Solaris 10 5/09 リリースでは、次のドライバ機能と拡張機能が追加されました。
この機能により、Mellanox, Ltd. の第 4 世代 InifiniBand (IB) HCA チップ向けの Solaris ドライバが導入されます。hermon ドライバは、ブレード環境の従来の HCA、EM、および NEM に SDR、DDR、および QDR チップの IB サポートを提供します。
hermon ドライバを使用すると、以前の世代の IB 製品と比較して、IB 送信における帯域幅の拡大と待ち時間の短縮が可能になります。どのような環境でもパフォーマンスの向上は有利ですが、帯域幅の拡大と待ち時間の短縮は、高性能計算 (HPC) アプリケーションでもっとも重要になります。
また、MPI ライブラリの重要な基盤である uDAPL ライブラリがこのドライバで動作するように更新され、MPI ベースのアプリケーションで最適なパフォーマンスが得られるようになりました。
Solaris 10 5/09 リリース以降では、iSCSI ターゲットがアップグレードされ、新しい機能を提供するようになりました。
この iSCSI ターゲットの更新には、次に示すパフォーマンス、スケーラビリティー、相互運用性、および信頼性の改善が含まれています。
TCP/IP タイムアウト回復の改善
iSCSI イニシエータによって呼び出される SCSI RESET
コードパスとメモリーリークのクリーンアップ
ターゲットポータルグループタグ (TPGT) との相互運用性の改善、単方向および双方向の CHAP 認証、および RADIUS サーバーのサポート
使用できない iSNS サーバーからの回復など、iSNS (Internet Storage Name Service) サポートの改善
SCSI-3 Persistent Reserve 機能の更新により、Solaris でもほかのオペレーティングシステムでも、さまざまなクラスタ化ソリューションでこの機能を使用できるようになりました
Solaris iSCSI ターゲットでは、次のオペレーティングシステムのさまざまな iSCSI イニシエータがサポートされるようになりました。
Solaris 10
OpenSolaris
Linux: Red Hat Enterprise Linux (RHEL)、Suse、および Ubuntu
VMWare ESX
Microsoft Windows (XP、Vista、Server 2003、Server 2008、Windows Cluster Server)
Mac OS X
ntxn(7D) は、NetXen の PCI Express ベースの 10-Gigabit Ethernet ネットワークインタフェースカード (NIC) をサポートする新しい NIC ドライバです。ユーザーは、NetXen NIC がインストールされているプラットフォームで Solaris OS を介してネットワークにアクセスできます。
Solaris 10 5/09 リリース以降、一部の x64 マシンと x86 マシンでは、ICH10 および Hartwell ネットワークインタフェースがデフォルトのネットワークインタフェースカード (NIC) になりました。ユーザーはこれらのネットワークインタフェースを使用して、ネットワークに簡単にアクセスできます。
xge ドライバは、MSI-X をサポートしているプラットフォームに十分な数の MSI-X ベクトルを割り当てることができる場合、複数の着信音と MSI-X を有効にします。ドライバのパフォーマンスはこの機能によって向上します。十分な数の MSI-X ベクトルを割り当てることができない場合、ドライバは従来の割り込みモードのまま動作を継続します。