Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド

Secure Sockets Layer (SSL) による証明書ベースの認証

Messaging Server は、SSL プロトコルを使用して、暗号化通信とクライアントおよびサーバーの証明書ベースの認証を行います。この節では、証明書ベースの SSL 認証について説明します。SSL 暗号化の詳細については、「SSL による暗号化」を参照してください。

SSL は公開鍵暗号法の概念に基づいています。TLS (Transport Layer Security) は SSL のスーパーセットとして機能しますが、名前が混同されて使われています。

SSL をサポートしているサーバーには、証明書、公開鍵、非公開鍵、証明書、鍵、およびセキュリティーデータベースが高レベルで必要となります。これにより、メッセージの認証、機密、完全性が確保されます。

表 13–4 で、各クライアントアクセスプロトコルによる SSL 認証のサポートについて説明します。この表では、セキュリティーで保護されたセッション (startTLS) をセキュリティーで保護されていないチャネルで開始可能かどうか、および独立のセキュリティー保護されたチャネル (独立ポートでの SSL) が提供されるかどうかを示します。

表 13–4 SSL 認証のサポートマトリックス

プロトコル 

startTLS 

独立ポートでの SSL 

SMTP 

可能 

可能 

POP

不可 

可能 

IMAP

可能 

可能 

MMP による POP 

不可 

可能 

MMP による IMAP 

可能 

可能 

MMP による SMTP 

可能 

可能 

Web メール 

不可 

可能 

SMTP、POP、および IMAP プロトコルは、クライアントとサーバーが SSL なしで通信を開始したあと、startTLS と同等のコマンドを使用して SSL 通信に切り替える方法を提供します。startTLS を実装していないクライアントの場合は、SMTP、POP、および IMAP サーバーが SSL を代替ポートで使用するように設定することもできます。

SSL による認証を行うには、メールクライアントはサーバーとの SSL セッションを確立し、ユーザーの証明書をサーバーに提出します。その後、サーバーが、提出された証明書の信頼性を評価します。証明書の信頼性が確認されると、そのユーザーは認証済みであるとみなされます。

SSL を認証用途で使う場合、Messaging Server 用のサーバー証明書を入手する必要があります。この証明書は、使用するサーバーの識別情報をクライアントやほかのサーバーに提供します。サーバーは、クライアントの認証に使用する、信頼できる認証局 (CA) の証明書をいくつでも持つことができます。

未認証状態から認証済み状態に移行するには、一部のプロトコルでは、SSL クライアント証明書とともに SASL EXTERNAL メカニズムを使用する必要があります。

SSL の詳細については、『Sun Java System Messaging Server 6.3 管理ガイド』の第 23 章「セキュリティーとアクセス制御を設定する」を参照してください。