Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3.1 リリースノート

Directory Proxy Server の既知の問題点と制限事項

この節では、Directory Server Enterprise Edition 6.3.1 リリース時点での既知の問題点および制限事項の一覧を示します。


注 –

Sun Directory Proxy Server 6.3.1 Update 1 パッチ 141958–01 は、Directory Proxy Server コンポーネントの問題を修正するために Directory Server Enterprise Edition 6.3.1 の上に適用するよう設計されています。詳細については、「Directory Proxy Server 6.3.1 Update 1」を参照してください。


Directory Proxy Server の制限事項

この節では、製品の制限事項の一覧を示します。

ファイルアクセス権を手作業で変更した場合の問題点

インストール済みの Directory Server Enterprise Edition 製品ファイルのアクセス権を変更すると、場合によってはソフトウェアが正常に動作しなくなる可能性があります。製品ドキュメントの指示に従う場合、または Sun サポートの指示に従う場合のみ、ファイルのアクセス権を変更してください。

この制限事項に対処するには、適切なユーザーアクセス権およびグループアクセス権を持つユーザーとして製品のインストールおよびサーバーインスタンスの作成を行います。

自己署名サーバー証明書を更新できない

自己署名サーバー証明書を作成するときは必ず、その証明書を更新する必要がないように、十分な長さの有効期限を指定するようにしてください。

Directory Proxy Server は、結合データビューの書き込み操作で原子性を保証しない

原子性を保証するには、書き込み操作に結合データビューを使用しないでください。結合データビューで書き込み操作を行う場合は、外部メカニズムを使用して不一致を防止または検出してください。Directory Proxy Server エラーログを監視すると、不一致を監視できます。

Directory Proxy Server 6.3.1 の既知の問題点

この節では、Directory Proxy Server 6.3.1 のリリース時に判明していた既知の問題点の一覧を示します。

5042517

DN 変更操作が、LDIF、JDBC、結合、およびアクセス制御データビューに対してサポートされていません。

6355714

現在、getEffectiveRight コントロールは、LDAP データビューでのみサポートされており、プロキシのローカルである ACI は考慮されません。

6356465

Directory Proxy Server で、(targetattr = "locality;lang-fr-ca") のようにターゲット属性へのサブタイプを指定する ACI が拒否されることがあります。

6360059

Directory Proxy Server では、データソース接続の失敗後に復元された JDBC データソース接続を再開できません。Directory Proxy Server が接続を再開できるのは、Directory Proxy Server インスタンスの再起動後のみです。

6383532

認証モードの設定を変更したときは、Directory Proxy Server を再起動する必要があります。

6386073

認証局によって署名された証明書の要求が生成されたあとで、更新すると証明書は自己署名済みの証明書として表示されます。

6388022

Directory Proxy Server によって使用される SSL ポートが正しくない場合に、そのポートに対するセキュリティー保護された検索要求のあとで Directory Proxy Server がすべての接続を閉じる場合があります。

6390118

プロキシ承認ではなくクライアントアプリケーション証明書に基づく認証を使用するように設定されたとき、Directory Proxy Server がリフェラルホップ数を正確にカウントできません。

6390220

データビューの作成時には base-dn プロパティーを指定できますが、データビューの作成後に base-dn プロパティーを "" (ルート DSE) に設定することはできません。

6410741

Directory Service Control Center では、値を文字列としてソートします。そのため、Directory Service Control Center で数字をソートすると、それらの数字は文字列であるかのようにソートされます。

0、20、および 100 を昇順にソートすると、0、100、20 というリストが得られます。0、20、および 100 を降順にソートすると、20、100、0 というリストが得られます。

6439604

アラートを設定したあと、変更を有効にするには Directory Proxy Server を再起動する必要があります。

6447554

Directory Proxy Server で、数値形式または辞書形式のデータ配布を設定したときに、別のデータビューに移動するエントリの名前変更に失敗します。

6458935

結合データビューを操作する場合、Directory Proxy Server は、その結合を構成するビューのデータ配布アルゴリズムを使用しません。

この問題点に対処するには、結合とデータ配布を一緒に使用するときに、結合データビューのレベルでデータ配布を設定します。

6461510

Directory Proxy Server では、リフェラルのホップ制限が機能しません。

6469154

Windows では、dsadm および dpadm コマンドによる出力とヘルプメッセージが、簡体字中国語および繁体字中国語にローカライズされていません。

6469780

JDBC データソースエントリの作成は、動的に検出されません。JDBC データビューの作成前に JDBC サーバーを作成した場合は、データビューはサーバーの次回再起動時まで無視されます。このため、JDBC データソースを設定したあと、変更が検出されるようにするには Directory Proxy Server を再起動する必要があります。

6486578

クラス A がテーブルを二次として使用し、別のクラス B が同じテーブルを唯一の一次として使用している JDBC オブジェクトクラスの場合、B への要求は機能しません。Directory Proxy Server は、一次テーブルで使用されている filter-join-rule プロパティーを無視できません。

6488197

Windows システムでのインストール後およびサーバーインスタンス作成後は、インストールおよびサーバーインスタンスのフォルダに対するファイルアクセス権により、すべてのユーザーにアクセスが許可されます。

この問題点に対処するには、インストールおよびサーバーインスタンスのフォルダのアクセス権を変更します。

6488297

Windows では、DSCC の初期化は Administrator ユーザーしか実行できません。

6490763

Directory Proxy Server を介してDirectory Server にアクセスしている場合、Directory Server の再起動後に、Access Managerで持続検索に関連したキャッシュの問題が発生する現象が確認されています。

この問題点に対処するには、Directory Server を再起動したあと、Access Manager または Directory Proxy Server を再起動します。

さらに細かいチューニングとして、Access Manager の試行の数や試行の間の遅延時間を増やして、持続検索の接続を再確立できます。これらのパラメータは、AMConfig.properties ファイル内の次のプロパティーを変更することによって増やすことができます。

  • 試行の回数を表す com.iplanet.am.event.connection.num.retries を増やします。デフォルトは 3 回の試行です。

  • 試行の間の遅延時間 (ミリ秒) を表す com.iplanet.am.event.connection.delay.between.retries を増やします。デフォルトは 3000 ミリ秒です。

6490853

DB2 データベースによって設定された JDBC データビューを使用して検索を実行し、検索結果として非常に多くの数のエントリが返された場合、1,344 個のエントリを返したあとにエラーが発生することがあります。

この制限を克服するには、CLI/ODBC 設定キーワード CLIPkg の値を 30 に設定することで、大きなパッケージの数を増やします。その場合でも、検索結果の最大数は 11,712 エントリに制限されます。

詳細については、DB2 のマニュアルを参照してください。

6491133

Directory Service Control Center を使用して自己署名付き証明書を作成する場合、証明書名に複数バイト文字を使用しないでください。

6491845

Directory Proxy Server で許可されているデフォルトの LDAP コントロールは、Directory Service Control Center では表示されません。

6493349

Directory Service Control Center は、既存の除外されたサブツ リーまたは代替検索ベースの DN を変更するときにコンマを削除します。

6494540

セキュリティー保護されていない LDAP アクセスをはじめて有効または無効にしたあと、変更を有効にするには Directory Proxy Server を再起動する必要があります。

6497547

制限時間とサイズ制限の設定は、LDAP データソースでのみ機能します。

6497992

コマンド dpadm set-flags cert-pwd-store=off を使用したあと、Directory Service Control Center を使用して Directory Proxy Server を再起動できません。

6501867

ASCII 文字と複数バイト文字の両方を組み合わせたサーバーインスタンス名とともに dpadm start コマンドを使用した場合に失敗する現象が確認されています。

6505112

既存の接続ハンドラに data-view-routing-custom-list プロパティーを設定する場合、エスケープが必要な文字 (コンマなど) を含むデータビュー名を使用するとエラーが発生します。

この問題点に対処するには、エスケープが必要な文字を含むデータビュー名を指定しないでください。たとえば、DN を含むデータビュー名を使用しないでください。

6510583

以前のバージョンとは異なり、マニュアルページ allowed-ldap-controls(5dpconf) で説明されているように、デフォルトでは Directory Proxy Server でサーバー側ソートコントロールはできません。

Directory Proxy Server でのサーバー側ソートコントロールのサポートは、allowed-ldap-controls プロパティーで指定される許可された LDAP コントロールのリストに server-side-sorting を追加することによって、有効にできます。


$ dpconf set-server-prop \
 allowed-ldap-controls:auth-request \
 allowed-ldap-controls:chaining-loop-detection \
 allowed-ldap-controls:manage-dsa \
 allowed-ldap-controls:persistent-search \
 allowed-ldap-controls:proxy-auth-v1 \
 allowed-ldap-controls:proxy-auth-v2 \
 allowed-ldap-controls:real-attributes-only \
 allowed-ldap-controls:server-side-sorting

既存の設定値もあわせて設定する必要があることに注意してください。そうしないと、サーバー側ソートコントロールのみが許可されます。

6511264

Directory Proxy Server の DN 名前変更機能を使用する際に、同じ DN コンポーネントが繰り返し登場する場合は、それらは一括して変更されることに注意してください。

たとえば、o=myCompany.com で終わる DN の名前を、dc=com で終わるように変更する場合を考えてみます。たとえば、uid=userid,ou=people,o=myCompany.com,o=myCompany.com のように元のコンポーネントが繰り返されている場合、名前が変更された結果、DN は uid=userid,ou=people,dc=com となり、uid=userid,ou=people,o=myCompany.com,dc=com とはなりません。

6520368

Directory Proxy Server を介して Oracle 9 にアクセスするための JDBC 接続設定は、ドキュメントに記載されている手順どおりではありません。

ホスト myhost、ポート 1537 上で Oracle 9 サーバーが待機し、システム識別子 (SID) MYINST を持つインスタンスが存在する次の設定を考えてみます。このインスタンスには、データベース MYNAME.MYTABLE が含まれています。

一般的には、MYTABLE へのアクセスを設定するには、次のプロパティーを設定します。

  • JDBC データソースで、db-name:MYINST を設定します。

  • JDBC データソースで、db-url:jdbc:oracle:thin:myhost:1537: を設定します。

  • JDBC テーブルで、sql-table:MYNAME.MYTABLE を設定します。

ここまでの設定で機能しない場合は、さらに次のように MYTABLE へのアクセスを設定してみてください。

  • JDBC データソースで、db-name:(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=MYINST))) を設定します。

  • JDBC データソースで、db-url:jdbc:oracle:thin:@(DESCRIPTION= (ADDRESS_LIST=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myhost)(PORT=1537))) を設定します。

  • JDBC テーブルで、sql-table:MYNAME.MYTABLE を設定します。

6527010

Directory Proxy Server は、テーブル間の多対多 (N:N) の関係を意味する JDBC 属性を JDBC データベースに書き込むことができません。

6539650

複数バイトの DN を持ち DSCC を使用して作成された Directory Proxy Server インスタンスは、Linux 上では起動できません。

6542857

Solaris 10 で Service Management Facility (SMF) を使用してサーバーインスタンスを有効にした場合、システムをリブートしてもインスタンスが起動しないことがあり、次のエラーを返します。


svcadm: Instance "svc:/instance_path" is in maintenance state.

この問題を回避するには、ローカルユーザーを使用して Directory Server および Directory Proxy Server サービスを作成します。

6547755

パスに複数バイト文字を含む Directory Proxy Server インスタンスが DSCC に作成されない、起動されない、またはその他の通常のタスクを実行できない可能性があります。

これらの問題の一部は、インスタンスの作成時に使用していた文字セットを使用することによって解決できます。文字セットを設定するには、次のコマンドを実行します。


# cacaoadm list-params | grep java-flags
  java-flags=-Xms4M -Xmx64M

# cacaoadm stop
# cacaoadm set-param java-flags="-Xms4M -Xmx64M -Dfile.encoding=utf-8"
# cacaoadm start

これらの問題を回避するには、インスタンスパスに ASCII 文字のみを使用します。

6547759

HP-UX では、異なるロケールに設定された複数のブラウザセッションによって DSCC にアクセスした場合、DSCC には、ブラウザの設定ロケールと異なるロケールの文字が表示されることがあります。

6551076

マシンに複数のホスト名がある場合、コンソールは Directory Proxy Server インスタンスのバックエンド状態を取得しません。

6565106

RDBMS テーブルに、JDBC オブジェクトクラスの DN パターンに一致する重複エントリがある場合、JDBC データビューに対して検索が実行されると、重複サブツリー (リーフ以外) のノードが Directory Proxy Server によって返されます。たとえば、JDBC オブジェクトクラスに ou という DN パターンがあり、JDBC 属性 ou にマッピングされた RDBMS の列に重複エントリ (たとえば sales) がある場合、検索結果には ou=sales といったノードが重複して表示されます。

    この問題を回避するには、次の手順を実行します。

  1. 重複エントリが作成されないように、ou JDBC 属性にマッピングされた列を含むテーブルから値を取り除き、RDBMS ビューを作成します。

  2. RDBMS テーブル名を、DN パターン ou を含む JDBC オブジェクトクラスの RDBMS ビュー名に置換します。ただし、RDBMS ビューは読み取り専用なので、Directory Proxy Server を通じて JDBC 属性 ou に値を追加できないという制限があります。

6567644

DPS が不正な DB 要求を作成します。

6573439

DSCC のインスタンスの「詳細な表示オプション」で、「アクセスログ」タブ、「エラーログ」タブ、および「監査ログ」タブの日付がローカライズされていません。

6583798

DSCC 6.0 では、DSCC でデータソースを作成する場合、useTCPNoDelay はデフォルトで false に設定されますが、管理コマンド dpconf create-ldap-data-source によってインスタンスを作成する場合は use-tcp-no-delay のデフォルト値が true に設定されます。

6588319

Tomcat サーバーで構成された DSCC で、「ヘルプ」および「バージョン」ポップアップウィンドウのタイトルに含まれる複数バイト文字が文字化けしています。

6590460

dpadm show-cert dps-instance-path コマンドの出力で、文字列 owner が簡体字中国語および繁体字中国語に翻訳されていません。

6592543

フランス語のロケールで、サーバーの停止または登録解除を確認するポップアップウィンドウに重複したアポストロフィーが表示されます。

6597598

LDAP と JDBC の両方で結合ビューに対して modrate ツールを使用して変更を行なっている場合、複数のスレッドを使用すると null ポインタ例外が発生します。次のようなエラーメッセージが表示されます。


java.lang.NullPointerException  com.sun.directory.proxy.server.JoinDataView.
processModifyRequest(JoinDataView.java:916)
com.sun.directory.proxy.server.JoinDataViewOpContext.processModifyRequest
(JoinDataViewOpContext.java:243) com.sun.directory.proxy.server.ModifyOperation.
processOperation(ModifyOperation.java:502 com.sun.directory.proxy.server
.WorkerThread.runThread(WorkerThread.java:150)
com.sun.directory.proxy.util.DistributionThread.run
(DistributionThread.java:225)
6609603

新しいデータソースがデータソースプールに追加されると、サーバーの再起動が必要になります。

6639674

Directory Proxy Server 構成プロパティー allow-bind-operationsfalse に設定されている場合、dpconf コマンド行引数と -–secure-port オプションを使用して SSL ポートに接続することはできません。TLS の起動 (デフォルト) またはクリア接続 (-–unsecured オプション) による接続は可能です。

6640597

basedn が元のマシンのものと異なるリフェラルに従って操作している場合、Directory Proxy Server は ADD 操作の DN を変更しません。リフェラルを転送するだけの場合とは対照的に、リフェラルに従うよう設定された Directory Server インスタンスを持つ Directory Proxy Server インスタンスに対して ADD を試行すると、間違った basedn により参照したサーバー上で ADD が拒否されます。

ldapmodify コマンドを使用して ADD を Directory Server インスタンスに対して直接実行すると、ADD が機能します。

6642559

仮想変換の記述は、remove-attr-value 変換モデルには機能しません。

6642578

エントリを変更する場合、仮想変換の記述が期待どおりに動作しません。

6649984

証明書データベースに長さの短いパスワードを設定しても、警告が行われません。パスワードが短すぎても、Directory Service Control Center によって受け入れられます。cert サブコマンドを付けて dpadm コマンドを発行すると、コマンドがハングアップする可能性があります。

6711054

smalldatetime SQL タイプの属性値を追加しようとすると、次の例外が発生します。


ldap_modify: Operations error
ldap_modify: additional info: java.lang.Exception:
java.lang.Exception: com.microsoft.sqlserver.jdbc.SQLServerException: Conversion failed
 when converting datetime from character string.