Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

Procedureブート環境をアクティブにしてファイルを同期させる

新しく作成したブート環境で初めてブートする時に、Solaris Live Upgrade は新しいブート環境と以前のアクティブブート環境の同期をとります。ここでいう「同期」とは、いくつかのクリティカルなシステムファイルやディレクトリを、以前にアクティブだったブート環境から、ブート中のブート環境へコピーすることです。Solaris Live Upgrade では、強制的に同期を行うように luactivate コマンドの -s オプションで指定しない限り、2 回目以降のブート時には同期は行われません。


x86 のみ –

GRUB メニューを使ってブート環境間で切り替えを行なった場合も、ファイルは同期されません。ファイルを同期させるには、次の手順を使用する必要があります。


同期の詳細については、「ブート環境間でのファイルの同期」を参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のように入力して、ブート環境をアクティブにします。


    # /sbin/luactivate  -s BE_name
    
    -s

    以前にアクティブであったブート環境と新しいブート環境のファイルを同期します。ブート環境の最初のアクティブ化ではファイル間の同期が行われますが、それ以降のアクティブ化では -s オプションを指定しない限りファイルの同期は行われません。


    注意 – 注意 –

    以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、このオプションを使用する際には十分注意してください。たとえば、現在のブート環境で Solaris 10 9/10 ソフトウェアを実行していて、強制的な同期処理を行なったあとで、Solaris 9 リリースにブート環境を戻したとします。この場合、Solaris 9 リリースでファイルが変更されることがあります。ファイルは OS のリリースに依存しているため、Solaris 9 リリースのブートは失敗する可能性があります。Solaris 10 9/10 のファイルと Solaris 9 のファイルは互換性があるとは限らないからです。


    BE_name

    アクティブにするブート環境の名前を指定します。

  3. 再起動します。


    # init 6
    

例 5–15 ブート環境のアクティブ化

この例では、次のリブート時に second_disk ブート環境がアクティブになり、ファイルの同期がとられます。


# /sbin/luactivate -s second_disk
# init 6