Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

複数のデータベースの使用

Directory Server では、パフォーマンスの高いディスクベースの LDBM データベースにデータを格納します。各データベースは 1 つのファイルセットで構成され、ファイルセットには、このセットに割り当てられたすべてのデータが含まれます。ディレクトリツリーの異なる部分を別々のデータベースに格納できます。たとえば、次の図に示すように、ディレクトリツリーに 3 つのサブサフィックスが含まれていると仮定します。

図 10–6 3 つのサブサフィックスを持つディレクトリツリー

図では、1 つのサフィックスと 3 つのサブサフィックスを含むディレクトリツリーを示します。

次の図に示すように、3 つのサブサフィックスのデータを 3 つの独立したデータベースに格納できます。

図 10–7 3 つの異なるデータベースに格納された 3 つのサブサフィックス

図では、3 つの独立したデータベースに格納される 3 つのサブサフィックスを示しています。

複数のデータベースにディレクトリツリーを分割するとき、複数のサーバー間にデータベースを分散させることができます。またパフォーマンス改善のために、複数の物理マシンに分散することができます。前の例で示した 3 つのデータベースを、次の図に示すように 2 つのサーバーに格納することができます。

図 10–8 2 つの独立したサーバーに格納される 3 つのデータベース

図では、あるサーバー (A) に格納される 2 つのデータベースと、別のサーバー (B) に格納される 1 つのデータベースを示しています。

データベースを複数のサーバーに分散させると、各サーバーで処理しなければならない作業量は減ります。そのため、ディレクトリを拡張して、1 つのサーバーで保持できる数よりはるかに多くのエントリを保持できるようにすることができます。Directory Server はデータベースの動的追加をサポートするため、ディレクトリ全体を停止させることなく、必要に応じて新しいデータベースを追加できます。