Sun Java Communications Suite 5 リリースノート

Calendar Server の既知の問題

現時点で知られている制限事項は次のとおりです。

以前のバージョンの Calendar Server から Calendar Server 6.3 へのアップグレード後に発生する高可用性関連の問題

Calendar Server HA パッケージ SUNWcsics を利用して高可用性機能を使用する場合、以前のバージョンの Calendar Server から Calendar Server 6.3 にアップグレードしたあとで、問題 6560681 を回避するために次の手順に従う必要があります。

回避方法:

  1. Calendar Server 6.3 に付属する SUNWscics パッケージを手動で削除します。

  2. pkgadd を使用して、Java Enterprise System ソフトウェアにバンドルされた SUNWscics パッケージを追加します。

設定プログラムにより DWP の ics.conf パラメータに誤った値が設定される

DWP プロトコルの使用が必須の構成で、フロントエンドサーバーとバックエンドサーバーを使用して Calendar Server を配備している場合、設定プログラムにより、バックエンドサーバーのホスト名の追加を求められます。設定プログラムが ics.conf のパラメータ caldb.dwp.server.hostname.ip にこの値を格納するとき、本来格納されるべき完全修飾ホスト名の代わりに IP アドレスが誤って格納されてしまいます。このことが原因で、システムがバックエンドサーバーを検出できなくなります。

回避方法: IP アドレスをバックエンドサーバーの完全修飾ホスト名に置き換えます。これは、テキストファイルである ics.conf を編集するだけで行うことができます。

フロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの設定に使用する、このパラメータやその他のパラメータの設定値についての正確な情報は、『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』の第 5 章「Calendar Server バージョン 6.3 での複数のマシンへのカレンダデータベースの分散の設定」を参照してください。

この問題は、このリリースノートの次の節 「Calendar Server 6.3 で報告された問題」で、問題番号 6542989 として報告されています。

アップグレード後に、Linux プラットフォームにログインできない: 「Backend Host Unresolvable」

Linux オペレーティングシステムでは、Calendar Server 6.3 にアップグレードしたあとに、start-cal を実行すると、http.log ファイルに次のようなエラーメッセージが示されます。

cshttpd[2984]: General Error: caldb: 
caldb_pvt_isLocalUrl: hostname of hostname.xyz.com is not resolvable.  
Please check that hostname is correct and that hostname resolver is correct.

また、ログインを試みると、次のようなエラーメッセージが示されます。

Backend Host Unresolvable
Please try again

修正: この問題は、Calendar Server 6.3 Update 1、パッチ番号 121658-17 で修正されています。

これは、次の節 「Calendar Server 6.3 で報告された問題」の問題番号 6516438 と同じ問題です。

設定ファイル内の重複するパラメータ

設定ファイル ics.conf では、パラメータの重複が許可されます。このため、パラメータの値に関して混乱を招く可能性があります。システムが使用しているパラメータのインスタンスを判別するには、ファイルの最後のインスタンスを確認してください。ファイルを処理する際、システムは検出するパラメータの最後のインスタンスの値を使用します。

ベストプラクティス: ics.conf ファイルの最後に # My Parameter Changes のようなセクションラベルを付けて、すべての変更をそこに追加します。変更の履歴を維持する場合は、変更の理由および日付を記述したコメントを追加します。

使用しなくなった以前の変更を定期的にコメントアウトするか、使用しない重複する内容を削除して (変更の履歴を維持する必要がない場合)、最新の変更だけがファイルに残るようにします。

非推奨のユーザーインタフェースによるパフォーマンス低下

このバージョンでは、パッケージングのプリプロセス段階で XSL ファイル内の文字列置換は実行されません。このため、文字列置換がリアルタイムで実行され、Calendar Express ユーザーインタフェースのパフォーマンスが低下します。

回避方法: すべての XSL ファイルのプリプロセスを実行し、適切な言語文字列を手動で挿入することにより、Calendar Server を実行する前に文字列置換を実行できます。置換を実行するには、perl スクリプト (xslvarparser.pl) を追加する必要があります。このスクリプトは { CAL_SERVER_BASE}/tools/unsupported/bin ディレクトリ内にあります。スクリプトの実行方法は、スクリプト本体に記述されています。

    参考までに、スクリプト内に記述されている実行方法を次に示します。

  1. XSL の描画を高速化するため、perl スクリプト xslvarparser.pl を使って XSL ファイル内の変数を置換します。

  2. このファイルを /opt/SUNWics5/cal/html ディレクトリ (Solaris のデフォルトディレクトリ) にコピーします。

  3. 次に $ perl xslvarparser.pl と入力して、このスクリプトを実行します。

  4. 生成されたファイルが、各ロケールの出力ディレクトリ内に格納されます。

  5. 各ロケール内の XSL ファイルを、出力ディレクトリ内のファイルで置き換えます。


    注 –

    置換を実行する前に、元のファイルを保存することをお勧めします。


これは、「Calendar Server 6.3 で報告された問題」の問題番号 6385495 で説明したものと同じ問題です。

値が複数のユーザー設定のすべてのインスタンスの削除

set_userprefs コマンドにより、複数値の設定のインスタンスが 1 つだけ削除されます。

回避方法: 複数値ユーザー設定のインスタンスをすべて削除するには、インスタンスごとに 1 つの set_userpref コマンドを発行する必要があります。

次に例を示します。get_userprefs を実行して、ユーザー設定のすべてをリスト表示します。icsSubscribed などのように、設定に複数の値が存在する場合は、リスト表示された値ごとに set_userprefs コマンドを発行して、設定を削除する必要があります。

クラスタ化された環境でインストールされたパッチの検索

クラスタの個々のノードに何がインストールされているかを示す、クラスタ固有の showrev コマンドは存在しません。これは、一般的な問題であり、単に Calendar Server 固有の問題というわけではありません。グローバルファイルシステムにインストールされた製品であればどれでも、同じ問題に遭遇します。

このことは、Calendar Server のアップデート時に問題となります。Calendar Server のインストールされたすべてのノードにパッチを適用する必要があるためです。また、Calendar Server がノードにインストールされていない場合、パッチをノードに適用することはできません。少なくとも Calendar Server がインストールされているノードがわからないと、Calendar Server のインストール先を見つけるのは、紛らわしく、時間のかかる作業になります。

回避方法: 次のコマンドを実行して、Calendar Server がインストールされているすべてのノードを表示します。pkgparam -v SUNWics5 | grep ACTIVE_PATCH

ポップアップブロッカー

ポップアップブロッカーを有効にしていると、特定の Calendar Server ウィンドウが表示されません。

回避方法: Calendar URL に対するポップアップブロッカーを無効に設定して、すべての Calendar Server ウィンドウが確実に表示されるようにします。

例外: Norton Inet Security AD_BLOCKER および Mozilla 内蔵の POP_BLOCKER は、Calendar Server ウィンドウの動作には影響を及ぼしません。

スキーマ 1 モードの Communications Express のユーザーの作成

csuser ユーティリティーでは、アドレス帳で作成されたユーザーが有効になりません。

回避方法: ldapmodify を使用してユーザーを有効にします。

複数のドメイン (ホストしているドメイン)

設定プログラム csconfigurator.sh を使用すると、1 つのドメインしか設定されません。

回避方法: 複数ドメインのカレンダ環境 (仮想ドメインまたはホストドメインと呼ばれる) が必要な場合、次の 2 つを実行する必要があります。

  1. ホストドメインを有効にします。

  2. Sun LDAP スキーマ 1 を現在も使用している場合は、Delegated Administrator または csdomain ユーティリティーを使って、ドメインを独自に追加します。

『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』の第 10 章「Calendar Server 6.3 の複数ドメイン環境の設定」および 『Sun Java System Calendar Server 6.3 管理ガイド』の第 13 章「Calendar Server ドメインの管理」を参照してください。

Calendar Server で LDAP キャッシュデータが期限切れにならない

(問題番号 4777792) キャッシュがいっぱいになるために、エラーが発生します。Calendar Server では、LDAP キャッシュデータが期限切れになりません。

回避方法: 定期的にファイルの内容を削除します。その後、Calendar Server を再起動します。

設定ファイルに完全修飾されたホスト名と完全修飾されていないホスト名の両方を入力する必要がある

設定ファイルへのホスト名の入力が 2 回求められます。最初は完全修飾されたホスト名で、2 番目は完全修飾されていないホスト名です。次に例を示します。

caldb.dwp.server.skate.red.sesta.com.ip = "skate.red.sesta.com" 
caldb.dwp.server.skate.ip = "skate" 
caldb.dwp.server.test12.red.sesta.com.ip = "test12.red.sesta.com" 
caldb.dwp.server.test12.ip = "test12"

X-Token 内の RFC 非準拠のデータを引用符で囲む必要がある

X-Token 内に RFC 非準拠のデータが存在する場合は、そのデータを引用符で囲む必要があります。たとえば、X-Token 内のコロンは ":" のようにする必要があります。

二次所有者として追加するまでユーザーは検証されない。

Calendar Server ユーティリティー cscal は、ユーザーを二次所有者として所有者リストに追加する前に、ユーザーの検証を行いません。

移行ユーティリティーは所有者カレンダを更新しない。

Calendar Server 移行ユーティリティー csmig は、所有者カレンダを使用した icsSubscribed の更新を行いません。

キャッシュされた古い LDAP データを自動的に破棄できない。

これは、手動で実行する必要があります。

複数の接続をすばやく同時に開いたり閉じたりすると、enpd がクラッシュする。

予定通知サービスは非推奨になりました。これは修正されません。Sun Java System Message Queue 製品を代わりに使用してください。

予定が予期せずに削除される。

ユーザーが予定を変更して、今日の予定と将来のすべての予定を変更するオプションを選択すると、以前の予定はすべて削除されて、UI に表示されなくなります。

SSLv2 クライアントを使用できない。

SSLv2 モードで SSL の初期化が失敗します。SSLv2 クライアントを使用できません。

DC ツリーが存在しない場合、カレンダユーティリティーが失敗する。

スキーマ 1 の場合、カレンダを作成したり、別の方法で管理したりする前に、DC ツリーノードを作成する必要があります。

カレンダサーバーユーティリティーがあいまいなエラーメッセージを送信する。

エラーメッセージがあいまいなのは、もともとは何段階も下のレベルで作成され、多くのさまざまな状況が原因として考えられるためです。次の上位レベルのプログラムは、エラーメッセージが上位に移動する前にそれを解釈することはありません。

説明内の先頭の空白が保存時に消える。

説明の先頭に空白を使用すると、空白がテキストで保存されず、予定が表示されるときに空白が表示されません。

ドメインごとに SSL を有効/無効にできない。

これは、このリリースでは実装されていない RFE です。

(Linux のみ) リブート時に Calendar Server が再起動しない。

残存するロックファイルのために、再起動が妨げられています。ロックファイルを削除してから再起動してください。

ロックファイルは、次のディレクトリ内にあります。

/opt/sun/calendar/lib/lock/__db.001

2007 年 3 月 11 日から 2007 年 4 月 1 日までの間の予定が 1 時間ずれる

法律により、夏時間の切り替え日が変更されました。Calendar Server 6.3 ソフトウェアには新しい正確な時間帯表が含まれています。将来作成されるすべての予定および作業は、正確な時間となります。ただし、以前の切り替え日と新しい切り替え日の間の期間にスケジュールされている既存の予定および作業は 1 時間ずれます。この問題は、カレンダで毎年 2 回発生します。1 回は、春の標準時間から夏時間への切り替え日で、もう 1 回は、秋の夏時間から標準時間への切り替え日に発生します。

この問題は、あとでこのマニュアルの 「Calendar Server 6.3 で報告された問題」で説明されている問題番号 6502376 と同じ問題です。

修正: この問題の標準的な修正方法は、ユーザーが、カレンダ内の影響を受ける予定の時間を調整できるようにすることです。

テクニカルサポートでは、要求に応じて、修正プログラムを提供することができます。

カレンダデータのインポートが、同じ calid からのデータにしか機能しない

インポート機能を使用して、カレンダ間でデータを移動することはできません。インポートできるのは、エクスポートした、同じカレンダ (同じ calid) に対して のみです。

この制限は、このマニュアルの 「Calendar Server 6.3 で報告された問題」の節で、番号 6461183 として示されているものです。