Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)

Procedurex86: GRUB を使用してネットワーク経由でクライアントをインストールする方法 (DVD)

x86 システム用の Solaris インストールプログラムでは、GRUB ブートローダーが使用されます。この手順では、GRUB ブートローダーを使用してネットワーク経由で x86 システムをインストールする方法を説明します。GRUB ブートローダーの概要については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』の第 7 章「SPARC および x86 ベースのブート (概要と計画)」を参照してください。

ネットワーク経由でシステムをインストールするには、ネットワーク経由でブートするようにクライアントシステムに指示する必要があります。システム BIOS またはネットワークアダプタ BIOS のどちらか一方、またはその両方の BIOS 設定プログラムを使うことによって、クライアントシステム上でネットワークブートを使用できるようにします。いくつかのシステムでは、ほかのデバイスからのブートよりも先にネットワークブートが実行されるように、ブートデバイスの優先順位を調整する必要があります。各設定プログラムに関しては、製造業者のマニュアルを参照するか、またはブート中に表示される設定プログラムの指示を参照してください。

始める前に

この手順では、次の作業が完了していることを前提としています。

この手順では、システムをネットワークからブートできることも前提としています。

  1. システムの電源を入れます。

  2. 適切な組み合わせでキーを押して、システム BIOS に入ります。

    PXE 対応ネットワークアダプタの中には、ブート時にしばらく表示されるプロンプトに対して特定のキーを押すと、PXE ブートを実行する機能を持つものがあります。

  3. ネットワークからブートするようにシステム BIOS で指定します。

    ブートの優先順位を BIOS で設定する方法については、ハードウェアのマニュアルを参照してください。

  4. BIOS を終了します。

    システムがネットワークからブートします。GRUB メニューが表示されます。


    注 –

    使用しているネットワークインストールサーバーの構成によっては、システムに表示される GRUB メニューが次の例と異なる場合があります。



    GNU GRUB version 0.95 (631K lower / 2095488K upper memory)
    +-----------------------------------------------------------------------------------------------------------+
    | Solaris 10 9/10 /cdrom0                                                           
    |                                                                                                           |
    |                                                                                                           |
    +-----------------------------------------------------------------------------------------------------------+
    Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted.
    Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the
    commands before booting, or 'c' for a command-line.
  5. 適切なインストールオプションを選択します。

    • ネットワーク経由で Solaris OS をインストールするには、メニューから適切な Solaris エントリを選択して Enter キーを押します。

      「SPARC または x86 DVD メディアを使用してインストールサーバーを作成する方法」で設定したネットワークインストールサーバーからインストールする場合は、このエントリを選択します。

    • 特定のブート引数を指定してネットワーク経由で Solaris OS をインストールする場合は、次の手順に従います。

      インストール中にデバイス構成を変更する場合は、add_install_client を実行してネットワークからインストールするシステムを追加する方法 (DVD)」に説明されているように add_install_client コマンドを使用してあらかじめブート引数を設定していないと、特定のブート引数の設定が必要な場合があります。

      1. GRUB メニューで、編集するインストールオプションを選択してから、e キーを押します。

        GRUB メニューに、次のようなブートコマンドが表示されます。


        kernel /I86pc.Solaris_10/multiboot kernel/unix \
        -B install_media=192.168.2.1:/export/cdrom0/boot \
        module /platform/i86pc/boot_archive
      2. 矢印キーを使用して編集するブートエントリを選択してから、e キーを押します。

        編集するブートコマンドが、GRUB 編集ウィンドウに表示されます。

      3. 使用するブート引数またはオプションを入力して、ブートコマンドを編集します。

        GRUB 編集メニューでは、次のコマンド構文を使用します。


        grub edit>kernel /image_directory/multiboot kernel/unix/ \
        install [url|ask] -B options install_media=media_type
        

        ブート引数およびコマンド構文の詳細については、表 9–1 を参照してください。

      4. 行なった編集を確定して GRUB メニューに戻るには、Enter キーを押します。


        注 –

        行なった編集を取り消して GRUB メニューに戻るには、Esc キーを押します。


        GRUB メニューが表示されます。ブートコマンドに行なった編集が表示されます。

      5. インストールを開始するには、GRUB メニューに b と入力します。

    デフォルトのブートディスクが、システムのインストールまたはアップグレードに必要な条件を満たしているかどうかが検査されます。Solaris インストールがシステム構成を検出できない場合は、不足している情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。

    検査が完了すると、インストールの選択画面が表示されます。

  6. インストールの種類を選択します。

    インストールの選択画面には、次のオプションが表示されます。


          Select the type of installation you want to perform:
    
             1 Solaris Interactive
             2 Custom JumpStart
             3 Solaris Interactive Text (Desktop session)
             4 Solaris Interactive Text (Console session)
             5 Apply driver updates
             6 Single user shell
    
             Enter the number of your choice followed by the <ENTER> key.
             Alternatively, enter custom boot arguments directly.
    
             If you wait 30 seconds without typing anything,
             an interactive installation will be started.
    • Solaris OS をインストールするには、次のいずれかの操作を行います。

      • Solaris の対話式インストール GUI を使ってインストールするには、1 と入力してから Enter キーを押します。

      • デスクトップセッションで対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、3 と入力してから Enter キーを押します。

        このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。

      • コンソールセッションで対話式テキストインストーラを使ってインストールするには、4 と入力してから Enter キーを押します。

        このインストールの種類を選択すると、デフォルトの GUI インストーラを無効にしてテキストインストーラを実行します。

      自動的なカスタム JumpStart インストール (オプション 2) を実行する場合は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (カスタム JumpStart/上級編)』を参照してください。

      Solaris インストール GUI およびテキストインストーラの詳細は、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (インストールとアップグレードの計画)』「システム要件と推奨事項」を参照してください。

      システムでデバイスとインタフェースが構成され、構成ファイルが検索されます。インストールプログラムが開始します。手順 7 に進んでインストールを続行してください。

    • インストールする前にシステム管理作業を実行する場合は、次のいずれかの操作を行います。

      • ドライバを更新するか、インストール時更新 (ITU) をインストールする場合は、更新するためのメディアを挿入して 5 を入力し、Enter キーを押します。

        使用するシステム上で Solaris OS を実行するために、ドライバの更新または ITU のインストールが必要になる場合があります。ドライバの更新または ITU のインストールを行う手順に従ってください。

      • システム管理作業を実行する場合は、6 を入力してから、Enter キーを押します。

        インストールする前にシステム管理作業を実行する必要がある場合には、シングルユーザーシェルを起動します。インストールする前に実行できるシステム管理作業については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』を参照してください。

      これらのシステム管理作業が完了すると、前の手順で表示されたオプションリストが表示されます。インストールを続行する場合は、適切なオプションを選択してください。

  7. システム構成の質問に答えます。

    インストール GUI を使用している場合は、システム構成情報の確認が終わると、「ようこそ (Welcome)」パネルが表示されます。

  8. さらに質問が表示されたら、質問にすべて答えてインストールを完了します。

  9. システムがネットワーク経由でブートし、インストールされたら、次回以降はディスクドライブからブートするようにシステムに指示します。


    注 –

    インストール後にシステムをブートすると、インストール済みのオペレーティングシステムの一覧が GRUB メニューに表示されますが、これには新しくインストールした Solaris OS も含まれます。ブートするオペレーティングシステムを選択します。新たに選択を行わなかった場合は、デフォルトの選択が読み込まれます。


次の手順

使用するマシンに複数のオペレーティングシステムをインストールする場合、ブートするためには、それらのオペレーティングシステムを GRUB ブートローダーに認識させる必要があります。詳細については、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「x86 システムのブート動作を変更する」を参照してください。

参照

Solaris インストール GUI による対話式インストールを完了させる方法については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (基本編)』「GRUB 付き Solaris インストールプログラムを使用してインストールまたはアップグレードを行う方法」を参照してください。