Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

RAID-1 ボリューム (ミラー) を作成する場合の Solaris Live Upgrade の要件

Solaris Live Upgrade は Solaris ボリュームマネージャーのテクノロジを使用して、RAID-1 ボリューム (ミラー) を備えたファイルシステムを持つブート環境のコピーを作成します。Solaris Live Upgrade では、Solaris ボリュームマネージャーのすべての機能が実装されるわけではありませんが、Solaris ボリュームマネージャーの次のコンポーネントが必要になります。

表 3–3 Solaris Live Upgrade と RAID-1 ボリュームに必要なコンポーネント

要件  

説明 

詳細 

状態データベースを 1 つ以上、状態データベースの複製を 3 つ以上作成する必要があります。  

状態データベースでは、Solaris ボリュームマネージャー構成の状態に関する情報がディスクに保存されます。状態データベースは、複製された複数のデータベースコピーの集まりです。各コピーは「状態データベースの複製」と呼ばれます。状態データベースのコピーを作成することで、単一点障害によるデータ損失を防ぐことができます。 

状態データベースの作成については、『Solaris ボリュームマネージャの管理』の第 6 章「状態データベース (概要)」を参照してください。

Solaris Live Upgrade では、ルート (/) ファイルシステムに単一スライスの連結を持つ RAID-1 ボリューム (ミラー) だけがサポートされます。

連結は RAID-0 ボリュームです。複数のスライスが連結された方式では、利用可能な最初のスライスがいっぱいになるまでそのスライスにデータが書き込まれます。そのスライスがいっぱいになると次のスライスに連続してデータが書き込まれます。RAID-1 ボリュームに含まれている場合を除き、連結にはデータの冗長性はありません。 

RAID-1 ボリュームは、最大 3 つの連結から構成されます。  

ミラー化されたファイルシステムの作成のガイドラインについては、「ミラー化されたファイルシステムのスライスを選択するための指針」を参照してください。