Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド

MMP の使用

MMP により、Messaging Server ホストのレイアウトをエンドユーザーから隠すことができます。その結果、メールボックスが配置されているサーバーを特定することなく、ユーザーに汎用的な MMP またはロードバランサを割り当てることができます。メッセージアクセスクライアントは、受信メッセージを取得するときに MMP を指定します。

そのようなクライアント接続と認証の際に、MMP はディレクトリ内のユーザー情報の検索を行い、ユーザーのメッセージがどこにあるかを判断します。次に、MMP はクライアントを特定のサーバーに接続します。次の図は、Messaging Server に対する IMAP4 と POP3 接続のプロキシとして MMP が機能する仕組みを示します。図 12–6 は、Messaging Server 環境においてマルチプレクサがどのように機能するかを示します。

図 12–6 MMP の概要

この図は、マルチプレクサ (MMP) がクライアントとサーバー間の共通ポイントとして機能する仕組みを示します。

複数の MMP の手前にロードバランサを配置します。MMP は通常、複数個存在します。

MMP SMTP プロキシの使用

MMP には、メッセージを受け取るが転送はしないように設計された SMTP プロキシが含まれています。この設計のため、MMP SMTP プロキシを DNS MX レコードのターゲットとして使用したり、そのほかの方法でインターネット上の任意の発信元から着信するメールを受信するために使用したりしてはいけません。Messaging Server では、メッセージ転送機能に MMP SMTP プロキシを使用できません。

Messaging Server では、エンドユーザークライアントからのメッセージの送信に MMP SMTP プロキシを使用できません。ただし、MMP の多重化機能は、POP 接続や IMAP 接続を正しいバックエンドストアに割り当てるために必要ですが、SMTP 送信には必要ありません。標準に従うメールクライアントに対しては MX レコードにより、また、標準に従わないメールクライアントに対しては単純なロードバランサによって、SMTP 送信を分散できます。

MMP SMTP プロキシは次の場合にのみ使用してください。

  1. MTA が SSL/TLS 処理によって妨げられている場合で、MMP SMTP プロキシでそのメッセージ送信プロセスのオフロードを行いながら、標準の SMTP STARTTLS を引き続きサポートできるとき。

  2. MMP で POP や IMAP に SSL ハードウェアアクセラレータを使用している場合で、それを SMTP 送信にも利用すると効果が期待できるとき。

  3. 「POP before SMTP」メカニズムを使用する必要があるため、MMP SMTP プロキシが必須になる場合。

  4. 必要な機能が MMP SMTP プロキシにはあり、バックエンド MTA にはない場合。

  5. 配備にプロキシが必要な場合。この場合は、MMP SMTP プロキシを使用してください。このプロキシは、MTA が持っているセキュリティー機能と SMTP 拡張機能を保持するように特別に設計されており、それを安全に行うためにカスタム SMTP 拡張機能 (XPEHLO) を使用します。


注 –

MMP SMTP プロキシは、バックエンドとしての Messaging Server の SMTP サーバーでのみ動作します。