Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

エントリが自然な関係を持っている場合の CoS の使用

CoS はまた、ディレクトリデータが自然な関係を持っている場合も、データ管理の大きな利点を提供します。

すべての従業員にマネージャーがいる企業ディレクトリを考えてみます。すべての従業員がメールストップと Fax 番号を、もっとも近い管理アシスタントと共有しています。図 4–4 は、間接 CoS を使用して、マネージャーのエントリから部門番号を取得する様子を示しています。図 4–5 では、メールストップと Fax 番号が管理アシスタントのエントリから取得されています。

図 4–4 間接 CoS を使用した DepartmentNumber の生成

図は、間接 CoS を使用して生成された DepartmentNumber 属性を示しています。

この実装では、マネージャーのエントリに departmentNumber の実際の値が含まれ、生成されているどの値よりもこの実際の値が優先されます。Directory Server は、CoS で生成された属性値からは属性値を生成しません。そのため、図 4–4 の例では、部門番号の属性値をマネージャーのエントリ上でのみ管理する必要があります。同様に、図 4–5 に示されている例では、メールストップと Fax 番号の属性を管理アシスタントのエントリ上でのみ管理する必要があります。

図 4–5 間接 CoS を使用したメールストップと Fax 番号の生成

図は、間接 CoS を使用して生成されたメールストップと Fax 番号の属性を示しています。

単一の CoS 定義エントリを使用して、このような関係をディレクトリ内のさまざまなエントリに利用できます。

別の自然な関係に、サービスレベルがあります。顧客にスタンダード、シルバー、ゴールド、およびプラチナのパッケージを提供しているインターネットサービスプロバイダを考えてみます。顧客のディスク割り当て、メールボックスの数、前払いのサポートレベルに対する権限などは、購入したサービスレベルによって異なります。次の図は、クラシック CoS スキーマによってこの機能が可能になるようすを示しています。

図 4–6 クラシック CoS を使用したサービスレベルデータの生成

図は、クラシック CoS を使用して生成されたサービスレベルデータを示しています。

1 つの CoS 定義が複数の CoS テンプレートエントリに関連付けられる場合があります。