Solaris インストールプログラムのアップグレードオプションとカスタム JumpStart プログラムの upgrade キーワードはどちらも、ディスク容量の再配置機能を提供します。この再配置により、ディスクスライスのサイズが自動的に変更されます。アップグレードするのに十分な容量が現在のファイルシステムにない場合、ディスク容量を割り当て直すことができます。たとえば、アップグレードに伴ってファイルシステムの容量を増やす必要があるのは、次のような場合です。
新しいリリースで、システムに現在インストールされている Solaris ソフトウェアグループに新たにソフトウェアが追加されている。特定のソフトウェアグループに含められる新しいソフトウェアは、インストールの対象となるようにアップグレード時に自動的に選択されます。
新しいリリースに、システム上の既存のソフトウェアよりもサイズが大きいソフトウェアが存在する。
自動配置機能を使用すると、ファイルシステムに必要な容量を確保するようにディスク容量の再配置が行われます。自動配置機能では、デフォルトの制約にもとづいて容量の再配置が試みられます。このため、この機能によって容量の再配置が行われない場合は、ファイルシステムの制約を変更する必要があります。
自動配置機能には、ファイルシステムの容量を増やす能力はありません。自動配置機能では、次の処理によって容量の再配置が行われます。
変更の必要なファイルシステム上の必須ファイルをバックアップする。
ファイルシステムの変更にもとづいてディスクパーティションを再分割する。
アップグレードの前にバックアップファイルを復元する。
Solaris インストールプログラムの自動配置機能が、ディスク容量をどのように再配置するかを決定できない場合は、カスタム JumpStart プログラムを使用してアップグレードを行う必要があります。
カスタム JumpStart によるアップグレードでアップグレード用プロファイルを作成する際に、ディスク容量が問題になることがあります。アップグレードするのに十分なディスク容量が現在のファイルシステムにない場合は、backup_media キーワードと layout_constraint キーワードを使用してディスク容量を再配置することができます。プロファイル内での backup_media および layout_constraint キーワードの使用例については、『Solaris 10 5/09 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』の「プロファイルの例」を参照してください。