第 9 章 ネットワークからのインストール (コマンドリファレンス)
この章では、ネットワークインストールを設定するときに使用できるコマンドを示します。この章の内容は、次のとおりです。
ネットワークインストールコマンド
次の表に、ネットワーク経由で Solaris ソフトウェアをインストールするためのコマンドを示します。また、これらのコマンドを使用できるプラットフォームも示します。
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 コマンド  
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 プラットフォーム  
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 説明  
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add_install_client
 
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 すべて  
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 システムに関するネットワークインストール情報を、ネットワークからインストールサーバーまたはブートサーバーに追加するコマンド。詳細は、add_install_client(1M) のマニュアルページを参照してください。 
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setup_install_server
 
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 すべて  
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 Solaris 最新リリース DVD または CD をインストールサーバーのローカルディスクにコピーするか、ブートソフトウェアをブートサーバーにコピーするスクリプト。詳細は、setup_install_server(1M) のマニュアルページを参照してください。 
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(CD メディアのみ) add_to_install_server  
 
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 すべて  
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 CD 上のプロダクトツリー内の追加パッケージを、既存のインストールサーバー上のローカルディスクにコピーするスクリプト。詳細は、add_to_install_server(1M) のマニュアルページを参照してください。 
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mount 
 
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 すべて  
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 ファイルシステムをマウントできるようにし、マウントされたファイルシステム (Solaris DVD または Solaris SOFTWARE と Solaris LANGUAGES CD 上のファイルシステムを含む) を表示するコマンド。詳細は、mount(1M) のマニュアルページを参照してください。 
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showmount -e 
 
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 すべて  
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 リモートホスト上の共有ファイルシステムすべてをリスト表示するコマンド。詳細は、showmount(1M) のマニュアルページを参照してください。 
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uname -i    
 
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 すべて  
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 システムのプラットフォーム名 (SUNW、Ultra-5_10、i86pc など) を調べるコマンド。Solaris ソフトウェアをインストールするには、システムのプラットフォーム名が必要になることがあります。詳細は、uname(1) のマニュアルページを参照してください。 
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patchadd -C net_install_image
 
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 すべて  
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setup_install_server で作成した DVD または CD のネットインストールイメージ上にあるミニルート (Solaris_10 /Tools/Boot ) にあるファイルにパッチを追加するコマンド。これにより、Solaris インストールコマンドとほかのミニルート固有のコマンドにパッチを適用できます。net_install_image はネットインストールイメージの絶対パス名です。 
 
 注意 – 
patchadd -C を使用する前には必ず、パッチの README を読むか、ご購入先におたずねください。 
 
詳細は、次のマニュアルページを参照してください。 
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reset   
 
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 SPARC  
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 システムをリセットし、マシンを再起動するための Open Boot PROM コマンド。また、ブート時に入出力割り込みに関するエラーメッセージが表示された場合は、STOP キーと A キーを同時に押し、その後 PROM プロンプト (ok または >) で reset と入力します。 
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banner 
 
 
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 SPARC  
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 モデル名、Ethernet アドレス、インストールされているメモリーなどのシステム情報を表示する Open Boot PROM コマンド。PROM プロンプト (ok または >) でのみ使用可能です。 
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x86: インストールのための GRUB メニューコマンド
GRUB メニューのコマンドを編集してシステムのネットワークブートおよびインストールをカスタマイズできます。この節では、GRUB メニューのコマンドに挿入できるコマンドおよび引数をいくつか説明します。
GRUB メニューでは、プロンプトで b を入力すると GRUB コマンド行にアクセスできます。次の出力のようなコマンド行が表示されます。
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot kernel/unix 
-B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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このコマンド行を編集してブートおよびインストールをカスタマイズできます。次の一覧では、使用する可能性のある一般的なコマンドをいくつか説明します。-B オプションと併用できるブート引数の完全な一覧については、eeprom(1M) のマニュアルページを参照してください。
注 – 
-B オプションで複数の引数を追加するには、それぞれの引数をコンマで区切ります。
表 9–1  x86: GRUB メニューのコマンドおよびオプション
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 コマンドまたはオプション  
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 説明と例  
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install
 
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-B オプションの前にこのオプションを挿入すると、カスタム JumpStart インストールを実行できます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot install 
-B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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url|ask
 
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 カスタム JumpStart ファイルの場所を指定するか、場所の入力を求めるプロンプトを表示します。install オプションとともにいずれかのオプションを挿入します。 
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url|ask (続き) 
 
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- 
ask - install オプションとともに使用すると、システムがブートしてネットワークへ接続したあと、インストールプログラムによって圧縮構成ファイルの場所を入力するプロンプトが表示されます。このオプションを使用すると、完全に自動化された JumpStart インストールを行うことはできません。 
Return キーを押してこのプロンプトへの入力を省略すると、Solaris インストールプログラムはネットワークパラメータを対話的に構成します。インストールプログラムは次に、圧縮構成ファイルの場所を尋ねるプロンプトを表示します。 
次の例では、カスタム JumpStart を実行してネットワークインストールイメージからブートします。システムがネットワークに接続したあと、構成ファイルの場所を入力するプロンプトが表示されます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot install ask 
-B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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dhcp
 
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-B オプションの前にこのオプションを挿入すると、インストールプログラムが DHCP サーバーを使用してシステムのブートに必要なネットワークインストール情報を取得するように指示できます。dhcp で DHCP サーバーの使用を指定しないと、/etc/bootparams ファイル、またはネームサービスの bootparams データベースが使用されます。たとえば、静的 IP アドレスを保持する場合には、dhcp を指定しません。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot dhcp 
-B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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- text
 
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-B オプションの前にこのオプションを挿入すると、デスクトップセッションでテキストベースのインストールを実行できます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot - text 
-B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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- nowin
 
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-B オプションの前にこのオプションを挿入すると、コンソールセッションでテキストベースのインストールを実行できます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot - nowin 
-B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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console=serial-console
 
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-B オプションとともにこの引数を使用すると、システムが ttya (COM1) または ttyb (COM2) のようなシリアルコンソールを使用するように指示できます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot -B console=ttya 
install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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ata-dma-enabled=[0|1]
 
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-B オプションとともにこの引数を使用すると、インストール中に ATA (Advanced Technology Attachment) または IDE (Integrated Drive Electronics) デバイス、および DMA (Direct Memory Access) を有効または無効にできます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot -B ata-dma-enabled=0 
install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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acpi-enum=[0|1]
 
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-B オプションとともにこの引数を使用すると、ACPI (Advanced Configuration and Power Interface) 電源管理を有効または無効にできます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot -B acpi-enum=0 
install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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atapi-cd-dma-enabled=[0|1]
 
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-B オプションとともにこの引数を使用すると、インストール中に CD ドライブまたは DVD ドライブの DMA を有効または無効にできます。 
 
kernel /Solaris_10_x86/multiboot -B atapi-cd-dma-enabled=0
install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot
module /platform/i86pc/boot_archive 
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注 – 
DMA 名 atapi は、現在 DMA に使用されている変数名です。この変数は変更されることがあります。 
 
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