Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

Directory Server とネットワーク接続

Directory Server はネットワーク集約型アプリケーションです。次の式を使えば、理論的な最大スループットを見積もることができます。この式ではレプリケーションのトラフィックが考慮されていない点に注意してください。

max. throughput = max. entries returned/second x average entry size

Directory Server はピーク時に毎秒 5000 件の検索に応答する必要があり、またサーバーは検索ごとに 1 つのエントリを返すものとします。エントリの平均サイズは 2000 バイトです。理論的な最大スループットは 10M バイトつまり 80M ビットになります。ただし、レプリケーションは考慮していません。しかし 80M ビットの方が、100M ビット Ethernet アダプタ 1 つで実現するスループットよりも大きくなる傾向があります。Directory Server インスタンスのネットワーク可用性を改善するには、システムにより高速な接続を装備するか、複数のネットワークインタフェースを装備してください。Directory Server は、同一プロセス内で複数のネットワークインタフェース上で待機できます。


注 –

先の例では、ディレクトリの読み取り時または検索時にクライアントアプリケーションが「すべての」属性を要求するものと仮定していました。一般に、「必要な」属性のみを要求するようにクライアントアプリケーションを設計すべきです。


負荷分散のために、同じネットワーク上で Directory Server をクラスタにする場合は、レプリケーションで新たに生じる負荷がネットワークインフラストラクチャーで対応できることを確認します。広域ネットワーク上でマルチマスターレプリケーションを計画する場合には、その構成のテストを行い、その接続が最小限の待ち時間とゼロに近いパケット損失で十分なスループットを提供できることを確認してください。長い待ち時間と大量のパケット損失はどちらも、レプリケーションの速度を低下させます。さらに、レプリケーショントラフィックがロードバランサを通過するようなトポロジは避けてください。