インストールサーバーとブートサーバー (必要な場合) を作成し終わったら、ネットワークからインストールする各システムを設定する必要があります。インストールする各システムは、次の各項目にアクセスできる必要があります。
インストールサーバー
ブートサーバー (必要な場合)
sysidcfg ファイル (sysidcfg ファイルを使用してシステム構成情報を事前設定する場合)
ネームサーバー (ネームサービスを使用してシステム構成情報を事前設定する場合)
プロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリにあるプロファイル (カスタム JumpStart インストールを使用する場合)
インストールサーバーとクライアントの設定には、add_install_client を使用して次の作業を実行してください。
このコマンドで使用できるオプションについての詳細は、add_install_client(1M) のマニュアルページを参照してください。
インストールサーバーを作成したら、ネットワークからインストールする各システムを設定する必要があります。
ネットワークからインストールするように x86 クライアントを設定するには、次の手順のように add_install_client を使用します。
ブートサーバーが存在する場合は、インストールサーバーのインストールイメージを共有しているか確認してください。「インストールサーバーを作成する方法」の手順 6 を参照してください。
インストールする各システムは、次の各項目にアクセスできる必要があります。
インストールサーバー
ブートサーバー (必要な場合)
sysidcfg ファイル (sysidcfg ファイルを使用してシステム構成情報を事前設定する場合)
ネームサーバー (ネームサービスを使用してシステム構成情報を事前設定する場合)
プロファイルサーバー上の JumpStart ディレクトリにあるプロファイル (カスタム JumpStart インストールを使用する場合)
インストールサーバーまたはブートサーバー上で、スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
NIS、NIS+、DNS、または LDAP のネームサービスを使用する場合、インストールするシステムについての次のような情報がネームサービスに追加されていることを確認します。
ホスト名
IP アドレス
Ethernet アドレス
ネームサービスの詳細は、『Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : DNS、NIS、LDAP 編)』を参照してください。
インストールサーバー上の Solaris 最新リリースの CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。
# cd /install_dir_path/Solaris_10/Tools |
Tools ディレクトリのパスを指定します。
このクライアントをインストールサーバーの /etc/ethers ファイルに追加します。
ネットワークでインストールするためのシステムを設定します。
# ./add_install_client -d -s install_server:install_dir_path \ -c jumpstart_server:jumpstart_dir_path -p sysid_server:path \ -t boot_image_path -b "network_boot_variable=value" \ -e ethernet_address client_name platform_group |
クライアントが DHCP を使用してネットワークインストールパラメータを取得することを指定します。-d だけを使用した場合、add_install_client コマンドは、同じクラスに属するすべてのクライアントシステム (たとえばすべての SPARC クライアントマシン) のインストール情報を設定します。特定のクライアントのインストール情報を設定する場合は、-d と -e を併用します。
x86 クライアントの場合、このオプションを指定し、PXE ネットワークブートを使用してネットワークからシステムをブートしてください。このオプションを指定すると、DHCP サーバーに作成する必要のある DHCP オプションの一覧が出力されます。
DHCP を使用した特定のクラスのインストールの詳細は、「Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成」を参照してください。
インストールサーバーの名前とパスを指定します。
install_server は、インストールサーバーのホスト名です。
install_dir_path は、Solaris 最新リリースの CD イメージの絶対パスです。
カスタム JumpStart インストールの JumpStart ディレクトリを指定します。jumpstart_server には JumpStart ディレクトリがあるサーバーのホスト名を指定します。jumpstart_dir_path は、JumpStart ディレクトリへの絶対パスです。
システムの構成情報を事前設定するための sysidcfg ファイルのパスを指定します。sysid_server は、このファイルを持っているサーバーの有効なホスト名または IP アドレスです。path は、sysidcfg ファイルを含むディレクトリの絶対パスです。
Solaris 最新リリースネットインストールイメージ、CD、または DVD 上の Tools ディレクトリにあるブートイメージ以外のブートイメージを使用する場合、代替ブートイメージへのパスを指定します。
x86 システムのみ: ネットワークからクライアントをブートするときに使用するブートプロパティー変数の値を設定できます。-b は、-e オプションと組み合わせて使用する必要があります。
ブートプロパティーについては、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。
インストールするクライアントの Ethernet アドレスを指定します。このオプションを指定すると、特定のクライアントが使用するインストール情報 (クライアントのブートファイルなど) を設定できます。
ブートファイルの名前に接頭辞 nbp. は使用されません。たとえば、x86 ベースのクライアントに -e 00:07:e9:04:4a:bf を指定した場合、このコマンドによってブートファイル 010007E9044ABF.i86pc が /tftpboot ディレクトリに作成されます。ただし、Solaris 最新リリースでは接頭辞 nbp. の付いた従来のブートファイルもサポートしています。
DHCP を使用した特定のクライアントのインストールの詳細は、「Solaris インストールパラメータ用の DHCP オプションとマクロの作成」を参照してください。
インストールするシステムのプラットフォームグループを指定します。プラットフォームグループの詳細なリストについては、『Solaris 10 5/09 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「プラットフォーム名とプラットフォームグループ」を参照してください。
次の例は、DHCP を使用してネットワーク上のインストールパラメータを設定しているときに、インストールクライアントを追加する方法を示しています。インストールクライアントは、basil という名前の Ultra 5 システムです。ファイルシステム /export/home/cdsparc/Solaris_10/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。
DHCP を使用してネットワークインストール用のインストールパラメータを設定する方法については、「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
sparc_install_server# cd /export/home/cdsparc/Solaris_10/Tools sparc_install_server# ./add_install_client -d basil sun4u |
次の例は、インストールサーバーと同じサブネット上にあるインストールクライアントを追加する方法を示しています。インストールクライアントは、basil という名前の Ultra 5 システムです。ファイルシステム /export/home/cdsparc/Solaris_10/Tools には、add_install_client コマンドが入っています。
install_server# cd /export/home/cdsparc/Solaris_10/Tools install_server# ./add_install_client basil sun4u |
次の例は、ブートサーバーにインストールクライアントを追加する方法を示しています。インストールクライアントは、rose という名前の Ultra 5 システムです。次のコマンドはブートサーバー上で実行します。-s オプションには、/export/home/cdsparc に Solaris 最新リリース CD イメージを持っている rosemary という名前のインストールサーバーを指定しています。
boot_server# cd /export/home/cdsparc/Solaris_10/Tools boot_server# ./add_install_client -s rosemary:/export/home/cdsparc rose sun4u |
GRUB ブートローダーは SUNW.i86pc の DHCP クラス名は使用しません。次の例では、DHCP を使用してネットワークのインストールパラメータを設定している場合に、x86 インストールクライアントをインストールサーバーに追加する方法を説明します。
-d オプションを指定すると、クライアントのネットワークインストールパラメータを構成する際に、DHCP プロトコルが使用されます。PXE ネットワークブートを使用する場合には、DHCP プロトコルを使用する必要があります。
-e オプションが指定されているので、Ethernet アドレスが次のものと一致するクライアントに対してのみ、インストールが行われます。00:07:e9: 04:4a: bf。
-s オプションには、rosemary という名前のインストールサーバーからクライアントをインストールすることを指定します。
このサーバーは、/export/home/cdx86 に Solaris Operating System DVD (x86 版) イメージを保持しています。
x86_install_server# cd /export/boot/cdx86/Solaris_10/Tools x86_install_server# ./add_install_client -d -e 00:07:e9:04:4a:bf \ -s rosemary:/export/home/cdx86 i86pc |
このコマンドは、Ethernet アドレス 00:07:e9: 04:4a: bf のクライアントをインストールクライアントとして設定します。ブートファイル 010007E9044ABF.i86pc がインストールサーバー上に作成されます。以前のリリースでは、このブートファイルは nbp.010007E9044ABF.i86pc と命名されていました。
DHCP を使用してネットワークインストール用のインストールパラメータを設定する方法については、「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
次の例は、x86 インストールクライアントをインストールサーバーに追加し、インストール時に使用するシリアルコンソールを指定する方法を示しています。この例では、インストールクライアントは次のように設定されます。
-d オプションが指定されているので、クライアントは DHCP を使用してインストールパラメータを設定します。
-e オプションが指定されているので、Ethernet アドレスが次のものと一致するクライアントに対してのみ、インストールが行われます。00:07:e9: 04:4a: bf。
-b オプションが指定されているので、インストールプログラムは入出力デバイスとしてシリアルポート ttya を使用します。
クライアントを追加します。
install server# cd /export/boot/cdx86/Solaris_10/Tools install server# ./add_install_client -d -e "00:07:e9:04:4a:bf" \ -b "console=ttya" i86pc |
-b オプションで使用可能なブートプロパティー変数の詳細は、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。
DHCP サーバーを使用してネットワーク経由で x86 ベースのクライアントをインストールする場合は、DHCP サーバーを構成して、add_install_client -d コマンドの出力で一覧表示されるオプションおよびマクロを作成します。ネットワークインストールをサポートするように DHCP サーバーを構成する方法については、「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
x86 システム: DHCP サーバーを使用していない場合は、ローカルの Solaris OS DVD または CD からシステムをブートする必要があります。
add_install_client コマンドの詳細は、install_scripts(1M) のマニュアルページを参照してください。