Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 トラブルシューティングガイド

第 10 章 Directory Proxy Server のエラーログメッセージのリファレンス

この章では、Directory Proxy Server のログに記録されるメッセージのリストを示します。このリストにすべてが網羅されているわけではありませんが、この章の情報は一般的な問題を解決するための開始点として役立ちます。

重大なエラーです。ディレクトリデータの損失や破損を避けるため、早急に処置を行うようにしてください。


注 –

エラーログをデバッグに使用するときは、必要なデバッグデータがログに現れるまで、ログのレベルを少しずつ上げてください。パフォーマンスに重大な影響が出るのを避けるため、特に本稼働システムでは、一度にすべての Directory Proxy Server コンポーネントのエラーログを有効にしないでください。

内部エラーの場合、プラグインの作成者は最初に slapi_*() 関数に渡すパラメータを確認するようにしてください。


一般的なエラーコード

ここでは、instance-path/logs/errors ログに表示されるエラーコードと、これらのエラーが発生したときに行うべき適切な処置について説明します。


1000: サーバーの起動

説明:

プロキシのインスタンスは起動済みです。

対処方法:

dpadm start


1001: サーバーの正常な停止 (クリーンシャットダウン)

説明:

「サーバーの正常な停止 (クリーンシャットダウン)」アラートは、Directory Proxy Server インスタンスがShutDown タスクプラグインによって LDAP を介して停止したときに表示されます。コマンド行インタフェースの実装では、現時点ではこの停止方法を使用しません。

対処方法:

dpadm コマンドでサーバーを停止する方法を変更するために、RFE (CR 6628583) が提起されています。


1002: サーバーの突然の停止

説明:

Directory Proxy Server インスタンスが突然停止しました。

原因:

Proxy がコマンド行ユーティリティーから停止されたか、Proxy JVM が終了しました (予期しない致命的な例外、メモリー不足など)。

対処方法:

Directory Proxy Server インスタンスを再起動します。

dpadm restart


1003: 設定の再読み込み: OK

説明:

このアラートは、プロキシが設定ファイル全体を動的に再読み込みしたときに発生します。これは次のようなシナリオで発生することがあります。

  • 「設定の再読み込み」タスクプラグインが LDAP 経由で呼び出されます。これは現在のところ監視フレームワークでは使用されません。

  • 手動で変更するとき、つまりテキストエディタを使用するときは、プロキシの設定ファイルを自動的に再読み込みするように設定できます。この機能は、デフォルトでは、セキュリティーと信頼性の理由により無効になっています。

このアラートは、標準設定を使用しているときには発生しません。

原因:

ディスク上の設定ファイルが変更されています。

対処方法:

プロキシインスタンスを設定するときは、設定ファイルを手動で編集せずに、dpconf を使用してください。

テキストエディタを使って config.ldif ファイルを変更し、ディスクに保存します。


1004: 設定の再読み込み: 警告

説明:

ソースコード 1003 を参照してください。サーバーが設定の再読み込みに失敗しましたが、実行中のインスタンスはその設定の問題には影響されません。エラーコード 1003 に関しては、自動設定再読み込みが無効になっているデフォルト設定では、これが発生する可能性はありません。


1005: 設定の再読み込み: エラー

説明:

ソースコード 1003 を参照してください。サーバーが設定の再読み込みに失敗し、実行中のインスタンスがその設定の問題に影響された可能性があります。エラーコード 1003 に関しては、自動設定再読み込みが無効になっているデフォルト設定では、これが発生する可能性はありません。


2000: データソース使用不可

説明:

データソースはこれ以上使用できません。最後の予防保守の監視クエリーで示されたデータソースが使用不可になっています。

原因:

次の理由のいずれかによってエラーが発生しました。

  • データソースがオフライン状態になっていた

  • データソースで障害が発生した

  • ネットワークの問題

対処方法:

次のいずれかの操作を行います。

  • データソースをバックアップする

  • ネットワークの問題を修正する

データソースを無効にする


2001: データソース使用可能

説明:

データソースが使用可能になりました。最後の予防保守の監視クエリーで示されたデータソースが使用可能です。

原因:

データソースが追加されたか、オンラインになりました。

対処方法:

データソースを有効にします。


3000: リスナー使用不可

説明:

accept()() システムコール中にリスナーが致命的な I/O 例外を取得すると、エラーが発生します。このエラーによって、プロキシが再起動しない場合があります。発生したらすぐに対処する必要があります。

原因:

リスナーポートがすでに使用中です。

対処方法:

問題を解決するには、次のことを実行します。

  • ポートを未使用の値に変更します。

  • ポートにバインドされたアプリケーションを停止することによって、ポートを解放します。


4000: データソースのデータ不一致

説明:

このエラーは、部分的に失敗した複数のバックエンドで操作を適用する必要があるときに発生します。これが発生する可能性があるのは、書き込み LDAP 操作の場合のみです。たとえばこれは、2 つのデータビューに追加を適用する必要があるときに発生することがあります。つまり、1 つ目のデータビューへの追加が完了し、2 つ目のデータビューへの追加が失敗し、自動ロールバック (1 つ目のデータビューにある以前に追加したエントリの削除) も同様に失敗する場合です。

これは、仮想化と配布のユースケースでのみ発生する可能性があります。

原因:

1 つのデータソースで更新、追加、または削除操作が失敗し、ロールバック操作が実行されていません。

対処方法:

2 つのビューに操作を適用する必要があるとき、プロキシは最初に、それぞれのビューに接続を割り当てることによって、両方のビューでこの要求を処理できることを確認します。そのため、問題を簡単に再現するには、2 つのデータビューをターゲットとする変更要求を使用し、変更が最初のデータビューでは成功し、2 つ目のデータビューでは失敗するようにデータを微調整します。たとえば、値がすでに存在するようにします。