この手順では、スタンドアロンの SPARC システムを CD または DVD メディアから UFS ファイルシステムにインストールする方法について説明します。
DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブが直接接続されていないマシンやドメインに Solaris OS をインストールする場合は、別のマシンに接続されている DVD-ROM ドライブまたは CD-ROM ドライブを使用できます。手順の詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)』の付録 B「リモートからのインストールまたはアップグレード (作業)」を参照してください。
必要なメディアを用意してください。
次のいずれかのオプションを選択します。
DVD でインストールする場合は、Solaris Operating System DVD (SPARC 版) が必要です。
CD からインストールする場合は、次の CD を使用してください。
次のメディアが必要です。
Solaris SOFTWARE CD。
Solaris Languages CD (SPARC 版) – 特定の地域の言語をサポートする必要がある場合は、インストールプログラムによってこれらの CD を求めるプロンプトが表示されます。
Oracle Solaris 10 9/10 リリース以降では、DVD のみ入手できます。Solaris SOFTWARE CD は入手できなくなりました。
システムの最小要件を満たしていることを確認します。
システムの必要条件は次のとおりです。
メモリー - 384M バイト以上
ディスク容量 – 6.8G バイト以上
プロセッサ速度 - 200 MHz 以上
システム要件の詳細については、「システム要件と推奨事項」を参照してください。
Solaris OS のインストールに必要な情報を収集します。
次のいずれかのオプションを選択します。
ネットワークに接続されていないシステムの場合:
次の情報を収集します。
インストールするシステムのホスト名
システムで使用する予定の言語とロケール
ネットワークに接続されたシステムの場合は、次の情報を収集します。
Solaris 10 11/06 以降のリリースでは、初期インストール時にネットワークセキュリティー設定を変更することができ、Secure Shell を除くすべてのネットワークサービスを無効にしたり、応答する要求をローカル要求だけに制限したりすることができます。このセキュリティーオプションを使用できるのは初期インストールのときだけで、アップグレード時には使用できません。アップグレードでは、以前に設定したサービスが保持されます。ただし netservices コマンドを使用すれば、必要に応じてアップグレード後にネットワークサービスを制限することができます。詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ネットワークセキュリティーの計画」を参照してください。
インストール後に netservices open を使用してネットワークサービスを使用可能にしたり、SMF コマンドを使用して個別のサービスを使用可能にしたりできます。詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。
インストールするシステムのホスト名
キー配列
キーボードが自己識別型の場合は、インストール時にキー配列が自動的に設定されます。キーボードが自己識別型でない場合は、インストール時にサポートされているキー配列の一覧から選択できます。
PS/2 キーボードは自己識別型ではありません。インストール時にキー配列を選択するように求められます。
詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)』の「keyboard キーワード」を参照してください。
システムで使用する予定の言語とロケール
ホスト IP アドレス
サブネットマスク
ネームサービスの種類 (DNS、NIS、NIS+ など)
ドメイン名
インストール時に、デフォルトの NFSv4 ドメイン名を選択できます。あるいは、カスタムの NFSv4 ドメイン名を指定することもできます。詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール時に設定可能な NFSv4 ドメイン名」を参照してください。
ネームサーバーのホスト名
ネームサーバーのホスト IP アドレス
root パスワード
システムをインストールするために収集する必要のある情報については、「インストール用のチェックリスト」を参照してください。システムのアップグレードを行う場合は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「アップグレード用のチェックリスト」を参照してください。チェックリストで説明したように、インストール時またはアップグレード時に、自動登録のサポート資格情報とプロキシ情報を指定する必要がある場合があります。
システムに非大域ゾーンが含まれている場合は、アップグレードプログラムまたはパッチを追加するプログラムとして、Solaris Live Upgrade を推奨します。ほかのアップグレードプログラムでは、膨大なアップグレード時間が必要となる場合があります。これは、アップグレードの実行に要する時間が、インストールされている非大域ゾーンの数に比例して増加するからです。
Solaris Live Upgrade を使ったアップグレード方法については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)』のパート I「Solaris Live Upgrade によるアップグレード」を参照してください。
(省略可能) システムのバックアップをとります。
既存のデータやアプリケーションを保持するには、システムのバックアップをとります。システムのバックアップ方法についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』の第 23 章「UFS ファイルシステムのバックアップと復元 (概要)」を参照してください。
Solaris Operating System DVD (SPARC 版) または Solaris SOFTWARE - 1 CD (SPARC 版) を挿入します。
ok プロンプトが表示されます。
ローカルの DVD または CD からブートし、Solaris インストール GUI をデスクトップセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom |
ローカルの DVD または CD からブートし、テキストインストーラをデスクトップセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom - text |
テキストインストーラをデスクトップセッションで実行することを指定します。このオプションは、デフォルトの GUI インストーラよりも優先されます。
ローカルの DVD または CD からブートし、テキストインストーラをコンソールセッションで起動するには、次のコマンドを入力します。
ok boot cdrom - nowin |
テキストインストーラをコンソールセッションで実行することを指定します。このオプションは、デフォルトの GUI インストーラよりも優先されます。
Solaris インストールプログラムの GUI およびテキストインストーラの詳細は、「Solaris インストールプログラムの GUI またはテキストインストーラの要件」を参照してください。
オペレーティングシステムが自己識別キーボードを見つけられない場合は、次の画面にキー配列の選択情報が表示されます。
PS/2 キーボードは自己識別型ではありません。インストール時にキー配列を選択するように求められます。
(省略可能) 下に示す画面から必要なキー配列を選択し、F2 キーを押して続行します。
Configure Keyboard Layout +---------------------------------------------------------------------------+ | Please specify the keyboard layout from the list below. | | | | To make a selection, use the arrow keys to highlight the option and | | press Return to mark it [X]. | | | | Keyboard Layout | | ----------------------- | | [ ] Serbia-And Montenegro | | [ ] Slovenian | | [ ] Slovakian | | [ ] Spanish | | [ ] Swedish | | [ ] Swiss-French | | [ ] Swiss-German | | [ ] Taiwanese | | [ ] TurkishQ | | [ ] TurkishF | | [ ] UK-English | | [ X] US-English | | | | F2_Continue F6_Help | +---------------------------------------------------------------------------+ |
システムでデバイスとインタフェースが構成され、構成ファイルが検索されます。前の方の手順で GUI インストールを選択した場合は、次の 2 つの画面で GUI が機能しているかどうかを確認します。
(省略可能) 次の画面で、Enter キーを押します。
Starting Solaris Interactive (graphical user interface) Installation +------------------------------------------------------------+ | You must respond to the first question within 30 seconds | | or the installer proceeds in a non-window environment | | (console mode). | | | | If the screen becomes blank or unreadable the installer | | proceeds in console mode. | | | | If the screen does not properly revert to console mode, | | restart the installation and make the following selection: | | | | Solaris Interactive Text (Console session) | -------------------------------------------------------------+ |
グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を表示するのに必要なメモリーがシステムに不足している場合は、プログラムが終了し、エラーメッセージが表示されます。メモリーをアップグレードして、インストールを再開できます。
インストールに必要なメモリーが不足している場合、別の方法として、インストールを再開し、GUI インストーラオプションではなくテキストインストーラオプションを選択します。
進捗メッセージが完了すると、別の確認画面が表示されます。
(省略可能) 次のテキスト画面内にカーソルを移動して、Enter キーを押します。
言語の選択肢の一覧が表示されます。
システム構成の質問に答えます。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合は、構成情報の入力は求められません。詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)』の第 2 章「システム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。
すべてのシステム情報が事前設定されている場合以外は、インストールプログラムのいくつかの画面で情報の入力が求められます。「インストール用のチェックリスト」を参照して、構成の質問に答えてください。
インストール時に、デフォルトの NFSv4 ドメイン名を選択できます。あるいは、カスタムの NFSv4 ドメイン名を指定することもできます。ドメイン名を指定する方法についての詳細は、 『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール時に設定可能な NFSv4 ドメイン名」を参照してください。
構成の質問の 1 つで、リモートクライアントによるネットワークサービスの使用を可能にするかどうかを尋ねられます。デフォルトの回答は「はい」です。
「いいえ」を選択すると、より高いセキュリティーで保護された構成となり、リモートクライアントに提供されるネットワークサービスは Secure Shell だけになります。「はい」を選択すると、以前の Solaris リリースと同様に、より多くのサービスが使用可能になります。インストール後に任意のサービスを使用可能にできるため、「いいえ」を選択しても問題ありません。これらのオプションについての詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「ネットワークセキュリティーの計画」を参照してください。
ネットワークサービスは、netservices open コマンドを使用するか、SMF コマンドを使用して個別にサービスを有効にする方法で、インストール後に有効にすることができます。詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「インストール後のセキュリティー設定の修正」を参照してください。
構成の質問に答え終わると、「ようこそ」画面が表示されます。「次へ (Next)」をクリックします。
「インストーラ・オプション (Installer Questions)」画面が表示されます。
システムのリブートとディスクの取り出しを自動的に行うかどうかを決定します。「次へ (Next)」をクリックします。
重要: インストール後に自動登録を無効にする場合は、自動リブートの選択を解除してください。
「媒体の指定 (Specify Media)」画面が表示されます。
インストールに使用するメディアを指定します。「次へ (Next)」をクリックします。
ライセンスパネルが表示されます。
インストールを続行する場合は、ライセンス条項に同意します。「次へ (Next)」をクリックします。
その後、システムがアップグレード可能かどうかが判定されます。システムをアップグレードするには、Solaris ルート (/) ファイルシステムがすでに存在している必要があります。Solaris インストールプログラムは、必要な条件を検出すると、アップグレードを行います。
「「アップグレード」または「初期」インストールの選択」画面が表示されます。
初期インストールまたはアップグレードのいずれかを選択します。「次へ (Next)」をクリックします。
次の画面では、デフォルトインストールまたはカスタムインストールを選択できます。
実行するインストールの種類を選択します。「次へ (Next)」をクリックします。
全体ディストリビューションをインストールするには、「デフォルトインストール」を選択します。
特定のソフトウェアグループをインストールする
追加のソフトウェアをインストールする
特定のソフトウェアパッケージをインストールする
特定のロケールをインストールする
ディスク配置をカスタマイズする
ソフトウェアグループの詳細については、「ソフトウェアグループごとの推奨ディスク容量」を参照してください。
テキストインストーラでは、「デフォルトインストール」か「カスタムインストール」かの選択は表示されません。デフォルトインストールを実行するには、テキストインストーラに表示されるデフォルト値をそのまま使用します。カスタムインストールを実行するには、テキストインストーラの画面で値を編集します。
構成に関する追加の質問が表示される場合は、それらに答えます。
インストールまたはアップグレードの前に sysidcfg ファイルで auto_reg キーワード を使用して自動登録設定を行った場合は、構成に関する質問にすべて答える一部としてその情報が求められることはありません。
自動登録については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の「Oracle Solaris 自動登録」を参照してください。
sysidcfg ファイルに auto_reg キーワードを含めなかった場合は、構成に関する質問にすべて答える一部として自動登録に関する情報を指定するように求められます。
インストールまたはアップグレードの最後に自動登録を無効にする場合は、何も情報を入力せずにこれらの自動登録画面を進めることができます。
サポート資格情報を使って登録するか、匿名でデータを送信するかを選択します。
GUI 画面が表示されます。資格情報を使った登録を選択するか、選択を解除します。「次へ」をクリックして続行します。
または、テキストインストーラ画面が表示されます。
テキスト画面では、オプションボックスに移動するときは、矢印キーを使用します。オプションボックスに印を付けて、サポート資格情報を使って登録するときは、Return キーを押します。続けるときは、Esc_2 キーを押します。
要求されたプロキシ情報と資格情報を指定します。
前の画面で登録することを選択した場合は、My Oracle Support のユーザー名とパスワードを指定するように求められます。プロキシサーバーを使用する場合は、サーバーのホスト名とポート番号、およびプロキシのユーザー名とパスワードを指定できます。
前の画面で匿名の登録を選択した場合は、この画面ではプロキシ情報だけを求められます。
または、テキストインストールの場合は、次の画面が表示されます。
行間を移動するときは、矢印キーを使用します。サポート資格情報とプロキシエントリ (オプション) を入力します。続けるときは、Esc_2 キーを押します。
「インストールの準備完了」画面が表示されます。
「インストールの準備完了」画面を確認します。
GUI 画面が表示されます。テキストインストール画面にも、同じサマリー情報が含まれています。
「インストール開始」をクリックして、Solaris ソフトウェアをインストールします。画面の指示に従って、Solaris ソフトウェアをインストールします。
Solaris ソフトウェアプログラムのインストールが終了すると、システムは自動的にリブートするか、または手動でリブートするように促します。
追加の製品をインストールする場合は、その製品の DVD または CD を挿入するように指示が表示されます。インストール手順については、該当するインストールマニュアルを参照してください。
インストールが終了すると、インストールログがファイルに保存されます。インストールログは、/var/sadm/system/logs ディレクトリと /var/sadm/install/logs ディレクトリに作成されます。
初期インストールの場合は、これでインストールが完了します。
Solaris ソフトウェアのアップグレードを行なっている場合は、保持されなかったローカルな変更があればそれを修正する必要があります。手順 a に進んでください。
前に自動リブートの選択を解除した場合は、次の 2 つのオプションのいずれかを選択します。
自動登録を無効にしない場合は、インストールメディアを取り出してから、次に示すように、手動でシステムをリブートします。
# reboot |
自動登録を無効にして、リブート時に構成データをオラクルに送信しない場合は、手動でシステムをリブートする前に、次の手順を実行します。
次の手順に従って自動登録を無効にするには、インストール画面の最初のほうで自動リブートの選択を解除しておく必要があります。
システムが自動的にリブートする場合は、次の手順に従って自動登録を無効にすることはできません。代わりに、自動リブート後に、regadm コマンドを使用して自動登録を無効にできます。詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 17 章「Oracle Solaris 自動登録コマンド regadm の操作 (手順)」を参照してください。
インストールまたはアップグレード時に問題が発生する場合は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (カスタム JumpStart/上級編)』の付録 A「問題発生時の解決方法 (作業)」を参照してください。