企業内でユーザーやアプリケーションの数が増加するにつれ、堅牢なディレクトリサービスはますます必要不可欠なものとなります。Directory Server Enterprise Edition では、次に示すサービス品質要件を提供することにより、急速に変化および拡大する企業が直面する課題を解決します。
可用性: システムのリソースやサービスにエンドユーザーがアクセスできる時間の指標であり、しばしばシステムの「稼働時間」として表現されます。
拡張性: 配備済みのシステムに、容量やユーザーを段階的に追加できる能力のことです。拡張は通常、システムにリソースを追加することによって行いますが、その際に配備アーキテクチャーの変更を必要としないことが理想的です。
セキュリティー: システムとそのユーザーの完全性を担保する各種要因の複合的な組み合わせです。セキュリティーを構成する要素には、ユーザーの認証と承認、データのセキュリティー、配備済みシステムへのセキュリティー保護されたアクセスなどがあります。
相互運用性: システムをほかのシステムと組み合わせて容易に運用できることを指します。
保守容易性: 配備済みシステムを容易に保守できることを指します。保守タスクには、システムの監視、発生した問題の修復、ハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントのアップグレードなどが含まれます。
この章では、Directory Server Enterprise Edition の各種コンポーネントがどのようにしてサービス品質要件を満たすかについて簡単に説明します。個々の要件については、このマニュアルの次章以降で詳しく説明します。