ここでは、現在アクティブなブート環境として使用されていない既存の ZFS ルートプールまたは UFS ブート環境がある場合に、新しい ZFS ブート環境をこのブート環境から作成する手順について説明します。新しい ZFS ブート環境の作成後、この新しいブート環境を都合のよいときにアップグレードおよびアクティブにできます。
現在稼動中のシステム以外のソースからブート環境を作成する場合は、lucreate コマンドに -s オプションを指定して実行します。-s オプションは、UFS ファイルシステムの場合と同じように機能します。-s オプションには、代替ルート (/) ファイルシステムのパスを指定します。この代替ルート (/) ファイルシステムが、新しい ZFS ルートプールを作成するためのソースとなります。代替ルートは、UFS (/) ルートファイルシステム、ZFS ルートプールのどちらでもかまいません。コピー処理には、システムによって時間がかかる場合があります。
次の例では、別の ZFS ルートプール上にブート環境を作成する場合の、-s オプションの使用方法を示します。
次のコマンドで、既存の ZFS ルートプールから新規 ZFS ルートプールを作成します。-n オプションで、作成するブート環境に new-zfsBE という名前を割り当てます。-s オプションには、現在稼動中のブート環境の代わりにコピー元として使用する、ブート環境 rpool3 を指定します。-p オプションでは、新しいブート環境を rpool2 に配置することを指定します。
# lucreate -n new-zfsBE -s rpool3 -p rpool2 # lustatus boot environment Is Active Active Can Copy Name Complete Now OnReboot Delete Status ------------------------------------------------------------------------ zfsBE yes yes yes no - zfsBE2 yes no no yes - zfsBE3 yes no no yes - new-zfsBE yes no no yes - # zfs list NAME USED AVAIL REFER MOUNTPOINT rpool2 9.29G 57.6G 20K /rpool2 rpool2/ROOT/ 5.38G 57.6G 18K /rpool2/ROOT rpool2/ROOT/new-zfsBE 5.38G 57.6G 551M /tmp/.new.luupdall.109859 rpool2/dump 3.99G - 3.99G - rpool2/swap 3.99G - 3.99G - rpool3 9.29G 57.6G 20K /rpool2 rpool3/ROOT/ 5.38G 57.6G 18K /rpool2/ROOT rpool3/ROOT/zfsBE3 5.38G 57.6G 551M /tmp/.new.luupdall.109859 rpool3/dump 3.99G - 3.99G - rpool3/swap 3.99G - 3.99G - prool 9.29G 57.6G 20K /.new.lulib.rs.109262 rpool/ROOT 5.46G 57.6G 18K legacy rpool/ROOT/zfsBE 5.46G 57.6G 551M rpool/dump 3.99G - 3.99G - rpool/swap 3.99G - 3.99G - |
これで、新しいブート環境をアップグレードおよびアクティブにできます。