Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

ディレクトリスキーマの設計

ディレクトリスキーマは、ディレクトリに格納できるデータの種類を記述します。スキーマ設計により、個々のデータ要素が LDAP 属性にマップされます。関連する要素は LDAP オブジェクトクラスにまとめられます。適切に設計されたディレクトリスキーマは、データ値のサイズ、範囲、および形式を制限することによって、データの整合性の維持に役立ちます。ディレクトリに含めるエントリの種類と、各エントリで使用できる属性を決定します。

Directory Server に付属の定義済みスキーマには、Internet Engineering Task Force (IETF) 標準の LDAP スキーマが含まれます。このスキーマには、サーバーの機能をサポートするための、アプリケーション固有の追加スキーマが含まれます。また、Directory Server 固有のスキーマ拡張も含まれています。定義済みのスキーマは大半のディレクトリの要件を満たしますが、対象のディレクトリに固有のニーズに対応するために、このスキーマを拡張して新しいオブジェクトクラスと属性を追加することが必要な場合もあります。

スキーマ設計のプロセス

スキーマ設計では、次のことを行う必要があります。

可能であれば、デフォルトの Directory Server スキーマで定義されている既存のスキーマ要素を使用します。標準のスキーマ要素を使用することにより、ディレクトリ対応アプリケーションとの互換性を保ちやすくなります。このスキーマは LDAP 標準に基づいており、多数のディレクトリユーザーによる検討および合意を経ています。

データの整合性の維持

データの整合性を保つことにより、LDAP クライアントアプリケーションがディレクトリエントリを検索しやすくなります。ディレクトリに格納される情報の種類ごとに、その情報をサポートするために必要なオブジェクトクラスと属性を選択します。常に同じオブジェクトクラスと属性を使用します。整合性のないスキーマオブジェクトを使用すると、情報の検索が難しくなります。

次のようにすると、整合性のあるスキーマを維持できます。