Sun Java System Delegated Administrator 6.4 管理ガイド

以前のリリースの Delegated Administrator からアップグレードする場合

Delegated Administrator を初めて設定する場合、この項を省略して「設定コンポーネントの選択」に進んでください。

以前のリリースからこのリリースの Delegated Administrator にアップグレードする場合、Delegated Administrator を設定する前に、次の作業が必要になる場合があります。

Delegated Administrator を以前の Sun Java バージョンからアップグレードする方法については、『Sun Java Communications Suite アップグレードガイド』の「Delegated Administrator のアップグレード」の章を参照してください。

既存の設定の保存

この項は、以前に Delegated Administrator をインストールおよび設定し、Delegated Administrator の設定をカスタマイズした場合のみ関係があります。

設定をカスタマイズした場合、Delegated Administrator 設定プログラム config-commda を再実行すると、設定ファイル内のプロパティーはデフォルト値にリセットされます。これらのファイルは、後述の「Delegated Administrator プロパティーファイル」に記載されています。

Delegated Administrator のカスタマイズ方法については、第 4 章「Delegated Administrator のカスタマイズ」を参照してください。

Delegated Administrator をアップグレードする前、またはその他の理由で Delegated Administrator 設定プログラムを再実行する前に、カスタマイズした設定を保存してください。

Delegated Administrator プロパティーファイル

Delegated Administrator では、次のプロパティーファイルがインストールされます。

Procedure既存の設定を保存する

  1. カスタマイズしたプロパティーファイルをバックアップします。

    プロパティーファイルの一覧については、「Delegated Administrator プロパティーファイル」を参照してください。

  2. config-commda プログラムを実行します。実行方法については、この章の後半で説明します。

    残りのステップでは、resource.properties ファイルを例として使用します。カスタマイズしたファイルごとに、これらのステップを繰り返します。

  3. config-commda プログラムによって作成された新しい resource.properties ファイルを、次のようにして編集します。

    1. 新しい resource.properties ファイルを開きます。

      Delegated Administrator サーバーが使用する Web コンテナに配備されたファイルではなく、Delegated Administrator のインストールディレクトリ内の元の (標準の) 場所にある resource.properties ファイルを編集するように注意してください。

    2. resource.properties ファイルのバックアップコピーを開きます。

    3. カスタマイズされたプロパティーをバックアップコピーに入れます。カスタマイズした値を新しい resource.properties ファイル内の対応するプロパティーに適用します。

      バックアップコピー全体で新しい resource.properties ファイルを単純に上書きしないでください。新しいファイルには、このリリースの Delegated Administrator をサポートするために作成された新しいプロパティーが含まれている可能性があります。

  4. 編集した resource.properties ファイルを Delegated Administrator サーバーが使用する Web コンテナに再配備します。

    変更を有効にするには、カスタマイズした resource.properties ファイルを Web コンテナに配備するスクリプトを実行する必要があります。

    カスタマイズしたプロパティーファイルを特定の Web コンテナに配備する方法については、「カスタマイズした設定ファイルを配備する」を参照してください。

カスタマイズされたサービスパッケージのアップグレード

この項は、Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator から Delegated Administrator 6.4 (現在のリリース) へのアップグレードで、以前のリリース (6 2005Q4) でカスタマイズされたサービスパッケージを作成した場合のみ該当します。

Delegated Administrator 6.4 では、サービスパッケージのテンプレートが以前のリリース (6 2005Q4) とは異なる、ディレクトリ内のノードに格納されます。

サンプルサービスクラステンプレート

Delegated Administrator 設定プログラムを実行すると、以前に Delegated Administrator 設定プログラムによってインストールされたサンプルサービスクラステンプレートは自動的にアップグレードされます。設定プログラムの「サービスパッケージと組織のサンプル」パネルで、「 サンプルサービスパッケージを読み込む」を選択してください。

サンプルテンプレートを使用してサービスパッケージをユーザーとグループに割り当てるだけであれば、操作は必要ありません。

カスタマイズされたサービスパッケージ

設定プログラムでは、6 2005Q4 リリースで作成したカスタマイズされたサービスパッケージはアップグレードされません。カスタマイズされたサービスパッケージは、手動でアップグレードする必要があります。

カスタマイズされたサービスパッケージの作成方法については、「独自のサービスパッケージの作成」を参照してください。

Procedureカスタマイズされたサービスパッケージをアップグレードする

LDAP ディレクトリで、次の操作を実行します。

  1. サービスパッケージのテンプレートを、次のディレクトリノードから


    o=cosTemplates,o=rootsuffix
    

    次のディレクトリノードにコピーします。


    o=service_target,o=cosTemplates,o=rootsuffix
    

    ここで、service_target は次のいずれかです。


    mailuser
    calendaruser
    mailcalendaruser
    mailgroup

    たとえば、サービスパッケージのテンプレートが myservicepackage という名前で、ユーザーにメールサービスを提供する場合、サービスパッケージのテンプレートの新しい dn は次のようになります。


    o=myservicepackage,o=mailuser,o=cosTemplates,o=rootsuffix
    
  2. 元のディレクトリノードからサービスパッケージのテンプレートのエントリを削除します。


    o=cosTemplates,o=rootsuffix
    
  3. サービスパッケージを定義する ldif ファイルに次の行を追加して、カスタマイズされたサービスパッケージをそれぞれ編集します。

    daServiceType: service type target


    注 –

    ldif ファイルにすでに daServiceType 属性が含まれている場合は、この手順を省略できます。


    daServiceType 属性は、サービスパッケージによって提供されるサービスのタイプと、サービスパッケージのターゲットを定義します。

    service は、mail または calendar のどちらかです。

    target は、users または groups のどちらかです。

    次に例を示します。


    daServiceType: mail user

    編集済みの ldif ファイルの例を次に示します。


    dn: cn=myservicepackage,o=mailuser,o=cosTemplates,o=mycompanysuffix
    changetype: modify
    replace: daServiceType
    daServiceType: mail user
LDAP ディレクトリツール ldapmodify を使用して、ディレクトリ内のサービスパッケージを更新します。

コマンド実行の例を次に示します。

ldapmodify -D <directory manager> -w <password> -f myservicepackagemodldif

各表記の意味は次のとおりです。

<directory manager> は Directory Server 管理者の名前です。

<password> は Directory Service 管理者のパスワードです。

myservicepackagemodldif は、前の手順で説明した変更を含む ldif ファイルの名前です。