Solaris 10 10/09 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)

マスターシステムへの初期インストールの設計

Solaris フラッシュインストールの最初の作業は、各クローンシステムで行いたい構成と同じ構成でマスターシステムにインストールすることです。アーカイブは、任意の Solaris のインストール方法でマスターシステムにインストールできます。インストールは、Solaris OS のサブセットであっても完全なインストールであってもかまいません。このインストールの完了後、ソフトウェアの追加または削除、構成ファイルの変更を行います。マスターシステムのインストールには、次のような制限事項があります。


注 –

インストール済みのクローンシステムを新しい構成で更新する場合は、「更新用 Solaris フラッシュ差分アーカイブの作成を計画する」を参照してください。


ProcedureSun4V マシンでの Sun4U フラッシュアーカイブのインストール

始める前に

この手順には、次の制限があることに注意してください。

  1. Sun4U マシンに Solaris フラッシュアーカイブを作成し、Sun4V にアーカイブをインストールできるようにします。次の 2 つのオプションのいずれかを使用して、Sun4V をアーカイブのサポート対象アーキテクチャーとして追加します。


    注 –

    Entire Plus OEM Software Group によりインストールされた Sun4U マシンを起動し、パッケージが使用中でなくても、イメージ内にすべてのドライバーパッケージが存在するようにする必要があります。この要件についての詳細は、「SPARC: マスターシステムに存在しない周辺装置のサポート」を参照してください。


    • /var/sadm/system/admin/.platform ファイルに次の情報を追加します。次に、Solaris フラッシュアーカイブを作成します。


      PLATFORM_GROUP=sun4v
      

      注 –

      次のコマンドを使用して、Sun4V プラットフォームグループがサポートされているかどうかを確認できます。



      # flar -i <path_to_hybrid>.flar | grep content_architectures
      

      このコマンドは、次のような結果を表示します。


      content_architectures=sun4u,sun4v
      
    • -U オプションを使用して Sun4V をアーカイブのサポート対象アーキテクチャーとして追加し、Solaris フラッシュアーカイブを作成します。次の例を参照してください。


      # flarcreate -n S10U5hybrid -U "content_architectures=sun4u,sun4v" \
      -c -x /data /data/S10U5hybrid.flar
      

      上のサンプルコマンドの -c オプションを使用すると、アーカイブの場所を示す /data が作成されます。この -c オプションの値は、ファイル設定を反映するように指定する必要があります。


      注 –

      前の手順で示した flar コマンドを再度使用すると、Sun4V プラットフォームグループがサポートされているかどうかを確認できます。


  2. Solaris フラッシュアーカイブを Sun4V マシンにインストールします。Solaris JumpStart とネットイメージを使用して、Solaris フラッシュアーカイブを配置できます。


    注 –

    ここでは、Sun4V マシンをブートできません。この段階で、マシンにパッチを適用しないでください。JumpStart の使用後にマシンが再起動できるようになった場合、次のようなメッセージが表示されることがあります。



    Boot device: /pci@780/pci@0/pci@9/scsi@0/disk@0,0:a  File and args:
    Boot load failed.
    The file just loaded does not appear to be executable.
  3. ネットワークイメージまたは DVD イメージのいずれかを使用して、Sun4V マシンをアップグレードします。

    たとえば、Solaris 10 Update 6 JumpStart イメージを使用することができます。その後、アップグレードオプションを選択して、ネットワークイメージから Sun4V イメージをブートできます。

    この例では、アップグレードは次のような問題を伴って完了します。

    • パッケージの .u バージョンおよび .v バージョンの両方が使用できる場合、どちらのバージョンもインストールされます。CR 6846077 を参照してください。

    • /var/sadm/system/admin/.platform ファイルに正しい情報が含まれません。CR 6523030 を参照してください。

    • サードパーティーの .v パッケージが Solaris イメージに含まれません。そのため、サードパーティーのパッケージはアップグレードされない場合があります。

  4. Sun4V マシンをブートします。ここで、必要に応じてマシンにパッチを適用できます。

マスターシステムのカスタマイズ

Solaris の任意のインストール方法でマスターシステムに Solaris OS をインストールしたあとで、必要に応じてソフトウェアの追加や削除、およびシステム構成情報の変更ができます。マスターシステムのソフトウェアのカスタマイズに関しては、次のことができます。

SPARC および x86 システム用のアーカイブの作成

Solaris フラッシュアーカイブを使用して SPARC システムと x86 システムの両方に Solaris ソフトウェアをインストールする場合は、それぞれのプラットフォーム用の Solaris フラッシュアーカイブを個別に作成する必要があります。SPARC システムにインストールするには、SPARC マスターシステムから作成された Solaris フラッシュアーカイブを使用します。 x86 システムにインストールするには、x86 マスターシステムから作成された Solaris フラッシュアーカイブを使用します。

SPARC: マスターシステムに存在しない周辺装置のサポート

マスターシステムにインストールするドライバは、次のような条件に応じて選択します。

「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループをインストールすると、システムに取り付けられているハードウェアにかかわらず、すべてのドライバがインストールされます。その他のソフトウェアグループをインストールすると、提供されるサポートは限定されます。別のソフトウェアグループをインストールする場合で、クローンシステムがマスターシステムとは異なる周辺装置を保持しているときは、アーカイブを作成する前に、マスターシステムに適切なドライバをインストールする必要があります。

周辺装置に必要なサポートを入手する方法

クローンシステムがマスターシステムとは異なる周辺装置を保持している場合、そのサポートをインストールするには、「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループをインストールするか、パッケージを選択してインストールします。

インストールの種類 

説明 

「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループをインストールする 

「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループは、利用できる最大のソフトウェアグループです。このグループには、Solaris OS のすべてのパッケージが含まれています。「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループをインストールすると、システムに取り付けられているハードウェアにかかわらず、すべてのドライバがインストールされます。「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループで作成された Solaris フラッシュアーカイブは、インストールした Solaris OS のリリースがサポートする周辺装置を持つクローンシステムで機能します。 

「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループをマスターシステムにインストールすると、ほかの周辺装置構成との互換性を保つことができます。ただし、「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループには、2.9G バイト以上のディスク容量が必要です。クローンシステムの中には、「全体ディストリビューションと OEM サポート」ソフトウェアグループのインストールに必要な容量を確保できないものもあるでしょう。 

その他のソフトウェアグループをインストールする 

次のソフトウェアグループをマスターシステムにインストールすると、周辺装置のサポートは限定されます。マスターシステムがサポートするのは、インストール時にマスターシステムに接続されていた周辺装置だけです。  

  • 限定ネットワークソフトウェアグループ

  • コアシステムサポート

  • エンドユーザーシステムサポート

  • 開発者システムサポート

  • 全体ディストリビューション

これらのソフトウェアグループをインストールした場合、クローンシステムでは、必要なドライバが不足することがあります。たとえば、GX CG6 フレームバッファーを持つマスターシステムに「全体ディストリビューション」ソフトウェアグループをインストールした場合、GX CG6 フレームバッファードライバだけがインストールされます。インストールするクローンシステムすべてが GX CG6 フレームバッファーを保持するか、フレームバッファーを一切保持しない場合は問題ありません。 

パッケージを選択してインストールする 

マスターシステムにインストールする際に、マスターシステムとクローンシステムに必要なパッケージを追加インストールできます。特定のパッケージを選択することにより、マスターシステムまたはクローンシステムに存在することが明らかな周辺装置のサポートだけをインストールすることができます。