Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

第 4 章 Solaris Live Upgrade によるブート環境の作成 (作業)

この章では、Solaris Live Upgrade パッケージとパッチのインストール、およびブート環境の作成について説明します。


注 –

この章では、UFS ファイルシステム用の Solaris Live Upgrade について説明します。UFS ファイルシステムを ZFS ルートプールに移行する、または ZFS ルートプールを作成およびインストールする手順については、第 13 章ZFS ルートプールのブート環境の作成を参照してください。


この章の内容は次のとおりです。

作業マップ: Solaris Live Upgrade のインストールとブート環境の作成

表 4–1 作業マップ: Solaris Live Upgrade の使用

作業  

説明 

参照先 

Solaris Live Upgrade パッケージをインストールします 

OS にパッケージをインストールします 

「Solaris Live Upgrade のインストール」

システムにパッチをインストールします 

Solaris Live Upgrade には、特定のパッチリビジョンセットが必要です 

「Solaris Live Upgrade に必要なパッチのインストール」

ブート環境を作成します 

非アクティブブート環境にファイルシステムをコピーして再構成します 

「新しいブート環境の作成」

Solaris Live Upgrade のインストール

Solaris Live Upgrade を実行する前に、インストールメディアに含まれている最新の Solaris Live Upgrade パッケージと SunSolve Infodoc 206844 に記載されているパッチをインストールしてください。現在の OS に Solaris Live Upgrade パッケージをインストールし、古いパッケージを削除する必要があります。アップグレード後の OS のリリース番号と同じリリース番号の Solaris Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。たとえば、OS を現在使用している Solaris 9 リリースから Solaris 10 9/10 リリースにアップグレードする場合、Solaris 10 9/10 リリースの Solaris Live Upgrade パッケージをインストールする必要があります。SunSolve Infodoc 206844 に記載されているパッチもインストールする必要があります。最新のパッケージとパッチにより、リリースに最新のバグ修正と新機能がすべて含まれるようになります。新しいブート環境の作成に進む前に、システムに関連するすべてのパッチを必ずインストールしてください。

Sunsolve Infodoc 206844 には、古いパッケージを削除して新しいパッケージをインストールする方法と、必要なパッチのリストが記載されています。以下の手順では、Infodoc 206844 に記載されている手順についてさらに詳しく説明しています。

Procedurepkgadd コマンドを使用して Solaris Live Upgrade をインストールする方法

パッケージをインストールするには、インストール DVD または CD にある liveupgrade20 コマンドか、pkgadd コマンドを使用します。liveupgrade20 コマンドを使用する場合は、Java ソフトウェアが必要です。システムに Java ソフトウェアがインストールされていない場合は、pkgadd コマンドを使用してパッケージをインストールする必要があります。詳細については、SunSolve Infodoc を参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 既存の Solaris Live Upgrade パッケージを削除します。

    3 つの Solaris Live Upgrade パッケージ SUNWluuSUNWlur、および SUNWlucfg は、Solaris Live Upgrade を使ってアップグレードまたはパッチを適用するのに必要なソフトウェアを構成します。これらのパッケージには、既存のソフトウェア、新しい機能、およびバグ修正が含まれています。Solaris Live Upgrade を使用する前に、既存パッケージを削除しないで新しいパッケージをシステムにインストールすると、ターゲットリリースへのアップグレードまたはパッチ適用は失敗します。SUMWlucfg パッケージは、Solaris 10 8/07 以降のリリースの新機能です。Solaris 10 8/07 より前のリリースから Solaris Live Upgrade パッケージを使用する場合は、このパッケージを削除する必要はありません。


    # pkgrm SUNWlucfg SUNWluu SUNWlur
    
  3. 次の順序でパッケージをインストールします。


    # pkgadd -d path_to_packages SUNWlucfg SUNWlur SUNWluu   
    
    path_to_packages

    ソフトウェアパッケージのあるディレクトリの絶対パスを指定します。

  4. 指定したパッケージが正常にインストールされていることを確認します。


    # pkgchk -v SUNWlucfg SUNWlur SUNWluu
    

ProcedureSolaris インストールプログラムを使用して Solaris Live Upgrade をインストールする方法

パッケージをインストールするには、インストール DVD または CD にある liveupgrade20 コマンドを使用します。liveupgrade20 コマンドを使用する場合は、Java ソフトウェアが必要です。システムに Java ソフトウェアがインストールされていない場合は、pkgadd コマンドを使用してパッケージをインストールする必要があります。詳細については、SunSolve Infodoc を参照してください。


注 –

この手順では、システムでボリュームマネージャーを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャーを使用したリムーバブルメディアの管理の詳細は、『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』を参照してください。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 既存の Solaris Live Upgrade パッケージを削除します。

    3 つの Solaris Live Upgrade パッケージ SUNWluuSUNWlur、および SUNWlucfg は、Solaris Live Upgrade を使ってアップグレードまたはパッチを適用するのに必要なソフトウェアを構成します。これらのパッケージには、既存のソフトウェア、新しい機能、およびバグ修正が含まれています。Solaris Live Upgrade を使用する前に、既存パッケージを削除しないで新しいパッケージをシステムにインストールすると、ターゲットリリースへのアップグレードまたはパッチ適用は失敗します。SUMWlucfg パッケージは、Solaris 10 8/07 以降のリリースの新機能です。Solaris 10 8/07 より前のリリースから Solaris Live Upgrade パッケージを使用する場合は、このパッケージを削除する必要はありません。


    # pkgrm SUNWlucfg SUNWluu SUNWlur
    
  3. Solaris Operating System DVD または Solaris SOFTWARE - 2 CD を挿入します。

  4. インストーラを実行します。

    • Solaris Operating System DVD を使用している場合は、インストーラのあるディレクトリに移動し、インストーラを実行します。


      # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_10/Tools/Installers
      # ./liveupgrade20
      

      Solaris インストールプログラムの GUI が表示されます。スクリプトを使用する場合は、-noconsole オプションと -nodisplay オプションを使用することで、GUI が表示されるのを防ぐことができます。

    • Solaris SOFTWARE - 2 CD を使用している場合は、インストーラを実行します。


      % ./installer
      

      Solaris インストールプログラムの GUI が表示されます。

  5. 「インストール形式の選択 (Select Type of Install)」パネルで「カスタム (Custom)」をクリックします。

  6. 「ロケールの選択 (Locale Selection)」パネルで、インストールする言語をクリックします。

  7. インストールするソフトウェアを選択します。

    • DVD の場合、「コンポーネントの選択 (Component Selection)」パネルの「次へ (Next)」をクリックしてパッケージをインストールします。

    • CD の場合、「製品の選択 (Product Selection)」パネルの Solaris Live Upgrade の項目で「デフォルトインストール (Default Install)」をクリックします。また、ソフトウェアの選択を解除するには、ほかの製品をクリックします。

  8. Solaris インストールプログラムの指示に従って、ソフトウェアをインストールします。

    必要なパッチをインストールする準備が整いました。

Solaris Live Upgrade に必要なパッチのインストール

説明 

詳細 


注意 – 注意 –

Solaris Live Upgrade を正しく操作するためには、指定の OS バージョン用の特定のパッチリビジョンのセットがインストールされている必要があります。Solaris Live Upgrade をインストールまたは実行する前に、これらのパッチをインストールする必要があります。



x86 のみ –

このパッチのセットがインストールされていない場合、Solaris Live Upgrade は失敗し、次のエラーメッセージが表示されることがあります。次のエラーメッセージが表示されなくても、必要なパッチがインストールされていない場合があります。Solaris Live Upgrade のインストールを試みる前に、SunSolve の Infodoc に記載されたすべてのパッチがすでにインストール済みであることを必ず確認してください。


ERROR: Cannot find or is not 
executable: </sbin/biosdev>.
ERROR: One or more patches required by 
Live Upgrade has not been installed.

Infodoc 206844 (以前の 72099) に記載されたパッチは、随時変更される可能性があります。これらのパッチにより、Solaris Live Upgrade の欠陥が修正される可能性があると同時に、Solaris Live Upgrade が依存するコンポーネントの欠陥も修正される可能性があります。Solaris Live Upgrade で問題が発生した場合は、最新の Solaris Live Upgrade パッチがインストールされていることを確認してください。 

http://sunsolve.sun.com で最新のパッチリストを確認してください。SunSolve の Web サイトで、Infodoc 206844 (以前の 72099) を検索してください。

Solaris 8、または Solaris 9 OS を実行している場合、Solaris Live Upgrade インストーラを実行できないことがあります。これらのリリースには、Java 2 Runtime Environment の実行に必要なパッチのセットが含まれていません。Solaris Live Upgrade インストーラを実行してパッケージをインストールするには、Java 2 Runtime Environment の推奨パッチクラスタが必要です。 

Solaris Live Upgrade パッケージをインストールするには、pkgadd コマンドを使用します。または、Java 2 Runtime Environment 推奨パッチクラスタをインストールします。このパッチクラスタは http://sunsolve.sun.com から入手できます。

Procedure必要なパッチをインストールするには

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ローカルディスクにパッチを保存する場合は、/var/tmp/lupatches などのディレクトリを作成します。

  3. SunSolve の Web サイトから、パッチ一覧を取得します。

  4. この例のようにパッチディレクトリに移動します。


    # cd /var/tmp/lupatches
    
  5. patchadd コマンドを使用してパッチをインストールします。


    # patchadd path_to_patches patch-id  patch-id
    

    patch_id はパッチの番号です。複数のパッチ名を指定する場合は、スペースで区切ります。


    注 –

    パッチは、infodoc 206844 で指定された順序で適用する必要があります。


  6. 必要に応じてシステムをリブートします。いくつかのパッチは、有効にするためにリブートする必要があります。

    x86 のみ: システムをリブートする必要があります。そうしないと、Solaris Live Upgrade は失敗します。


    # init 6
    

    以上で新しいブート環境を正しく作成するために必要なパッケージとパッチがインストールされました。

新しいブート環境の作成

ブート環境を作成すると、クリティカルファイルシステムをアクティブなブート環境から新しいブート環境にコピーできます。必要に応じてディスクを再編成し、ファイルシステムをカスタマイズして、クリティカルファイルシステムを新しいブート環境にコピーするには、lucreate コマンドを使用します。

ファイルシステムは、新しいブート環境にコピーする前にカスタマイズできます。このため、クリティカルファイルシステムディレクトリを親のディレクトリにマージすることも、親ディレクトリから分離することも可能になります。ユーザー定義の (共有可能) ファイルシステムは、デフォルトで複数のブート環境で共有されます。ただし、必要に応じて共有可能なファイルシステムをコピーすることもできます。スワップ (共有可能なボリューム) の分割やマージも可能です。クリティカルファイルシステムと共有可能ファイルシステムの概要については、「ファイルシステムのタイプ」を参照してください。


注 –

この章では、UFS ファイルシステム用の Solaris Live Upgrade について説明します。UFS ファイルシステムを ZFS ルートプールに移行する、または ZFS ルートプールを作成およびインストールする手順については、第 13 章ZFS ルートプールのブート環境の作成を参照してください。


Procedureブート環境をはじめて作成する

lucreate コマンドに -m オプションを指定することにより、新しいブート環境に作成するファイルシステムとその数を指定できます。作成するファイルシステムの数だけ、このオプションを繰り返し指定する必要があります。たとえば、-m オプションを 1 回だけ使用した場合、すべてのファイルシステムが指定の場所に格納されます。元のブート環境のすべてのファイルシステムが、-m で指定されたファイルシステムにマージされます。-m オプションを 2 回使用すると、ファイルシステムが 2 つ作成されます。-m オプションを使ってファイルシステムを作成する場合、次の項目に留意してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力して新しいブート環境を作成します。


    # lucreate [-A 'BE_description'] -c BE_name \
     -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m ...] -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -c BE_name

    アクティブブート環境に名前 BE_name を割り当てます。このオプションは省略可能で、最初のブート環境を作成する場合だけ使用されます。lucreate を初めて実行する場合に -c オプションを省略すると、デフォルトの名前が作成されます。

    デフォルトの名前は、次の基準に従って選択されます。

    • 物理ブートデバイスが判別可能な場合は、その物理ブートデバイスのベース名が現在のブート環境の名前になります。

      たとえば、物理ブートデバイスが /dev/dsk/c0t0d0s0 であれば、現在のブート環境には c0t0d0s0 という名前が与えられます。

    • 物理ブートデバイスが判別不可能な場合は、uname コマンドの -s オプションと -r オプションで取得される名前が組み合わされます。

      たとえば、uname -s で取得される OS の名前が SunOS、uname -r で取得されるリリース名が 5.9 であれば、現在のブート環境には SunOS5.9 という名前が与えられます。

    • 上記のどちらの方法でも名前を決定できない場合、現在のブート環境には current という名前が与えられます。


    注 –

    最初のブート環境を作成した後は、-c オプションを指定しても無視されるか、エラーメッセージが表示されます。

    • 現在のブート環境と同じ名前を指定すると、このオプションは無視されます。

    • 現在のブート環境と異なる名前を指定すると、作成は失敗し、エラーメッセージが表示されます。次の例は、ブート環境の名前によってエラーメッセージが発生するようすを示しています。


      # lucurr 
      c0t0d0s0
      # lucreate -c /dev/dsk/c1t1d1s1 -n newbe -m /:/dev/dsk/c1t1d1s1:ufs
      ERROR: current boot environment name is c0t0d0s0: cannot change
      name using <-c c1t1d1s1>

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を vfstab で指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのボリューム名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/md/vxfs/dsk/dnum の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–1 ブート環境の作成

この例では、アクティブブート環境の名前は first_disk です。-m オプションはファイルシステムのマウントポイントを表します。ルート (/) ファイルシステムと /usr ファイルシステムが作成されます。新しいブート環境の名前は second_disk です。「mydescription」という記述は、second_disk に対応しています。新しいブート環境 second_disk のスワップは、自動的にソースである first_disk から共有されます。


# lucreate -A 'mydescription' -c first_disk  -m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs \
-m /usr:/dev/dsk/c0t4d0s3:ufs  -n second_disk

Procedureブート環境を作成しファイルシステムをマージする


注 –

lucreate コマンドに -m オプションを指定することにより、新しいブート環境に作成するファイルシステムとその数を指定できます。作成するファイルシステムの数だけ、このオプションを繰り返し指定する必要があります。たとえば、-m オプションを 1 回だけ使用した場合、すべてのファイルシステムが指定の場所に格納されます。元のブート環境のファイルシステムがすべて 1 つのファイルシステムにマージされます。-m オプションを 2 回使用すると、ファイルシステムが 2 つ作成されます。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力します。


    # lucreate  -A 'BE_description' \ 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options \ 
    -m [...] -m mountpoint:merged:fs_options -n BE_name
    
    -A BE_description

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–2 ブート環境を作成しファイルシステムをマージする

この例の場合、現在のブート環境には、ルート (/) ファイルシステム、/usr ファイルシステム、/opt ファイルシステムがあります。/opt ファイルシステムは、親ファイルシステム /usr にマージされます。新しいブート環境の名前は second_disk です。「mydescription」という記述は、second_disk に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -c first_disk \
 -m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs -m /usr:/dev/dsk/c0t4d0s1:ufs \
 -m /usr/opt:merged:ufs -n second_disk

Procedureブート環境を作成しファイルシステムを分割する


注 –

ブート環境のファイルシステムを作成する場合のルールは、Solaris OS のファイルシステムを作成する場合と同じです。Solaris Live Upgrade では、クリティカルファイルシステムに無効な構成を作成してしまうことを回避できません。たとえば、lucreate コマンドを入力して、ルート (/) と /kernel に別々のファイルシステムを作成することができますが、このようにルート (/) ファイルシステムを分割するのは誤りです。


1 つのディレクトリを複数のマウントポイントに分割すると、ファイルシステム間でハードリンクが維持されなくなります。たとえば、/usr/stuff1/file/usr/stuff2/file にハードリンクされている場合に /usr/stuff1/usr/stuff2 を別々のファイルシステムに分割すると、ファイル間のリンクは解除されます。lucreate から警告メッセージが表示され、解除されたハードリンクの代わりとなるシンボリックリンクが作成されます。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力します。


    # lucreate [-A 'BE_description'] \
     -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options \ 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options -n new_BE
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。


例 4–3 ブート環境を作成しファイルシステムを分割する

この例では、前述のコマンドによって ルート (/) ファイルシステムを新しいブート環境内の複数のディスクスライスに分割しています。ここでは、/usr/var、および /opt をすべてルート (/) に置いている次のソースブート環境を想定してください。 /dev/dsk/c0t0d0s0 /

新しいブート環境で、次に示すように別々のスライスにマウントすることによって、ファイルシステム /usr/var/opt を分割します。

/dev/dsk/c0t1d0s0 /

/dev/dsk/c0t1d0s1 /var

/dev/dsk/c0t1d0s7 /usr

/dev/dsk/c0t1d0s5 /opt

mydescription」という記述は、ブート環境名 second_disk に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -c first_disk \
 -m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs -m /usr:/dev/dsk/c0t1d0s7:ufs  \ 
-m /var:/dev/dsk/c0t1d0s1:ufs -m /opt:/dev/dsk/c0t1d0s5:ufs \ 
-n second_disk

新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


Procedureブート環境を作成しスワップを再構成する

スワップスライスは、デフォルトでは複数のブート環境で共有されます。-m オプションでスワップを指定「しない」場合、現在のブート環境と新しいブート環境が同じスワップスライスを共有します。新しいブート環境のスワップを構成し直す場合は、 -m オプションを使用してそのブート環境に対してスワップスライスの追加または削除を行なってください。


注 –

スワップスライスを分割したりマージしたりするには、現在のブート環境 (-s オプションを使用した場合はソースブート環境) 以外のブート環境では、スワップスライスが使用中であってはならないという制限があります。ファイルシステムの種類 (スワップ、ufs など)  にかかわらず、スワップスライスがほかのブート環境によって使用されている場合、ブート環境の作成は失敗します。

既存のスワップスライスを使用してブート環境を作成した後、vfstab ファイルを編集することができます。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力します。


    # lucreate  [-A 'BE_description'] \
     -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options \ 
    -m -:device:swap -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、一意となるように指定する必要があります。

    スワップが別のスライスまたはデバイスに移動し、新しいブート環境が作成されます。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–4 ブート環境を作成しスワップを再構成する

この例の場合、現在のブート環境には、/dev/dsk/c0t0d0s0 にルート (/)、/dev/dsk/c0t0d0s1 にスワップがあります。新しいブート環境はルート (/) を /dev/dsk/c0t4d0s0 にコピーし、/dev/dsk/c0t0d0s1/dev/dsk/c0t4d0s1 の両方をスワップスライスとして使用します。「mydescription」という記述は、ブート環境名 second_disk に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -c first_disk \ 
-m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs -m -:/dev/dsk/c0t0d0s1:swap \ 
-m -:/dev/dsk/c0t4d0s1:swap -n second_disk 

これらのスワップ割り当ては、second_disk からブートが行われて初めて有効になります。スワップスライスが多数存在する場合は、-M オプションを使用してください。「リストを使用してブート環境を作成しスワップを再構成する」を参照してください。


Procedureリストを使用してブート環境を作成しスワップを再構成する

スワップスライスが多数存在する場合は、スワップリストを作成してください。lucreate は、新しいブート環境のスワップスライスにこのリストを使用します。


注 –

スワップスライスを分割したりマージしたりするには、現在のブート環境 (-s オプションを使用した場合はソースブート環境) 以外のブート環境では、スワップスライスが使用中であってはならないという制限があります。スワップスライスのファイルシステムの種類 (swap、ufs) などにかかわらず、スワップスライスがほかのブート環境によって使用されている場合、ブート環境の作成は失敗します。


  1. 新しいブート環境で使用されるスワップスライスのリストを作成します。このファイルの場所と名前はユーザーが決定できます。この例では、/etc/lu/swapslices ファイルにはデバイスとスライスが挙げられています。


    -:/dev/dsk/c0t3d0s2:swap
    -:/dev/dsk/c0t3d0s2:swap
    -:/dev/dsk/c0t4d0s2:swap
    -:/dev/dsk/c0t5d0s2:swap
    -:/dev/dsk/c1t3d0s2:swap
    -:/dev/dsk/c1t4d0s2:swap
    -:/dev/dsk/c1t5d0s2:swap
  2. 次のように入力します。


    # lucreate  [-A 'BE_description'] \
     -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options \
    -M slice_list  -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -M slice_list

    ファイル -slice_list 中には、m オプションのリストが記述されています。これらの引数は、-m に指定されている書式で指定してください。ハッシュ記号 (#) で始まるコメント行は無視されます。-M オプションは、ブート環境用のファイルシステムが多数存在する場合に便利です。-m オプションと -M オプションは一緒に使えます。たとえば、slice_list にスワップスライスを記録しておき、-m を使用して、ルート (/) スライスと /usr スライスを指定できます。

    -m オプションと -M オプションでは、特定のマウントポイントについて複数のスライスを指定できます。これらのスライスを処理する場合、lucreate は利用不可能なスライスをスキップして利用できる最初のスライスを選択します。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–5 リストを使用してブート環境を作成しスワップを再構成する

この例では、 新しいブート環境のスワップは、/etc/lu/swapslices ファイルに挙げられている一連のスライスです。「mydescription」という記述は、second_disk に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -c first_disk \ 
-m /:/dev/dsk/c02t4d0s0:ufs -m /usr:/dev/dsk/c02t4d0s1:ufs \ 
-M /etc/lu/swapslices -n second_disk 

Procedureブート環境を作成し共有可能ファイルシステムをコピーする

新しいブート環境に共有可能ファイルシステムをコピーする場合は、-m オプションを使用してマウントポイントがコピーされるように指定してください。それ以外の場合、共有可能なファイルシステムはデフォルトで共有され、vfstab ファイルに指定された同じマウントポイントを使用します。共有可能ファイルシステムに対する更新は、両方の環境に適用されます。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ブート環境を作成します。


    # lucreate [-A 'BE_description'] \ 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options \ 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options  -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–6 ブート環境を作成し共有可能ファイルシステムをコピーする

この例の場合、現在のブート環境には、ルート (/) ファイルシステムと/home ファイルシステムがあります。新しいブート環境では、ルート (/) ファイルシステム がルート (/) と /usr の 2 つのファイルシステムに分割されます。/home ファイルシステムは新しいブート環境にコピーされます。「mydescription」という記述は、ブート環境名 second_disk に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -c first_disk \ 
-m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs -m /usr:/dev/dsk/c0t4d0s3:ufs \
-m /home:/dev/dsk/c0t4d0s4:ufs -n second_disk

Procedure別のソースから単一のブート環境を作成する

lucreate コマンドは、アクティブブート環境内のファイルシステムに基づいてブート環境を作成します。アクティブブート環境以外のブート環境に基づいてブート環境を作成する場合は、-s オプションを指定して lucreate を実行します。


注 –

新しいブート環境をアクティブにした後、フォールバックを行う必要がある場合は、ソースブート環境ではなく以前にアクティブだったブート環境に戻ります。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ブート環境を作成します。


    # lucreate [-A 'BE_description'] -s source_BE_name 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -s source_BE_name

    新しいブート環境に対するソースブート環境を指定します。このソースはアクティブブート環境ではありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–7 別のソースから単一のブート環境を作成する

この例では、ソースブート環境 third_disk 内のルート (/) ファイルシステムに基づいてブート環境を作成します。third_disk はアクティブブート環境ではありません。「mydescription」という記述は、second_disk という名前の新しいブート環境に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -s third_disk \ 
-m /:/dev/dsk/c0t4d0s0:ufs  -n second_disk

ProcedureSolaris フラッシュアーカイブ用の空のブート環境を作成する

lucreate コマンドは、アクティブブート環境内のファイルシステムに基づいてブート環境を作成します。lucreate コマンドに -s - オプションを指定して実行すると、空のブート環境を短時間で作成できます。スライスは、指定のファイルシステム用に予約されていますが、ファイルシステムはコピーされません。このブート環境は、名前が付けられてはいますが、実際には、Solaris フラッシュアーカイブがインストールされる時にはじめて作成されることになります。空のブート環境にアーカイブがインストールされると、ファイルシステムは予約されたスライスにインストールされます。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 空のブート環境を作成します。


    # lucreate -A 'BE_name' -s - \ 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 (BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -s -

    空のブート環境を作成します。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのメタデバイス名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/vx/dsk/volume_name の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。


例 4–8 Solaris フラッシュアーカイブ用の空のブート環境を作成する

この例では、ファイルシステムを一切含まないブート環境を作成します。「mydescription」という記述は、second_disk という名前の新しいブート環境に対応しています。


# lucreate -A 'mydescription' -s - \ 
-m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs  -n second_disk

空のブート環境の作成が完了したら、フラッシュアーカイブをインストールし、アクティブ (ブート可能な状態) にすることができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。

空のブート環境の作成とアーカイブのインストールの例については、「空のブート環境を作成して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする例」を参照してください。

次の図は、空のブート環境の作成の様子を示しています。

この図については本文中で説明しています。

ProcedureRAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する

ブート環境を作成するとき、Solaris Live Upgrade は Solaris ボリュームマネージャーテクノロジを使って RAID-1 ボリュームを作成します。ブート環境を作成するとき、Solaris Live Upgrade を使って次の作業を行うことができます。

始める前に

Solaris Live Upgrade のミラー化機能を使用するには、状態データベースと状態データベースの複製を作成する必要があります。状態データベースでは、Solaris ボリュームマネージャー構成の状態に関する情報がディスクに保存されます。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力して新しいブート環境を作成します。


    # lucreate [-A 'BE_description']  \ 
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...] \ 
    -n BE_name
    
    -A 'BE_description'

    (省略可能) ブート環境名 ( BE_name) の説明を記述できます。記述の長さ、使用できる文字に制限はありません。

    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を vfstab で指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのボリューム名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/md/vxfs/dsk/dnum の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。

        • mirror を指定すると、指定したデバイスに RAID–1 ボリューム (ミラー) を作成できます。その後の -m オプションで attach を指定して、少なくとも 1 つの連結を新しいミラーに接続する必要があります。指定するデバイスには、正しく名前が付けられている必要があります。たとえば、論理デバイスの名前 /dev/md/dsk/d10 をミラー名として使用できます。デバイスの命名の詳細は、『Solaris ボリュームマネージャの管理』「Solaris ボリュームマネージャコンポーネントの概要」を参照してください。

        • detach を指定すると、指定したマウントポイントに関連付けられているボリュームから連結を切り離すことができます。ボリュームを指定する必要はありません。

        • attach を指定すると、指定したマウントポイントに関連付けられているミラーに連結を接続できます。指定した物理ディスクスライスは、単一デバイスの連結になり、ミラーに接続されます。ディスクに接続する連結を指定するには、デバイス名の後ろにコンマと連結の名前を付加します。コンマと連結の名前を省略して lucreate を実行すると、空いているボリュームが連結用に選択されます。

          lucreate で作成できるのは、単一の物理スライスから成る連結だけです。このコマンドでは、1 つのミラーに 3 つまで連結を接続できます。

        • preserve を指定すると、既存のファイルシステムとその内容を保存できます。このキーワードを使うと、ソースブート環境の内容をコピーする処理を省略できます。内容を保存することで、新しいブート環境を短時間で作成できます。特定のマウントポイントについて、preserve で指定できるのは 1 つの物理デバイスだけです。preserve を指定して lucreate コマンドを実行すると、指定したファイルシステムに対してデバイスの内容が適切かどうかが検査されます。この検査は限定的なものなので、適合性を保証することはできません。

          preserve キーワードは、物理スライスと Solaris ボリュームマネージャーのボリュームの両方に使用できます。

          • UFS ファイルシステムが物理スライスに置かれている場合に preserve キーワードを使用すると、UFS ファイルシステムの内容がそのスライスに保存されます。次の -m オプションの例では、preserve キーワードを使って、物理デバイス c0t0d0s0 の内容を、ルート (/) ファイルシステムのマウントポイント用のファイルシステムとして保存します。


            -m /:/dev/dsk/c0t0d0s0:preserve,ufs
            
          • UFS ファイルシステムがボリュームに置かれている場合に preserve キーワードを使用すると、UFS ファイルシステムの内容がそのボリュームに保存されます。

            次の -m オプションの例では、preserve キーワードを使って、RAID-1 ボリューム (ミラー) d10 の内容を、ルート (/) ファイルシステムのマウントポイント用のファイルシステムとして保存します。


            -m /:/dev/md/dsk/d10:preserve,ufs
            

            次の -m オプションの例では、RAID-1 ボリューム (ミラー) d10 がルート (/) ファイルシステムのマウントポイント用のファイルシステムとして構成されます。単一スライスの連結 d20 が現在のミラーから切り離されます。d20 がミラー d10 に接続されます。ルート(/) ファイルシステムは、サブミラー d20 に保持されます。


            -m /:/dev/md/dsk/d10:mirror,ufs -m /:/dev/md/dsk/d20:detach,attach,preserve
            
    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–9 ミラーを持つブート環境の作成とデバイスの指定

この例では、ファイルシステムのマウントポイントを -m オプションで指定します。


# lucreate -A 'mydescription' \ 
-m /:/dev/md/dsk/d10:ufs,mirror \ 
-m /:/dev/dsk/c0t0d0s0,/dev/md/dsk/d1:attach \ 
-m /:/dev/dsk/c0t1c0s0,/dev/md/dsk/d2:attach -n another_disk


例 4–10 ミラーを持つブート環境の作成とサブミラー名の省略

この例では、ファイルシステムのマウントポイントを -m オプションで指定します。


# lucreate -A 'mydescription' \ 
-m /:/dev/md/dsk/d10:ufs,mirror \ 
-m /:/dev/dsk/c0t0d0s0:attach \ 
-m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:attach -n another_disk

新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。



例 4–11 ブート環境の作成とサブミラーの切り離し

この例では、ファイルシステムのマウントポイントを -m オプションで指定します。


# lucreate -A 'mydescription' \ 
-m /:/dev/md/dsk/d10:ufs,mirror \ 
-m /:/dev/dsk/c0t0d0s0,/dev/md/dsk/d1:detach,attach,preserve \ 
-m /:/dev/dsk/c0t1d0s0,/dev/md/dsk/d2:attach -n another_disk

新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。



例 4–12 ブート環境の作成、サブミラーの切り離しと内容の保存

この例では、ファイルシステムのマウントポイントを -m オプションで指定します。


# lucreate -A 'mydescription' \ 
-m /:/dev/md/dsk/d20:ufs,mirror \ 
-m /:/dev/dsk/c0t0d0s0:detach,attach,preserve \ 
-n another_disk

新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。



例 4–13 2 つのミラーを持つブート環境の作成

この例では、ファイルシステムのマウントポイントを -m オプションで指定します。


# lucreate -A 'mydescription' \ 
-m /:/dev/md/dsk/d10:ufs,mirror \ 
-m /:/dev/dsk/c0t0d0s0,/dev/md/dsk/d1:attach \ 
-m /:/dev/dsk/c0t1d0s0,/dev/md/dsk/d2:attach \ 
-m /opt:/dev/md/dsk/d11:ufs,mirror \ 
-m /opt:/dev/dsk/c2t0d0s1,/dev/md/dsk/d3:attach \ 
-m /opt:/dev/dsk/c3t1d0s1,/dev/md/dsk/d4:attach -n another_disk

新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


Procedureブート環境の作成と内容のカスタマイズ

次のオプションを使って、新しいブート環境のファイルシステムの内容を変更できます。ディレクトリやファイルは新しいブート環境にコピーされません。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力して新しいブート環境を作成します。


    # lucreate -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m ...]  \ 
    [-x exclude_dir] [-y include] \
    [-Y include_list_file] \
    [-f exclude_list_file]\  
    [-z filter_list] [-I] -n BE_name
    
    -m mountpoint:device[,metadevice]:fs_options [-m...]

    新しいブート環境のファイルシステム構成を vfstab で指定します。-m に引数として指定されるファイルシステムは、同じディスク上のファイルシステムでも、複数のディスク上のファイルシステムでも構いません。このオプションは、作成するファイルシステムの数だけ使用します。

    • mountpoint には、任意の有効なマウントポイント、またはスワップパーティションを示す - (ハイフン) を指定できます。

    • device フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ディスクデバイスの名前。/dev/dsk/cwtxdysz の形式で表されます

      • Solaris ボリュームマネージャーのボリューム名。/dev/md/dsk/dnum の形式で表されます

      • Veritas Volume Manager のボリューム名。/dev/md/vxfs/dsk/dnum の形式で表されます

      • キーワード merged。指定されたマウントポイントのファイルシステムがその親とマージされることを示します

    • fs_options フィールドには、次のいずれかを指定できます。

      • ufs: UFS ファイルシステムを示します。

      • vxfs: Veritas ファイルシステムを示します。

      • swap: スワップボリュームを示します。スワップマウントポイントはハイフン () で表します。

      • 論理デバイス (ミラー) であるファイルシステムについては、いくつかのキーワードを使って、そのファイルシステムに対して実行するアクションを指定できます。論理デバイスの作成、論理デバイスの構成変更、論理デバイスの削除などを行うキーワードがあります。これらのキーワードの詳細は、「RAID-1 ボリューム (ミラー) を持つブート環境を作成する」を参照してください。

    -x exclude_dir

    ファイルやディレクトリを除外して、新しいブート環境にコピーされないようにします。このオプションのインスタンスを複数使用して、複数のファイルまたはディレクトリを除外できます。

    exclude_dir には、除外するディレクトリやファイルの名前を指定します。

    -y include_dir

    指定されたディレクトリやファイルを新しいブート環境にコピーします。ディレクトリは除外するが、個々のサブディレクトリやファイルを含める場合、このオプションを使用します。

    include_dir には、含めるサブディレクトリやファイルの名前を指定します。

    -Y list_filename

    リスト内のディレクトリやファイルを新しいブート環境にコピーします。ディレクトリは除外するが、個々のサブディレクトリやファイルを含める場合、このオプションを使用します。

    • list_filename は、リストを含むファイルのフルパスです。

    • list_filename ファイルでは、1 ファイルを 1 行で表す必要があります。

    • 行でディレクトリを指定すると、そのディレクトリの下にあるすべてのサブディレクトリとファイルが含まれます。行でファイルを指定すると、そのファイルだけが含まれます。

    -f list_filename

    リスト内のファイルやディレクトリを除外して、新しいブート環境にコピーされないようにします。

    • list_filename は、リストを含むファイルのフルパスです。

    • list_filename ファイルでは、1 ファイルを 1 行で表す必要があります。

    -z list_filename

    リスト内のディレクトリやファイルを新しいブート環境にコピーします。リスト内の各ファイルまたはディレクトリには、プラス「+」またはマイナス「-」記号を付けます。プラスはファイルやディレクトリを含めることを、マイナスはファイルやディレクトリを除外することを示します。

    • list_filename は、リストを含むファイルのフルパスです。

    • list_filename ファイルでは、1 ファイルを 1 行で表す必要があります。プラスまたはマイナスとファイル名との間には 1 つの半角スペースが必要です。

    • 行でディレクトリとプラス (+) を指定すると、そのディレクトリの下にあるすべてのサブディレクトリとファイルがコピーされます。行でファイルとプラス (+) を指定すると、そのファイルだけがコピーされます。

    -I

    システムファイルの整合性チェックを無効にします。このオプションは慎重に使用してください。

    重要なシステムファイルをブート環境から除外してしまうことを防ぐために、lucreate は整合性チェックを実行します。このチェックにより、システムパッケージデータベースに登録されたすべてのファイルが検査され、そのいずれかが除外されると、ブート環境の作成が停止します。このオプションを指定すると、この整合性チェックが無効になります。このオプションを指定すると、より短時間でブート環境を作成できますが、問題を検出できなくなる可能性があります。

    -n BE_name

    作成するブート環境の名前。BE_name は、システム上で一意となるように指定する必要があります。

    新しいブート環境の作成が終わると、この環境をアップグレードしてアクティブにする (ブート可能な状態にする) ことができます。第 5 章Solaris Live Upgrade によるアップグレード (作業)を参照してください。


例 4–14 ブート環境の作成とファイルの除外

この例では、新しいブート環境に second_disk という名前が付けられます。ソースブート環境には、ファイルシステムとしてルート (/) があります。新しいブート環境では、/var ファイルシステムがルート (/) ファイルシステムから分割され、別のスライスに置かれます。lucreate コマンドにより、ルート (/) マウントポイントと /var マウントポイントの UFS ファイルシステムが構成されます。また、2 つの /var メールファイル root および staff は、新しいブート環境にコピーされません。ソースブート環境と新しいブート環境の間で自動的にスワップが共有されます。


# lucreate -n second_disk \ 
-m /:/dev/dsk/c0t1d0s0:ufs -m /var/mail:/dev/dsk/c0t2d0s0:ufs  \  
-x /var/mail/root -x /var/mail/staff


例 4–15 ブート環境を作成し、ファイルを除外または含める

この例では、新しいブート環境に second_disk という名前が付けられます。ソースブート環境には、OS 用のファイルシステムとしてルート (/) があります。ソースブート環境には /mystuff というファイルシステムもあります。lucreate コマンドにより、ルート (/) マウントポイントと /mystuff マウントポイントの UFS ファイルシステムが構成されます。新しいブート環境には、/mystuff 内の 2 つのディレクトリだけがコピーされます。 /latest および /backup です。ソースブート環境と新しいブート環境の間で自動的にスワップが共有されます。


# lucreate -n second_disk \ 
-m /:/dev/dsk/c01t0d0s0:ufs -m /mystuff:/dev/dsk/c1t1d0s0:ufs  \  
-x /mystuff -y /mystuff/latest -y /mystuff/backup