Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド

配備における Instant Messaging の保護

この節では、Instant Messaging 配備でコンポーネントを保護する方法について説明します。

Instant Messaging セキュリティーの概要

Instant Messaging では、次のレベルのセキュリティーをサポートしています。

startTLS オブションでは終端間の暗号化が有効になり、クライアントとマルチプレクサとサーバーの間の通信は、すべて暗号化されます。一方、レガシー SSL では Instant Messenger クライアントからマルチプレクサまでの暗号化が有効になります。したがって、マルチプレクサとサーバーの間の通信はプレーンテキストです (ただし、専用のプロトコルが使用される)。より高いレベルのセキュリティーが必要な場合は、startTLS を使用してください。startTLS を使用する場合、マルチプレクサからサーバーへの通信をセキュリティーで保護するために代替手段は必要ありません。この通信はセキュリティーで保護されます。

Instant Messaging サーバーとマルチプレクサの保護

Instant Messaging では、セキュリティーで保護された通信のために、TLS (Transport Layer Security) およびレガシー SSL (Secure Sockets Layer) をサポートしています。Instant Messaging では、クライアントとサーバーの間およびサーバー間の暗号化通信、およびサーバー間の証明書ベースの認証で、Transport Layer Security (TLS) 1.0 プロトコルの startTLS 拡張機能を使用します。また Instant Messaging では、Instant Messenger クライアントとマルチプレクサの間の暗号化通信で、SSL プロトコル (バージョン 3.0) のレガシー実装もサポートしています。

Instant Messaging 用に SSL を計画するときは、次の点に注意してください。

Instant Messaging のデフォルトのインストールでは、SASL Plain だけをサポートします。より高いレベルのセキュリティーが必要な場合は、Instant Messaging の公開サービスプロバイダインタフェースを使用してください。SASL Plain と jabber:iq:auth は、プレーンテキスト認証の 2 つの形態です。つまりどちらの場合も、パスワードはクリアテキスト形式 (エンコードされる場合もあるが、依然としてクリアテキスト形式) で送信されるため、どちらも認証はセキュリティーで保護されません。それでも、これが問題になるのは、終端間の暗号化 (直接のソケット接続の場合は startTLS 経由、httpbind の場合は HTTPS 経由) が有効でない場合のみです。終端間の暗号化が有効な場合、ネットワークでパスワードはクリアテキスト形式で見えません。

一方、暗号化されたストリーム上であってもパスワードをクリアテキスト形式で伝送したくない場合は、SASLRealm を使用してサーバー側で認証メカニズムをプラグインするための Instant Messaging SPI を使用してください。カスタム SASL メカニズムを実装することはできますが、このカスタムメカニズムをサポートする Instant Messaging クライアントが必要です。Sun Java System Instant Messaging クライアントでは、SASL Plain、jabber:iq:auth だけがサポートされます (両方ともセキュリティー保護されていない)。

詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7.2 管理ガイド』の第 12 章「TLS と従来の SSL による Instant Messaging のセキュリティー保護」を参照してください。

ファイアウォールを介した Instant Messaging クライアントアクセスの提供

XMPP/HTTP ゲートウェイ (httpbind) では、HTML ベースのクライアントや、HTTP トラフィックは許可するが XMPP トラフィックは許可しないファイアウォールの背後にあるクライアントなど、XMPP ベースのクライアントに対する Instant Messaging アクセスを提供します。ゲートウェイは、XMPP サーバーへの Instant Messaging トラフィックを HTTP クライアントの代わりにプロキシ化します。

XMPP/HTTP ゲートウェイの使用を計画するときは、次の点に注意してください。

Instant Messaging アーカイブの保護

Instant Messaging には、あとで取得および検索するためにインスタントメッセージをアーカイブする機能があります。電子メールのアーカイブを有効にする場合は、アーカイブされたインスタントメッセージを含む電子メールを受信する管理者を決定する必要があります。調査、ニュース、会議室、アラート、チャットセッションを受信する管理者のリストを別に設定できます。また、拡張 RFC 822 ヘッダーを使用するように Instant Messaging を設定することもできます。そのようにすると、メールクライアントはヘッダーの内容に基づいてメッセージをフィルタ処理できます。Portal アーカイブを有効にする場合は、Portal アーカイブデータベースにアクセスできる管理者を決定できます。

詳細については、『Sun Java System Instant Messaging 7.2 管理ガイド』の第 18 章「Instant Messaging アーカイブの管理」を参照してください。