次の章で構成されています。
Communications Express は、通信およびコラボレーション用の Web ベースの統合クライアントです。◆Communications Express は Messaging Server と Calendar Server の共通コンポーネントであり、カレンダ情報、メール、およびアドレス帳に対する Web インタフェースをエンドユーザーに対して提供します。
Communications Express は、カレンダ、アドレス帳、メールの 3 つのクライアントモジュールで構成されます。
この章の内容は次のとおりです。
Communications Express は次の Sun Java System コンポーネント製品に依存します。
Directory Server
Access Manager (Sun Java System LDAP スキーマバージョン 2 を使用する場合)
Calendar Server
Messaging Server
Communications Express をフロントエンドサーバーとしてインストールします (複数層環境)。Messaging Server パッケージは、Web メールサーバーが実行されているバックエンドストアに接続する Web メールサーバーとして動作するように構成することができます。また、Communications Express と Messenger Express の両方を、異なる IP アドレス上で実行することもできます。
さらに、フロントエンドマシン上のアドレス帳を、LDAP ディレクトリインフラストラクチャーまたは Communications Express マシン以外の LDAP サーバー上にデータを保存させるように、Communications Express を設定することもできます。詳細については、『Sun Java System Communications Express 6.3 管理ガイド』を参照してください。
Communications Express は、Calendar Server との通信に Calendar Server HTTP サービスを、Messaging Server との通信に mshttpd デーモンを、アドレス帳との通信に LDAP サービスを、それぞれ使用します。cshttpd デーモンはローカル、リモートのいずれかに、mshttpd デーモンはローカル Web メールサーバー、ローカル MEM のいずれかに、LDAP サーバーはローカル、リモートのいずれかに、それぞれ設定できます。
ロードバランサまたはポートディレクタタイプのデバイスを使用する場合は、ユーザーがセッション中に同じフロントエンドサーバーに継続的にルーティングする「スティッキ」(持続的) な接続を使用してください。
Communications Express はカレンダ、メール、およびアドレス帳に対する統合ユーザーインタフェースを備えており、あるクライアントモジュールから別のクライアントモジュールへとアクセス先を変更しても、ユーザー資格の再認証を行う必要がありません。
メールとカレンダの両方のアプリケーションは単一の Web コンテナ内に配備されるため、メールとカレンダ間の通信は自動的に確立されます。また、Access Manager を使用して、シングルサインオン機構を提供することもできます。
カレンダアプリケーションとメールアプリケーションは、同一のアドレス帳を共有します。
Communications Express の「オプション」タブで指定されたユーザー設定を、すべてのモジュールが共有します。
アドレス帳ストアは水平方向のスケーラビリティーを提供します。詳細については、『Sun Java System Communications Express 6.3 管理ガイド』を参照してください。
Communications Express は仮想ドメインをサポートします。
カレンダおよびアドレス帳クライアントモジュールは、どの Web コンテナでも単一の Web アプリケーションとして配備されます。メールモジュールは、Messenger Express によって描画されます。Messenger Express は、Messaging Server の HTTP サービスを Web ベースで使用するスタンドアロンのメールアプリケーションです。
◆図 23–1 は、Communications Express ソフトウェアのアーキテクチャーを示したものです。
Communications Express は、次のモジュールで構成されます。
メール:メールコンポーネントは、クライアントによって読み取られ、解釈される JavaScript 言語を使用します。JavaScript ファイルはサーバーに配置され、クライアントにダウンロードされます。クライアントは JavaScript コードからデータを抽出し、Communications Express 機能をカスタマイズします。すべての変更およびカスタマイズは、サーバー上で行われます。
カレンダ:カレンダモジュールのプレゼンテーション層は、JavaServer PagesTM に基づいています。これらの JavaServer Pages ページは、クライアントの要件に合わせてカスタマイズできます。データ層は、JCAPI (Java API for Calendar) にアクセスすることで、HTTP ベースプロトコル経由での Calendar Server とのデータ交換を可能にします。
アドレス帳:アドレス帳コンポーネントは、XSL タグ、静的 HTML、および .js スクリプトを含む XML/XSL ファイルを使用します。XSL および JavaScript コードは、動的なデータの表示に使用します。これらの XSL ファイルは、アドレス帳コンポーネントをカスタマイズするように編集できます。
この章では、Communications Express の基本的な配備アーキテクチャーについて説明します。配備に実装する機能に応じて、異なるホストのセットおよびそのほかのネットワークインフラストラクチャーをインストールする必要があります。
この章の内容は次のとおりです。
この Communications Express 基本アーキテクチャーでは、カレンダモジュール、アドレス帳モジュール、およびメールモジュールが、単一ホスト上の Web コンテナ内に配置されます。Messenger Express は、Messaging Server の HTTP サービスを使用する、スタンドアロンの Web インタフェースメールアプリケーションです。Messenger Express は、カレンダモジュールとアドレス帳モジュールと同じシステム上に配備されます。
この基本機能を利用するには、次のコンポーネントをインストールする必要があります。
Directory Server
Access Manager (Sun Java System LDAP スキーマバージョン 2 を使用する場合)
Calendar Server
Messaging Server
Web Server または Application Server (Web コンテナとして)
上記の例では、
Communications Express を実行するホスト上に Messaging Server パッケージの完全なセットをインストールします。
Communications Express のアドレス帳サーバーを設定し、そのデータが LDAP ディレクトリインフラストラクチャー内に格納されるようにします。
SSL は設定しません。
図 24–1 は、Communications Express の基本アーキテクチャーを示したものです。
次の表は、このアーキテクチャーで使用するプロトコルとポート番号について説明しています。
表 24–1 Communications Express の基本配備アーキテクチャーで使用されるプロトコルとポート
プロトコル |
Port |
対象 |
---|---|---|
SMTP |
25 |
ほかのシステムと通信する Messaging Server MTA コンポーネント、および電子メール通知用 Calendar Server (csenpd) コンポーネント |
HTTP |
80 |
Communications Express フロントエンドと通信するインターネットユーザー、および Messaging Server と通信する Communications Express |
HTTP |
81 |
Calendar Server と通信する Communications Express 上の Calendar Express |
MSHTTP |
82 |
Messenger Express と通信するインターネットユーザー |
LDAP * |
389 |
LDAP ディレクトリと通信する Messaging Server と Calendar Server |
図 24–2 は、イントラネットユーザーとインターネットユーザーの双方に対応した Communications Express アーキテクチャーを示しています。イントラネットユーザーは、Communications Express バックエンドホストにログオンします。インターネットユーザーは、DMZ 内の Communications Express フロントエンドホストにログオンします。すると、そのフロントエンドホストがバックエンドホストと通信します。シングルサインオンはバックエンドホスト上で有効化されます。
フロントエンドホストには、次のコンポーネントをインストールします。
バックエンドには、次のコンポーネントをインストールします。
Communications Express
Web コンテナ
Messaging Server (Messenger Express)
Calendar Server
Directory Server
Access Manager
図 24–2 は、リモートホストアーキテクチャーの Communications Express を示しています。
次の表は、このアーキテクチャーで使用するプロトコルとポート番号について説明しています。
表 24–2 Communications Express リモートホスト配備例で使用されるプロトコルとポート
プロトコル |
Port |
対象 |
---|---|---|
HTTP |
80 |
DMZ 内の Communications Express フロントエンドホストと通信するインターネットユーザー |
HTTP |
81 |
DMZ の背後にあるバックエンドホスト上の Web メールサーバーと通信する、DMZ 内の Communications Express フロントエンドホスト上の Web メールサーバー |
HTTP |
82 |
同じくバックエンドホスト上に存在する Calendar Server と通信する、バックエンドホスト上の Communications Express |
IMAP |
143 |
Messenger Express コンポーネントと通信する Web メールサーバー |
LDAP * |
389 |
LDAP ディレクトリと通信する Messaging Server と Calendar Server |
HTTP |
801 |
バックエンドホスト上に存在する Calendar Server と通信する、フロントエンドホスト上の Communications Express |