARC システムに Solaris 10 5/09 OS をインストールする場合は、まず driver.conf ファイルが変更されているかどうかを次の手順で確認します。

  1. /kernel/drv ディレクトリに移動します。

  2. driver.conf ファイルに parent 属性が設定されているかどうかを確認します。parent 属性が設定されている場合で、親の最後のノードに pci というワードが含まれているときは、その行をコメントにします。必ずプロパティー全体をコメントにしてください。次に例を示します。


    # name="ACME,simple" parent="/pci@7c0/pci@0/pci@9"
    # unit-address="3,1" debug-mode=12;
    name="ACME,example" parent="pseudo" instance=1;
    name="ACME,scsi" parent="/pci@7c0/pci@0/pci@9/scsi"
    unit-address="3,1" debug-mode=12;
  3. 次のディレクトリにある driver.conf ファイルに対して、手順 2 を繰り返します。

    • /usr/kernel/drv

    • /platform/`uname -i`/drv

    • /platform/`uname -m`/drv

  4. Solaris 10 5/09 OS をインストールします。

  5. パッチ 127747-01 をインストールします。

  6. 手順 1 および 3 に示されたディレクトリに移動します。手順 2 でコメントにした driver.conf ファイル内の行をすべてコメント解除します。

Solaris OS のインストール後、Linux パーティションが GRUB メニューに表示されない (6508647)

ディスクに Linux がインストールされている場合、別のパーティションに Solaris OS をインストールすると、Linux パーティションは GRUB メニューに表示されません。エラーメッセージは表示されません。

回避方法: GRUB メニューの menu.lst ファイルを編集して、Linux を GRUB メニューに追加します。次の手順を実行します。

  1. Solaris OS をブートします。

  2. /boot/grub/menu.lst にある menu.lst ファイルを編集します。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

x86: メモリーが 512M バイトのシステムでインストールがハングアップする (6423854)

512M バイトのシステム上でのインストールは、次の条件のときにメモリーが不足してハングアップすることがあります。

利用可能なメモリーが使い果たされると、GUI インストール処理は速度が低下し、最終的に失敗します。ウィンドウ環境への表示が正しく行われません。

回避方法:

この問題を回避するには、最初にインストールを開始するときに非ウィンドウ環境を選択してください。インストールメディアから起動しているときに、次のメニューが表示されます。


-----------
 1.     Solaris Interactive (default)
 2.     Custom JumpStart
 3.     Solaris Interactive Text (Desktop session)
 4.     Solaris Interactive Text (Console session)
 5.     Apply driver updates
 6.     Single user shell
 Enter the number of your choice.
 -----------

このとき、「4. Solaris Interactive Text (Console session)」を選択します。この非ウィンドウ環境ではテキストのみのインストールが開始され、大量のメモリーを消費するプロセスは発生しません。

x86: インストール時の無効な /sbin/dhcpinfo エラー (6332044)

x86 ベースのシステムに Solaris 10 5/09 OS をインストールすると、次のエラーメッセージが表示されます。


/sbin/dhcpinfo: primary interface requested but no primary interface is set

このエラーはインストールには影響がなく、インストールは成功します。

回避方法: このエラーメッセージは無視してください。

x86: CD メディアからインストールしてリブートを選択したあとに、ハングアップしているように見える (6270371)

CD メディアを使用して Solaris インストールプログラムを実行しているときに、問題が発生することがあります。Solaris 10 5/09 SOFTWARE CD - 4 から Solaris ソフトウェアをインストールしたあとに、次のプロンプトが表示されます。


Press Reboot now to continue.

「Reboot」を押しても、システムが応答しない場合があります。インストールは成功します。ただし、このエラーにより、インストールプログラムが正常に終了しません。つまり、標準のインストール後クリーンアップとシステムリブートを実行することができません。

次の例のようなエラーメッセージが、/tmp/disk0_install.log ファイルに記録されます。


Exception in thread "Thread-70" java.lang.IndexOutOfBoundsException:
Index: 6, Size: 5
     at java.util.ArrayList.add(ArrayList.java:369)
     at
com.sun.wizards.core.WizardTreeManager.
actualExitButtonPressed(WizardTreeManager.java:1499)
     at
com.sun.wizards.core.WizardTreeManager.
exitButtonPressed(WizardTreeManager.java:1486)
     at
com.sun.wizards.core.AutonextController.
run(AutonextController.java:736)
     at
java.lang.Thread.run(Thread.java:595)

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

x86: カスタム JumpStart インストールのあと、システムのブートが失敗する (6205478)

カスタム JumpStart インストール方式を使用して x86 ベースのシステムへのインストールを行う場合は、スライス 2 をオーバーラップスライスとして明示的に構成すると、エラーが発生します。インストールの完了後に、システムが正常にリブートされません。次のエラーメッセージが表示されます。


Cannot find Solaris partition

オーバーラップスライス 2 (c0t0d0s2 など) は、シリンダ 0 ではなくシリンダ 1 から始まるように設定されるので、この失敗が発生します。

回避方法: カスタム JumpStart プロファイルで、スライス 2 をオーバーラップスライスとして構成する filesys キーワードエントリを削除します。たとえば、次のようなキーワードエントリを削除します。


filesys c0t0d0s2 all overlap

エントリを削除したあと、カスタム JumpStart インストールを実行します。

アップグレードに関する注意事項とバグ情報


注 –

Solaris 10 5/09 リリース以降のアップグレードに関する最新のサポート情報については、「Solaris リリースのアップグレードサポートの変更」を参照してください。


ここでは、アップグレードに関するバグ情報について説明します。これらのバグには、Solaris 10 OS へのアップグレード中に発生するものもあれば、アップグレードの完了後に発生するものもあります。

SPARC: luactivate コマンドが失敗する (6824589)

ZFS ファイルシステムを使って作成した BE をアクティブにするときに、luactivate コマンドが失敗します。次のエラーメッセージが表示されます。


/etc/lu/DelayUpdate/: cannot create

回避方法: luactivate コマンドを使用して BE をアクティブにする前に、menu.lst 環境変数を次のように設定します。

アップグレード中に SUNWsmbar が /etc/services および /etc/inet/services ファイルを削除する (6756546)

Solaris 10 5/09 OS へのシステムのアップグレード中に、SUNWsmbar がインストールされると、 /etc/services および /etc/inet/services ファイルが削除されます。リブートすると、システムコンソールに次のエラーメッセージが表示されます。


line1-v215 console login: Oct  6 15:40:57 inetd[457]: Property 'name' of instance
svc:/network/stdiscover:default is missing, inconsistent or invalid
Oct  6 15:40:57 inetd[457]: Property 'proto' of instance 
svc:/network/stdiscover:default is missing, inconsistent or invalid
Oct  6 15:40:57 inetd[457]: Invalid configuration for instance 
svc:/network/stdiscover:default, placing in maintenance
Oct  6 15:40:57 inetd[457]: Property 'name' of instance 
svc:/network/stlisten:default is missing, inconsistent or invalid
Oct  6 15:40:57 inetd[457]: Property 'proto' of instance 
svc:/network/stlisten:default is missing, inconsistent or invalid
Oct  6 15:40:57 inetd[457]: Invalid configuration for instance 
svc:/network/stlisten:default, placing in maintenance

回避方法: OS のアップグレード中に /etc/services /etc/inet/services が削除されるのを防ぐには、次の手順を実行します。

  1. 実行中の Samba サービスをすべて停止します。


    #svcadm disable samba:default swat:default wins:default winbind:default
  2. OS をアップグレードする前に SUNWsmbar パッケージをアンインストールします。


    #pkgrm SUNWsmbar
  3. OS を Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードします。

  4. SUNWsmbar パッケージを再インストールします。


    #pkgadd SUNWsmbar

アップグレード後に shutdown コマンドによってシステムがハングアップすることがある (6751843)

システムを Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードしたあとで、shutdown コマンドによってシステムがハングアップすることがある。ハングアップは、svc.startd デーモンがシステムサービスを停止している間に発生します。

/var/log/webconsole/console/console_debug_log にある Sun Java Web Console のデバッグログファイルに、Web コンソールサービスが反復、開始、および停止しているかどうかが表示されます。

回避方法: 次のコマンドを入力します。


/usr/share/webconsole/private/bin/wcremove -i console
svcadm clear system/webconsole:console
smcwebserver start

注 –

wcremove コマンドによって、その特定のコンソール用に作成されたサーバーのドメインインスタンスが削除されます。コンソールが再起動されると、新しいドメインインスタンスが作成されます。


lucreate および lumake コマンドが実行状態にない非大域ゾーンのコピーの作成に失敗する (6659451)

実行状態にない非大域ゾーンで lucreate および lumake コマンドを使用すると、それらのコマンドが正常に実行されないことがあります。元の非大域ゾーンの内容とコピーの内容が異なっていることがあります。ユーザーが zlogin コマンドを使用してゾーンのコンソールにログインできないことがあります。zlogin コマンドの使用時に、次のエラーメッセージが表示されます。


zlogin: makeutx failed

lucreate および lumake コマンドの診断出力にはエラーは一切表示されません。

回避方法: lucreate および lumake コマンドを使用する前に、すべての非大域ゾーンが実行状態にあることを確認してください。

SPARC: Solaris Live Upgrade による Solaris 8 および Solaris 9 リリースからのアップグレードが失敗する (6638175)

Solaris Live Upgrade を使用して以前の Solaris 8 および Solaris 9 リリースから Solaris 10 5/09 リリースへのアップグレードを実行すると、失敗します。インストールイメージの圧縮ファイルは、7za ユーティリティーを使って解凍するようになりました。Solaris 8 および 9 リリースには、SUNWp7zip パッケージが含まれていません。その結果、Solaris Live Upgrade が失敗します。

回避方法: Solaris Live Upgrade を使用して以前の Solaris 8 および Solaris 9 リリースから Solaris 10 5/09 リリースにシステムをアップグレードするには、「Solaris Live Upgrade に関する制約事項」に記載された手順を実行します。

ゾーンを持つ DSR のアップグレードに関する注意事項 (6616788)

ゾーンを /opt ディレクトリにインストールした場合は、ゾーンを持つディスク容量再割り当て (DSR) のアップグレードが失敗します。DSR アーカイブの復元中にアップグレードが失敗することがあります。場合によっては、アップグレードが成功することもありますが、システムをリブートすることはできません。

回避方法: アップグレードの前に、ルートファイルシステムの使用率が 100% でないことを確認します。アップグレードの前にファイルをいくつか削除して、ルートスライスの使用率が 90% 未満になるようにします。

Solaris Trusted Extensions のアップグレードに関する注意事項 (6616585)

Solaris Trusted Extensions を Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースから Solaris 10 10/08 リリースまたは最新の Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードすると、ローカライズされた不要な Solaris Trusted Extensions パッケージがシステムにインストールされます。このバグが発生するのは、Solaris 10 11/06 または Solaris 10 8/07 リリースの Solaris Trusted Extensions インストーラがローカライズされたパッケージをデフォルトでインストールするためです。エラーメッセージは表示されません。

回避方法: Solaris Trusted Extensions を最新のリリースにアップグレードする前に、ローカライズされた次の Solaris Trusted Extensions パッケージを削除してください。

SUNWjdtts 

SUNWkdtts 

SUNWjmgts 

SUNWkmgts 

SUNWjtsman 

SUNWktsu 

SUNWjtsu 

SUNWodtts 

SUNWtgnome-l10n-doc-ja 

SUNWtgnome-l10n-ui-ko 

SUNWtgnome-l10n-ui-it 

SUNWtgnome-l10n-ui-zhHK 

SUNWtgnome-l10n-ui-sv 

SUNWtgnome-l10n-ui-es 

SUNWtgnome-l10n-doc-ko 

SUNWtgnome-l10n-ui-ptBR 

SUNWtgnome-l10n-ui-ja 

SUNWtgnome-l10n-ui-zhTW 

SUNWtgnome-l10n-ui-zhCN 

SUNWtgnome-l10n-ui-fr 

SUNWtgnome-l10n-ui-de 

SUNWtgnome-l10n-ui-ru 

アップグレード後にシステムが ypbind と通信できなくなる (6488549)

このバグは、Solaris 10 Hardware 2 リリースから最新の Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードする際に発生します。

Solaris 10 Hardware 2 リリースでは、NIS、NIS+、FILES、LDAP などの任意のネームサービスに対して name_service.xml ファイルは次のようになっています。


# ls -l name_service.xml
lrwxrwxrwx   1 root     root     10 Apr 10 16:26 name_service.xml -> ns_files.xml

ネームサービスが NIS の場合、name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。ただし、ns_files.xml の内容は ns_nis.xml の内容と同じです。


  # cat /etc/release
                     Solaris 10 3/05 HW2 s10s_hw2wos_05 SPARC
           Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc.  All Rights Reserved.
                        Use is subject to license terms.
                           Assembled 26 September 2005
  # cd /var/svc/profile
  # ls -l name_service.xml ns_files.xml ns_nis.xml
  lrwxrwxrwx   1 root   other    12 May 21 04:06 name_service.xml -> ns_files.xml
  -r--r--r--   1 root   sys     779 May 21 04:25 ns_files.xml
  -r--r--r--   1 root   sys     779 Jan 21  2005 ns_nis.xml
  #
  # diff ns_files.xml ns_nis.xml
  # diff name_service.xml ns_nis.xml

上記の出力で、ns_nis.xml ファイルと ns_files.xml ファイルは同じになっています。つまり、name_service.xml ファイルのシンボリックリンクが、間違ったネームサービスファイルを指しています。name_service.xml ファイルは ns_files.xml にリンクしています。代わりに、name_service.xml ファイルは ns_nis.xml にリンクするべきです。


注 –

CR 6411084 に対する修正は SUNWcsr インストールまたはインストール後スクリプトで行いますが、修正によって正しいリンクが作成されるのは、name_service.xml がリンクファイルでない場合のみです。Solaris 10 Hardware 2 リリースのように、name_service.xml がすでにシンボリックリンクファイルになっている場合、CR 6411084 に対する修正は機能しません。


Solaris 10 Hardware 2 から最新の Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードした後、次のメッセージがコンソールに表示されるか、メッセージファイルに記録されます。


Oct 23 12:18:45 vt2000a automount[301]: [ID 366266 daemon.error] 
can't read nis map auto_master: can't communicate with ypbind - retrying 

また、/network/nis/client:default サービスがオフラインになります。

回避方法: 次のいずれかを選択してください。

インストールされているがブートされていないゾーンを含むシステムでアップグレードが失敗する

インストールされているのに、ブートされていないまたは準備ができていない非大域ゾーンによって、システムは正しくアップグレードされなくなります。エラーメッセージは表示されません。

回避方法:

そういったゾーンが見つかった場合は、アップグレードを開始する前に、ゾーンの準備を整えてから停止する必要があります。次に例を示します。


global# zoneadm -z myzone ready ; zoneadm -z myzone halt

非大域ゾーンを持つ Solaris 10 システムを Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードすると、ローカルファイルシステムサービスが失敗する場合がある (6428258)

非大域ゾーンを持つ Solaris 10 3/05 システムまたは Solaris 10 1/06 システムを Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードすると、ローカルファイルシステムをマウントする SMF サービスが非大域ゾーンで失敗する場合があります。その結果、非大域ゾーン内のその他のサービスが起動に失敗することがあります。

非大域ゾーンを持つ Solaris 10 システムを Solaris 10 5/09 リリースにアップグレードしたあとで、サービスが保守状態になる場合があります。次に例を示します。


# zlogin myzone svcs -x
    svc:/system/filesystem/local:default (local file system mounts)
     State: maintenance since Wed May 24 13:18:06 2006
    Reason: Start method exited with $SMF_EXIT_ERR_FATAL.
       See: http://sun.com/msg/SMF-8000-KS
       See: /var/svc/log/system-filesystem-local:default.log
    Impact: 18 dependent services are not running.  (Use -v for list.)

回避方法:

大域ゾーンから非大域ゾーンをリブートします。次に例を示します。


global# zoneadm -z myzone reboot

Solaris 9 9/04 OS からアップグレードしたあとのデバイス ID の不一致

この Solaris 10 リリースの Solaris ボリュームマネージャーでは、デバイス ID が新しい形式で表示されます。Solaris 9 9/04 OS では、ディスクセットでのデバイス ID サポートが導入されましたが、この新しい形式は認識されません。Solaris 9 9/04 リリースから Solaris 10 OS にアップグレードするとき、既存のディスクセットアップに関連付けられたデバイス ID は、Solaris ボリュームマネージャーの構成で更新されません。Solaris 9 9/04 OS に戻す必要がある場合、アップグレード後にディスクセットに加えた構成の変更は、Solaris 9 9/04 OS で使用できないことがあります。詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の第 25 章「Solaris ボリュームマネージャのトラブルシューティング (作業)」を参照してください。

Solaris Live Upgrade の luupgrade コマンドを実行したときに進捗バーが表示されない (6239850)

Solaris Live Upgrade ソフトウェアを次の方法で使用する場合は、アップグレード進捗バーが表示されません。

たとえば、次のコマンドを実行した場合、次の出力が表示されたあとに進捗バーが表示されるべきです。


Running installer on BE s10u1.

しかし、進捗バーは表示されません。


# luupgrade -i -n s10u1 -s /net/installsrv/export/s10u1
 -O "-nodisplay -noconsole"


Validating the contents of the media /net/installsvr/export/s10u1.
The media is a standard Solaris media.
The media contains a standard Solaris installer.
The media contains Solaris 3 version 10.
Mounting BE s10u1.
Running installer on BE s10u1.

エラーメッセージは表示されません。

回避方法: prstat コマンドを使用してください。このコマンドでは、インストールが進行してパッケージが追加されるに従って、その進捗を監視することができます。

Solaris Live Upgrade を使用して以前の Solaris リリースからアップグレードするとき、古いアンインストーラが削除されない (6198380)

Solaris Live Upgrade を使用して Solaris 8 または Solaris 9 リリースから Solaris 10 OS にアップグレードするとき、古いアンインストールプログラムは削除されません。このような以前の OS のアンインストールプログラムは、システムの /var/sadm/prod ディレクトリに残ります。

次に示す古いアンインストーラは削除されません。


uninstall_Alternate_Pathing_2_3_1.class
uninstall_CDRW_1_1.class o uninstall_CDRW_1_0.class
uninstall_Bonus_Localization_-_Catalan_CDE_Desktop.class
uninstall_Bonus_Localization_-_Polish_CDE_Desktop.class
uninstall_Bonus_Localizations_-_Russian_CDE_Desktop.class
uninstall_Capacity_on_Demand_1_0.class
uninstall_Java3D_1_3_1.class
uninstall_Java3D_1_3.class
uninstall_Java3D_1_2_1_04.class
uninstall_Java3D_1_2_1_03.class
uninstall_Lights_Out_Management_2_0.class
uninstall_Man_Page_Supplement.class
uninstall_OpenGL_1_3.class
uninstall_OpenGL_1_2_3.class
uninstall_Netra_ct_Platform_1_0.class
uninstall_Netra_t11xx_Alarms_2_0.class
uninstall_Netscape_6_2_3.class
uninstall_Netscape_6_2_1_Beta.class
uninstall_PC_launcher_1_0_2.class
uninstall_PC_launcher_1_0_1_PCfileviewer_1_0_1.class
uninstall_RSC_2_2_2.class
uninstall_RSC_2_2_1.class
uninstall_RSC_2_2.class
uninstall_ShowMeTV_1_3.class
uninstall_Solaris_9_French_Localization.class
uninstall_Solaris_9_German_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Hong_Kong_Traditional_Chinese_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Italian_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Japanese_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Korean_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Simplified_Chinese_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Spanish_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Swedish_Localization.class
uninstall_Solaris_9_Traditional_Chinese_Localization.class
uninstall_Solaris_On_Sun_Hardware_Documentation.class
uninstall_Sun_Hardware_AnswerBook.class
uninstall_SunATM_5_0.class
uninstall_SunATM_5_1.class
uninstall_SunFDDI_PCI_3_0.class
uninstall_SunFDDI_SBus_7_0.class
uninstall_Sun_Fire_880_FC-AL_Backplane_Firmware_1_0.class
uninstall_Sun_Fire_B10n_Load_Balancing_Blade_1_1.class
uninstall_SunForum_3_1.class
uninstall_SunForum_3_2.class
uninstall_SunHSI_PCI_3_0.class
uninstall_SunHSI_SBus_3_0.class
uninstall_SunScreen_3_2.class
uninstall_SunVTS_5_1_PS6.class
uninstall_SunVTS_5_1_PS5.class
uninstall_SunVTS_5_1_PS4.class
uninstall_SunVTS_5_1_PS3.class
uninstall_SunVTS_5_1_PS2.class
uninstall_SunVTS_5_1_PS1.class
uninstall_SunVTS_5_0.class
uninstall_System_Management_Services_1_4.class
uninstall_System_Management_Services_1_3.class
uninstall_System_Management_Services_1_2.class
uninstall_System_Service_Processor_3_5.class
uninstall_WBEM_DR_1_0.class
uninstall_Web_Start_Wizards_SDK_3_0_2.class
uninstall_Web_Start_Wizards_SDK_3_0_1.class
uninstall_Web_Start_Wizards_SDK.class
uninstall_XML_Libraries_2_4_12.class

回避方法: システムをアップグレードしたあと、/var/sadm/prod ディレクトリにある古いアンインストーラを手動で削除してください。

インストールに関するその他の注意事項

ここでは、Solaris OS のインストールに関連する注意事項について説明します。

StarOffice と StarSuite は同じシステムに共存できない

Solaris 10 OS をインストールすると、選択した言語に応じて StarOffice または StarSuite TM ソフトウェアのいずれかが自動的にインストールされます。言語の一覧とその言語でサポートされているソフトウェアを次に示します。

選択した言語 

サポートされるソフトウェア 

中国語、日本語、韓国語 

StarSuite 

その他の言語 

StarOffice 

StarOffice と StarSuite は同じシステムに共存できません。誤ってインストールしたソフトウェアを置き換えるには、次の手順を実行します。

  1. Solaris 10 SOFTWARE - 4 CD または Solaris 10 Operating System DVD をドライブに挿入します。

  2. スーパーユーザーになります。

  3. /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Product などの Product ディレクトリに移動します。

  4. ソフトウェアを置き換えます。

    • StarOffice を StarSuite で置き換えるには、次のコマンドを使用します。


      # pkgrm `pkginfo | grep staroffice- | awk '{print $2}'`
        # pkgadd -d .SUNWstarsuite-*
      
    • StarSuite を StarOffice で置き換えるには、次のコマンドを使用します。


      # pkgrm `pkginfo | grep starsuite- | awk '{print $2}'`
        # pkgadd -d . SUNWstaroffice-*
      

Solaris CD を使用する場合は、言語 1 または 2 の CD にローカリゼーションパッケージが含まれています。パッケージ名は次のとおりです。

選択したロケール以外のロケールもインストールされることがある

Solaris 10 リリースでは、インストールするロケールを選択した場合、関連するほかのロケールもインストールされることがあります。これは、すべての完全ロケール (メッセージが翻訳されている) とアジアおよび日本語の部分ロケールが、言語単位でパッケージ化し直されたためです。ほかの部分ロケールは従来通りに地理上の分類 (中央ヨーロッパなど) に基づいて、パッケージ化されてインストールされます。