Solaris 10 10/09 インストールガイド(インストールとアップグレードの計画)

状態データベースと状態データベースの複製

「状態データベース」は、物理ディスクに情報を格納するデータベースです。状態データベースは、構成に対して加えられた変更を記録および管理します。Solaris ボリュームマネージャーは、構成や状態に変化があると、状態データベースを自動的に更新します。新しいボリュームの作成は、構成の変更の一例です。サブミラーの障害は、状態の変化の一例です。

状態データベースは、実際には、複製された複数のデータベースコピーの集まりです。各コピーは、「状態データベースの複製」と呼ばれ、データベース内のデータが常に有効であることを保証します。状態データベースのコピーを複数持つことにより、単一点障害からデータを保護することができます。状態データベースは、既知の状態データベースの複製の格納場所と状態をすべて記録しています。

状態データベースとその状態データベースの複製が作成されるまで、Solaris ボリュームマネージャーは動作できません。Solaris ボリュームマネージャー構成には、正常に動作する状態データベースが必要です。

状態データベースの複製は、状態データベースのデータが常に有効であることを保証します。状態データベースが更新されると、個々の状態データベースの複製も更新されます。ただし、システムクラッシュによってすべての更新が失われるのを防ぐために、更新は一度に 1 つずつ行われます。

システムから 1 つの状態データベースの複製が失われると、Solaris ボリュームマネージャーは、どの状態データベースの複製に有効なデータが格納されているかを判断する必要があります。この情報を得るために、Solaris ボリュームマネージャーは「多数決アルゴリズム」を使用します。このアルゴリズムでは、過半数 (半数 + 1) の複製が使用可能であり、一致していれば、それらの複製を有効であるとみなします。この多数決アルゴリズムがあるため、ディスク構成を設定するときに、3 つ以上の状態データベースの複製を作成する必要があります。3 つの状態データベースの複製のうち少なくとも 2 つが使用可能であれば、合意に達することができます。

個々の状態データベースの複製には、デフォルトで 4M バイト (8192 ディスクセクタ) のディスク領域が使用されます。複製は、次のデバイスに格納できます。

複製は、ルート (/)、 swap/usr スライス、およびファイルシステムやデータがすでに格納されているスライスには格納できません。ただし、複製を格納したあとで、同じスライスにボリュームやファイルシステムを置くことができます。

複数の状態データベースのコピーを 1 つのスライス上に置くこともできます。しかし、複数の状態データベースの複製を 1 つのスライスに置くと、システムが単一点障害に対してより脆弱になる可能性があります。

説明 

詳細 

カスタム JumpStart または Solaris Live Upgrade を使って RAID-1 ボリュームを作成するときに確認するガイドラインと要件 

「状態データベースの複製のガイドラインと要件」

状態データベースと状態データベースの複製に関する詳細情報の入手 

『Solaris ボリュームマネージャの管理』