Solaris 10 10/09 インストールガイド (ネットワークインストール)

システムのブートに関する問題

メディアからのブート時のエラーメッセージ


le0: No carrier - transceiver cable problem

原因:

システムがネットワークに接続されていません。

対処方法:

ネットワークに接続せずに使用しているシステムの場合は、このメッセージは無視してください。ネットワークに接続されているシステムの場合は、Ethernet が正しく接続されているかどうか確認してください。


The file just loaded does not appear to be executable

原因:

ブート用の適切な媒体が見つかりません。

対処方法:

インストールサーバーからネットワークを介して Solaris 10 10/09 ソフトウェアをインストールするように正しく設定されているか確認します。たとえば、次のような確認を行います。

  • Solaris DVD または Solaris SOFTWARE CD のイメージをインストールサーバーにコピーした場合は、設定時にシステムのプラットフォームグループを正しく指定したかどうかを確認します。

  • DVD または CD メディアを使用する場合は、Solaris DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD がインストールサーバー上にマウントされていてアクセスできることを確認します。


boot: cannot open <filename> (SPARC ベースのシステムのみ)

原因:

PROM の boot -file の値を明示的に指定したときに発生するエラーです。


注 –

filename は、対象となるファイルの名前です。


対処方法:

次の手順を実行します。

  • PROM の boot -file の値を (無指定) に設定変更します。

  • diag-switch が off と true に設定されているか確認します。


Can't boot from file/device

原因:

インストールメディアがブート可能なメディアを見つけることができません。

対処方法:

次の条件が満たされているか確認します。

  • DVD-ROM または CD-ROM ドライブがシステムに適切に取り付けられ、電源が入っている。

  • Solaris DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD がドライブに挿入されている。

  • ディスクに傷や埃が付いていない。


WARNING: clock gained xxx days -- CHECK AND RESET DATE! (SPARC システムのみ)

説明:

これは参考情報です。

対処方法:

メッセージは無視して、インストールを継続してください。


Not a UFS file system (x86 システムのみ)

原因:

Solaris インストールプログラムまたはカスタム JumpStart を使って Solaris 最新リリースソフトウェアをインストールしたとき、ブートドライブを選択しませんでした。BIOS を編集してシステムをブートする必要があります。

対処方法:

BIOS を選択してブートします。詳細は、BIOS のマニュアルを参照してください。

メディアからのブート時の一般的な問題


システムがブートしない。

説明:

初めてカスタム JumpStart サーバーを設定する場合、エラーメッセージを返さないブート問題が発生することがあります。システムについての情報およびシステムがどのようにブートするかを調べるには、-v オプションを指定してブートコマンドを実行してください。-v オプションを使用すると、ブートコマンドは画面に詳しいデバッグ情報を表示します。


注 –

このフラグを指定しなくてもメッセージは出力されますが、システムログファイルが出力先となります。詳細については、syslogd(1M) を参照してください。


対処方法:

SPARC システムの場合、ok プロンプトで次のコマンドを入力します。


ok boot net -v - install

Toshiba SD-M 1401 DVD-ROM が搭載されたシステムで DVD メディアからのブートが失敗する

説明:

使用しているシステムにファームウェアバージョン 1007 の Toshiba SD-M1401 DVD-ROM が搭載されている場合、システムは Solaris DVD からブートできません。

対処方法:

111649–03 以降のパッチを適用して Toshiba SD-M1401 DVD-ROM ドライブのファームウェアを更新します。このパッチ 111649–03 は sunsolve.sun.com から入手できます。


メモリー増設用以外の PC カードを挿入すると、システムがハングまたはパニックを起こす。(x86 システムのみ)

原因:

メモリー増設用以外の PC カードは、ほかのデバイスが使用するのと同じメモリーリソースを使用できません。

対処方法:

この問題を解決するには、PC カードのマニュアルを参照してアドレス範囲を確認してください。


システムがプロンプトを出す前にハングする。(x86 システムのみ)

対処方法:

サポートされていないハードウェアです。ハードウェアのマニュアルを参照してください。

ネットワークからのブート時のエラーメッセージ


WARNING: getfile: RPC failed: error 5 (RPC Timed out).

説明:

インストールクライアントのブート要求に対して、ネットワーク上の複数のサーバーが応答したときに発生するエラーです。インストールクライアントの接続先のブートサーバーが間違っているため、インストールは停止します。次の原因が考えられます。

原因:

1 このインストールクライアントが登録された /etc/bootparams ファイルが複数のサーバーに存在する可能性があります。

対処方法:

1 ネットワーク上の複数のサーバーの /etc/bootparams エントリにインストールクライアントが登録されていないか調べます。複数のサーバーに登録がされている場合は、インストールに使用するインストールサーバー(またはブートサーバー)以外のサーバーの /etc/bootparams ファイルから、クライアントの登録を削除します。

原因:

2 複数の /tftpboot または /rplboot ディレクトリにこのインストールクライアントが登録されている可能性があります。

対処方法:

2 ネットワーク上の複数のサーバーの /tftpboot または /rplboot ディレクトリにインストールクライアントが登録されていないか調べます。複数のサーバーに登録されている場合は、インストールに使用するインストールサーバー(またはブートサーバー)以外のサーバーの /tftpboot または /rplboot ディレクトリから、クライアントの登録を削除します。

原因:

3 あるサーバーの /etc/bootparams ファイルにこのインストールクライアントが登録されており、別のサーバーの /etc/bootparams ファイルで、すべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるように記述されている可能性があります。次に示すようにすべてのシステムがプロファイルサーバーにアクセスできるように記述しています。

* install_config=profile_server:path

このエラーは、NIS または NIS+ の bootparams テーブルにこのような行が存在していても発生します。

対処方法:

3 ワイルドカードエントリがネームサービスの bootparams マップまたはテーブル (* install_config= など) にある場合は、そのエントリを削除し、ブートサーバーの /etc/bootparams ファイルに追加します。


No network boot server. Unable to install the system. See installation instructions. (SPARC システムのみ)

原因:

このエラーは、ネットワークからインストールしようとしているシステムで発生します。このシステムは、適切に設定されていません。

対処方法:

ネットワークを介してインストールするようにシステムが適切に設定されているか確認します。「CD イメージを使用してネットワークからインストールするシステムの追加」を参照してください。


prom_panic: Could not mount file system (SPARC システムのみ)

原因:

このエラーはネットワークから Solaris をインストールしようとしてブートソフトウェアが次のものを見つけられない場合に発生します。

  • Solaris DVD またはインストールサーバー上の Solaris DVD イメージコピー

  • Solaris SOFTWARE - 1 CD または インストールサーバー上の Solaris SOFTWARE - 1 CD イメージコピー

対処方法:

インストール用のソフトウェアがマウントされ共有されるように設定してあることを確認します。

  • インストールサーバーの DVD-ROM または CD-ROM ドライブから Solaris をインストールする場合は、Solaris DVD または Solaris SOFTWARE - 1 CD が CD-ROM ドライブに挿入されてマウントされていること、および /etc/dfs/dfstab ファイルで共有されるように設定してあることを確認します。

  • インストールサーバーのディスク上にある Solaris DVD イメージまたは Solaris SOFTWARE - 1 CD イメージのコピーからインストールする場合は、そのコピーのディレクトリパスが /etc/dfs/dfstab ファイル内で共有されていることを確認します。


Timeout waiting for ARP/RARP packet...(SPARC システムのみ)

原因:

1 クライアントはネットワークを介してブートしようとしていますが、認識してくれるシステムを見つけることができません。

対処方法:

1 システムのホスト名が NIS または NIS+ のネームサービスに登録されていることを確認します。また、ブートサーバーの /etc/nsswitch.conf ファイル内の bootparams の検索順序を確認します。

たとえば、/etc/nsswitch.conf ファイル内にある次の行は、JumpStart または Solaris インストールプログラムが最初に NIS マップから bootparams 情報を探すことを示しています。ここで情報が見つからない場合、インストーラはブートサーバーの /etc/bootparams ファイルを調べます。

bootparams: nis files
原因:

2 クライアントの Ethernet アドレスが不正です。

対処方法:

2 インストールサーバーの /etc/ethers ファイルにあるクライアントの Ethernet アドレスが正しいことを確認します。

原因:

3 カスタム JumpStart インストールでは、特定のサーバーをインストールサーバーとして使用するようにプラットフォームグループを add_install_client コマンドによって指定します。add_install_client を使用する際に不正な構成値を使用すると、この問題が発生します。たとえば、インストールするマシンが sun4u であるのに誤って i86pc と指定した場合などが考えられます。

対処方法:

3 正しいアーキテクチャー値を使用して add_install_client を実行し直します。


ip: joining multicasts failed on tr0 - will use link layer broadcasts for multicast (x86 システムのみ)

原因:

このエラーメッセージは、トークンリングカードを使ってシステムをブートしたときに表示されます。Ethernet のマルチキャストとトークンリングのマルチキャストの動作は異なります。ドライバはこのエラーメッセージを返して、マルチキャストアドレスが無効なことを知らせます。

対処方法:

このエラーメッセージは無視してください。マルチキャストがうまく動作しなければ、IP は代わりにレイヤーブロードキャストを使用し、インストールは失敗しません。


Requesting Internet address for Ethernet_Address (x86 システムのみ)

原因:

クライアントはネットワークを介してブートしようとしていますが、認識してくれるシステムを見つけることができません。

対処方法:

システムのホスト名がネームサービスに登録されていることを確認します。システムのホスト名が NIS または NIS+ のネームサービスに登録されているのに、システムがこのエラーメッセージを表示し続ける場合は、リブートしてください。


RPC: Timed out No bootparams (whoami) server responding; still trying... (x86 システムのみ)

原因:

クライアントはネットワークからブートしようとしていますが、インストールサーバー上の /etc/bootparams ファイルにエントリを持つシステムを見つけることができません。

対処方法:

インストールサーバー上で add_install_client を実行します。これにより /etc/bootparams ファイルに適切なエントリが追加され、クライアントがネットワークからブートできるようになります。


Still trying to find a RPL server... (x86 システムのみ)

原因:

システムはネットワークからブートしようとしていますが、サーバーではこのシステムをブートするように設定されていません。

対処方法:

インストールサーバー上で、インストールするシステム用に add_install_client を実行します。add_install_client コマンドは、必要なネットワークブートプログラムを含む /rplboot ディレクトリを設定します。


CLIENT MAC ADDR: FF FF FF FF FF FF (DHCP によるネットワークインストールのみ)

原因:

DHCP サーバーが正しく構成されていません。このエラーは、DHCP マネージャ内でオプションやマクロが正しく定義されていない場合に発生する可能性があります。

対処方法:

DHCP マネージャで、オプションおよびマクロが正しく定義されていることを確認します。ルーターオプションが定義されており、その値がネットワークインストールで使用するサブネットを正しく表していることを確認します。

ネットワークからのブート時の一般的な問題


システムはネットワークを介してブートされるが、指定したインストールサーバー以外のシステムからブートされる。

原因:

このクライアントが登録された /etc/bootparams エントリと /etc/ethers エントリが別のシステム上に存在します。

対処方法:

ネームサーバー上で、インストールするシステムの /etc/bootparams エントリを更新します。このエントリは、次の構文に従う必要があります。

install_system root=boot_server:path install=install_server:path

また、サブネット内で複数のサーバーの bootparams ファイルにインストールクライアントが登録されていないか確認します。


システムがネットワークからブートしない (DHCP によるネットワークインストールのみ)。

原因:

DHCP サーバーが正しく構成されていません。このエラーは、システムが DHCP サーバーのインストールクライアントとして構成されていない場合に発生することがあります。

対処方法:

DHCP マネージャーソフトウェアで、クライアントシステムのインストールオプションとマクロが定義されていることを確認します。詳細については、「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。