このマニュアルでは、SPARC および x86 アーキテクチャーベースの、ネットワークに接続されたシステムとネットワークに接続されていないシステムの両方で、Solaris オペレーティングシステム (OS) のインストールまたはアップグレードを計画する方法を説明します。また、Solaris ZFS インストール、Solaris ゾーン区分技術、ブート、インストール時の RAID-1 ボリュームの作成など、インストールに関係するいくつかの技術の概要についても説明します。
このマニュアルには、システムハードウェアや周辺装置を設定する方法は記載されていません。
この Solaris のリリースでは、SPARC および x86 系列のプロセッサアーキテクチャーをサポートしています。サポートされるシステムについては、Solaris OS: Hardware Compatibility Lists を参照してください。本書では、プラットフォームにより実装が異なる場合は、それを特記します。
本書の x86 に関連する用語については、以下を参照してください。
「x86」は、64 ビットおよび 32 ビットの x86 互換製品系列を指します。
「x64」は、具体的には 64 ビット x86 互換 CPU を指します。
「32 ビット x86」は、x86 をベースとするシステムに関する 32 ビット特有の情報を指します。
サポートされるシステムについては、Solaris OS: Hardware Compatibility List を参照してください。
このマニュアルは、Solaris OS のインストールを担当するシステム管理者を対象としています。このマニュアルには、次の 2 種類の情報が含まれています。
ネットワーク環境で複数の Solaris マシンを管理するエンタープライズシステム管理者向けの上級 Solaris インストール計画情報
Solaris のインストールやアップグレードを不定期に行うシステム管理者向けの、Solaris のインストールに関する基本的な計画情報
表 P–1 に、システム管理者向けのマニュアルの一覧を示します。
表 P–1 Solaris をインストールするシステム管理者向けのマニュアル
説明 |
情報 |
---|---|
DVD または CD メディアから 1 つのシステムをインストールする必要がありますか。Solaris インストールプログラムは、手順を追ってインストールを案内します。 | |
停止時間をほとんど設けないで、システムをアップグレードしたり、パッチを適用したりする必要がありますか。Solaris Live Upgrade を使うことにより、アップグレード時のシステム停止時間を短縮します。 |
『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』 |
ネットワークやインターネットを介してセキュリティー保護されたインストールを行う必要がありますか。WAN ブートを使用して、リモートクライアントをインストールします。あるいは、ネットワークインストールイメージからネットワークを介してインストールする必要がありますか。Solaris インストールプログラムは、手順を追ってインストールを案内します。 | |
複数のマシンに Solaris をインストールする必要がありますか。JumpStart を使用してインストールを自動化します。 | |
複数のシステムをすばやくインストールしたり、パッチを適用したりする必要がありますか。Solaris フラッシュソフトウェアを使用して Solaris フラッシュアーカイブを作成し、クローンシステム上に OS のコピーをインストールします。 |
『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』 |
システムのバックアップが必要ですか。 |
『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 23 章「UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)」 |
トラブルシューティングに関する情報、既知の問題の一覧、またはこのリリース用のパッチの一覧が必要ですか。 |
『Oracle Solaris Release Notes』 |
使用しているシステムが Solaris 上で動作することを確認する必要がありますか。 |
SPARC: 『Solaris Sun ハードウェアマニュアル』 |
このリリースで追加されたパッケージ、削除されたパッケージ、または変更されたパッケージを確認する必要がありますか。 |
『Oracle Solaris Package List』 |
使用しているシステムやデバイスが Solaris SPARC ベースのシステム、x86 ベースのシステム、およびその他のサードパーティーベンダーで動作するかどうかを確認する必要がありますか。 |
追加リソースについては、次の Web サイトを参照してください。
Oracle はドキュメントの品質向上のために、お客様のご意見やご提案をお待ちしています。誤りを見つけたり、改善に向けた提案などがある場合は、http://docs.sun.com で「Feedback」をクリックしてください。可能な場合には、ドキュメントのタイトルやパート番号に加えて、章、節、およびページ番号を含めてください。返信を希望するかどうかもお知らせください。
Oracle Technology Network では、Oracle ソフトウェアに関する広範なリソースが提供されています。
ディスカッションフォーラム で技術的な問題や解決策を話し合う。
Oracle By Example のチュートリアルで、手順に従って操作を体験する。
サンプルコード をダウンロードする。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–2 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
|
---|---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
|
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
|
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
|
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
|
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
|
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
|
Oracle Solaris OS に含まれるシェルで使用する、UNIX のデフォルトのシステムプロンプトとスーパーユーザープロンプトを次に示します。コマンド例に示されるデフォルトのシステムプロンプトは、Oracle Solaris のリリースによって異なります。
C シェル
machine_name% command y|n [filename] |
C シェルのスーパーユーザー
machine_name# command y|n [filename] |
Bash シェル、Korn シェル、および Bourne シェル
$ command y|n [filename] |
Bash シェル、Korn シェル、および Bourne シェルのスーパーユーザー
# command y|n [filename] |
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。