Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

Directory Proxy Server を使用したバインド DN ベースの要求分散

このシナリオでは、企業は地理的な位置を基準にして、3 つのマスターサーバーに顧客データを分散させます。イギリスに在住する顧客のデータを、ロンドンにあるマスターサーバーに格納します。フランスの顧客のデータはパリにあるマスターサーバーに格納します。日本の顧客のデータは東京にあるマスターサーバーに格納します。顧客は自分自身のデータを、Web ベースの統一されたインタフェースを通して更新できます。

ユーザーはディレクトリ内の自分自身の情報を、Web ベースのアプリケーションを使用して更新できます。認証フェーズの間、ユーザーは電子メールアドレスを入力します。イギリスの顧客の電子メールアドレスは *@uk.example.com という形式です。フランスの顧客の形式は *@fr.example.com であり、日本の顧客は *@ja.example.com です。Directory Proxy Server は、LDAP 対応のクライアントアプリケーション経由でこれらの要求を受信します。Directory Proxy Server はその後、認証時に入力された電子メールアドレスに基づいて、適切なマスターサーバーに要求を経路指定します。

次の図はこのシナリオを例示したものです。

図 10–9 Directory Proxy Server を使用したバインド DN ベースの要求ルーティング

図では、電子メールアドレスに基づいて Directory Proxy Server が要求を分散するしくみを示しています。