ここでは、Sun Java System Calendar Server の Microsoft Outlook 版 Connector に関する検討事項を説明します。
Calendar Server の最新バージョンは、Collaboration and Communication download site から入手できます。
また、SunSolve で入手できる最新のパッチセットをインストールすることをお勧めします。
インストール手順の詳細については『Sun Java Enterprise System 2005Q4 Installation Guide for UNIX』を参照してください。設定の手順については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。
Calendar Server 5.x から最新バージョンの Calendar Server に移行する場合は、cs5migrate_recurring ユーティリティーを実行してデータベースを変換し、Microsoft Outlook 版 Connector のデータモデルに準拠させる必要があります。cs5migrate_recurring ユーティリティーの詳細については、テクニカルサポートに問い合わせてください。
Calendar Server 6 2004Q2 以降では、ユーザーカレンダとリソースカレンダの両方に LDAP mail 属性が必要です。
会議室や、ノートブックコンピュータやオーバーヘッドプロジェクタなどの備品について、クライアントが Microsoft Outlook を使ってリソースカレンダでスケジュール設定する場合は、各リソースに電子メールアドレスを (実際に不要な場合も) 設定する必要があります。この電子メールアドレスは、LDAP mail 属性によって指定します。
次のように LDAP mail 属性を明示的に追加することが必要な場合もあります。
5.x インストール。cs5migrate_recurring 移行ユーティリティーを実行する前に、ユーザーカレンダとリソースカレンダの両方について mail 属性をユーザーに追加します。mail 属性を追加するには、Calendar Server の csattribute ユーティリティー、または Directory Server の ldapmodify ユーティリティーなどのユーティリティーを使用します。
新規インストール (6 2004Q2 以降)。Calendar Server の csattribute ユーティリティー、または Directory Server の ldapmodify ユーティリティーなどのユーティリティーを使用して、ユーザーカレンダとリソースカレンダの両方について LDAP mail 属性を既存のユーザー用に準備します。
インストール後に新しいカレンダやユーザーを作成する場合は、次の Calendar Server ユーティリティーを実行するときに、 -m email オプションを使用して電子メールアドレスを指定します。
csresource ユーティリティー (新しいリソースカレンダ用)
csuser ユーティリティー (新しいユーザー用)
csattribute、csresource 、および csuser の詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。ldapmodify ユーティリティーの詳細については、『 Sun Java System Directory Server Resource Kit Tools Reference』を参照してください。
sesta.com サーバー上の「Room100」という会議室の LDAP mail 属性を追加する例を次に示します。この例では、Messaging Server を設定します。その他の電子メールサーバーを使用している場合は、その製品のマニュアルで対応するプロセスを参照してください。
csattribute ユーティリティーを使用して、LDAP サーバーに mail 属性を追加します。
# ./csattribute -a mail=Room100@sesta.com add Room100
属性が設定されたことを確認するには、-v (verbose) オプションを指定して、csattribute list コマンドを使用します。
# ./csattribute -v list Room100 ... cn=Room 100,ou=conferenceRooms,dc=sesta,dc=com has mail: Room100@sesta.com |
リソースカレンダ用に生成される電子メールのために Messaging Server の bitbucket チャネルを設定する例を次に示します。この例では、sesta.com サーバー上の「Room100」というリソースを使用します。bitbucket チャネルまたは同等のチャネルを設定しない場合は、リソースカレンダに送信された電子メールメッセージを定期的に削除する必要があります。
imta.cnf ファイルに bitbucket チャネルが定義されていることを確認します。
メッセージを bitbucket チャネルに送るには、csresource ユーティリティーを使用してリソースに電子メールアドレスを作成します。
# ./csattribute -a mail=Room100@bitbucket.sesta.com add Room100
これらの変更を有効にするには、エイリアステーブルまたはエイリアス設定を再構築することが必要な場合もあります。詳細については、Messaging Server または使用している電子メール製品のマニュアルを参照してください。また、メールサービスの変更について、使用中のサイト独自のマニュアルや手順を参照してください。
リソースカレンダ用に生成される電子メールのために Sendmail の bitbucket チャネルを設定する例を次に示します。この例では、sesta.com サーバー上の「Room100」というリソースを使用します。bitbucket チャネルまたは同等のチャネルを設定しない場合は、リソースカレンダに送信された電子メールメッセージを定期的に削除する必要があります。
該当するホスト上の /etc/aliases ファイルに、次のようなエントリを追加します。
# Resource/Conference room aliases Room100: /dev/null |
csresource ユーティリティーを使用して、LDAP ディレクトリにリソースの電子メールアドレスを追加します。
# ./csattribute -a mail=Room100@sesta.com add Room100
カレンダユーザーに電子メールのエイリアスを設定する必要がある場合は、LDAP mailalternateaddress 属性を使用します。LDAP mail 属性はプライマリ電子メールアドレスを示し、LDAP mailalternateaddress 属性は電子メールのエイリアスに使用されます。どちらの属性もメールアドレスをユーザーのカレンダ ID (calid) にマッピングします。
たとえば、次の値を持つ John Smith というユーザーの mailalternateaddress 属性を追加するには、次の手順に従います。
ユーザー ID (uid) と calid: johnsmith
電子メールアドレス: john.smith@sesta.com
電子メールのエイリアス: johns@sesta.com および jsmith@sesta.com
次の Calendar Server ユーティリティーコマンドを使用します。
# ./csuser -g John -s Smith -y password -l en -m john.smith@sesta.com \ -c johnsmith create johnsmith # ./csattribute -a mailalternateaddress=johns@sesta.com add johnsmith # ./csattribute -a mailalternateaddress=jsmith@sesta.com add johnsmith |
Directory Server で共有カレンダ LDAP 検索に認証が必要な場合は、次のように service.wcap.userprefs.ldapproxyauth パラメータを ics.conf ファイルに設定する必要があります。
匿名バインド: service.wcap.userprefs.ldapproxyauth = "no"
認証済みプロキシバインド: service.wcap.userprefs.ldapproxyauth = "yes"
service.wcap.userprefs.ldapproxyauth が「yes」の場合は、適切な LDAP ACI を calmaster エントリに設定する必要もあります。たとえば、sesta.com ドメインでプロキシ認証のための calmaster ACI を設定するには、次のように ldapmodify ツールを使用します。
dn: o=usergroup changetype: modify add: aci aci: (targetattr="icscalendar || cn || givenName || sn || uid || mail")(targetfilter=(objectClass=icscalendaruser))(version 3.0; acl "Allow calendar administrators to proxy - product=ics,class=admin,num=2,version=1"; allow (proxy) groupdn = "ldap:///cn=Calendar Administrators,ou=Groups,o=usergroup";)
ドメインベース DN ノードについては、正しい ACI を次の例で示します。
dn: o=sesta.com,o=usergroup changetype: modify add: aci aci:(targetattr="icscalendar || cn || givenName || sn || uid || mail") (targetfilter=(objectClass=icscalendaruser))(version 3.0; acl "Allow calendar users to read and search other users - product=ics,class=admin,num=3,version=1"; allow (search,read) userdn = "ldap:///uid=*, ou=People, o=sesta.com, o=usergroup";)
ドメインがない場合は、dn: 行の o=sesta.com の部分を削除することで、この ACI をルートサフィックス自体に追加します。
Calendar Server 設定プログラム csconfigurator.sh が、これらの ACI を追加します。Java Enterprise System Release 1 からのアップグレードの場合は、この設定プログラムを再度実行して、更新されたこれらの ACI を取得する必要があります。
Microsoft Outlook の空き時間検索オプションは、SSL モードで Calendar Server にアクセスするユーザーをサポートしていません。同一の Calendar Server インスタンスに対して SSL モードと非 SSL モードの両方を使用するには、ユーザーは次のように異なるポート番号を指定する必要があります。
SSL モード — SSL を使用して Calendar Server にアクセスするには、SSL ポートを使用します。デフォルトのポート番号は「443」で、ics.conf ファイルに次のパラメータで設定されています。
service.http.ssl.port = "443"
非 SSL モード — Outlook の空き時間検索オプションを使用するには、標準の HTTP ポートを使用して Calendar Server にアクセスします。デフォルトのポート番号は「80」で、ics.conf ファイルに次のパラメータで設定されています。
service.http.port = "80"
SSL については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』の第 8 章「Configuring SSL」を参照してください。
Calendar Server 6 2004Q2 以降には、削除された予定や仕事 (作業) を保存するための削除ログデータベース ( ics50deletelog.db) が用意されています。詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』の第 18 章「Administering the Delete Log Database」を参照してください。