この章では、3 つの基本的な Calendar Server 配備アーキテクチャーについて説明しています。それらは使用しているサイトに特有の要件に応じて変更することができます。
この章には、次の節があります。
図 17–1 に、単一サーバーアーキテクチャーを示します。この配備では、すべての Calendar Server サービス (プロセス) が、1 つのサーバーの 1 つの CPU (プロセッサ) または複数の CPU で稼働します。Directory Server と Access Manager のプロセスは、同じサーバー上でも異なるサーバー上でも実行できます。
単一サーバー上の Calendar Server インスタンスには、次のサービスが含まれます。
管理サービス (csadmind プロセス)。Calendar Server の起動と停止、カレンダユーザーまたはリソースの作成と削除、カレンダの取得と格納を行うコマンドなど、管理機能をサポートします。
HTTP サービス (cshttpd プロセス)。着信した SHTML および WCAP 要求を処理します。
予定通知サービス (enpd)。予定およびアラーム通知のブローカとして機能します。
バックアップサービス (csstored)。自動バックアップ (アーカイブバックアップとホットバックアップの両方) を実行します。
Calendar Server サービスの詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。
最小構成ではデータベースは同じサーバーに配置されるため、カレンダデータベースが別のサーバーに配置されている環境でネットワーク機能を提供する DWP (データベースワイヤプロトコル) サービス (csdwpd プロセス) は必要ありません。
Calendar Server は、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用するディレクトリサーバーを必要とします。通常は、Sun Java System Directory Server などの LDAP ディレクトリサーバーを使用します。ただし、Calendar Server API (CSAPI) を使用して、LDAP 以外のディレクトリサーバーを使用するためのプラグインを記述することもできます。この API については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Developer’s Guide』を参照してください。
ディレクトリサーバーは、Calendar Server が稼働しているサーバーに配置することも、リモートサーバーに配置することもできます。
Sun Java System Access Manager (リリース 2003Q4 (6.1) 以降) には次の機能があります。
Communications Services Delegated Administrator ユーティリティ:Calendar Server を含む Sun Java System コミュニケーションサーバーの、ホスト ( 仮想) ドメイン、ユーザー、グループ、組織、リソース、ロールをプロビジョニングおよび管理するときは、この CLI ユーティリティ (commadmin) を使用します。
Communications Services Delegated Administrator ユーティリティの詳細については、『Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 Delegated Administrator 管理ガイド』を参照してください。
シングルサインオン (SSO):Access Manager の使用または信頼できるサークルテクノロジによって、Calendar Server や Messaging Server を含む Sun Java Enterprise System サーバーに SSO を実装することができます。Access Manager は、Java Enterprise System サーバーの SSO ゲートウェイとして機能します。ユーザーは Access Manager にログインすると、すべてのサーバーで SSO が適切に設定されている限り、その他のサーバーにもアクセスできます。
Sun Java System LDAP スキーマ 2: このバージョンのスキーマを利用するには、Access Manager (リリース 2003Q4 以降) が必要です。
これらのトピックの詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。
Access Manager は、Calendar Server が稼働しているサーバーで実行することも、リモートサーバーで実行することもできます。
エンドユーザーは、2 つの Web ユーザーインタフェース (UI) の 1 つ、つまり Sun Java System Calendar Express または Sun Java System Communications Express のいずれかを使用して、クライアントマシンから Calendar Server に接続します。これらのインタフェースの使い方については、各インタフェースのオンラインヘルプを参照してください。
Calendar Server は、複数のフロントエンドサーバーとバックエンドサーバーに設定を分配することにより、スケーラビリティーを実現します。各サーバーでは、Calendar Server サービスを複数の CPU に分散させることもできます。
次の図に示す 2 層アーキテクチャーはネットワークフロントエンド / データベースバックエンド構成とも呼ばれ、ユーザーはフロントエンドサーバーにログインし、DWP (データベースワイヤプロトコル) サービス (csdwpd プロセス) を使用してバックエンドサーバーに接続します。カレンダデータベースは、バックエンドサーバーだけに接続されています。
フロントエンドサーバーとバックエンドサーバーの両方で実行される Calendar Server プロセスは次のとおりです。
ユーザーはロードバランサによってフロントエンドサーバーに誘導され、そこでログインします。それぞれのフロントエンドサーバーは次のサービスを必要とします。
管理サービス (csadmind プロセス)
HTTP サービス (cshttpd プロセス)
各バックエンドサーバーにはカレンダデータベースが接続されるため、各バックエンドサーバーは次のサービスを必要とします。
この構成では、ユーザーはバックエンドサーバーにログインしないため、HTTP サービス (cshttpd プロセス) は必要ありません。
Calendar Server サービスの詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。
スケーラブルな Calendar Server の構成には、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用するディレクトリサーバーが必要です。
Access Manager (リリース 6.1 (リリース 6 2003Q4) 以降) を使用して、シングルサインオン (SSO) の実装、Sun Java Enterprise System LDAP スキーマ 2 の使用、ホスト (仮想) ドメイン、ユーザー、グループ、組織、リソース、ロールのプロビジョニングと管理を行うことができます。
エンドユーザーは、2 つの Web ユーザーインタフェース (UI) の 1 つ、つまり Sun Java System Calendar Express または Sun Java System Communications Express のいずれかを使用して、クライアントマシンから Calendar Server に接続します。これらのインタフェースの使い方については、各インタフェースのオンラインヘルプを参照してください。
複数のフロントエンドサーバーやバックエンドサーバーを使用した 2 層 Calendar Server アーキテクチャー (図 17–3) では、ユーザーは特定のサーバーにログインし、各サーバーはカレンダデータベースに接続されています。この構成では、カレンダを物理的に配布することができます。各サーバーにはカレンダが配置され、その所有者が Calendar Server にログインします。
このアーキテクチャーでは、どのサーバーもフロントエンドとしても、バックエンドとしても機能し、すべての Calendar Server サービス、つまり、管理サービス (csadmind プロセス)、HTTP サービス (cshttpd プロセス)、予定通知サービス (enpd プロセスおよび csnotifyd プロセス)、およびDWP (データベースワイヤプロトコル) サービス (csdwpd プロセス) を必要とします。
Calendar Server サービスの詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。
このアーキテクチャーでは、フロントエンドサービスをバックエンドサービスとは別のマシンに配置することも可能で、LDAP Calendar Lookup Database (CLD) を使用してフロントエンドがどのバックエンドからデータを取得する必要があるかを判別できます。詳細については、『Sun Java System Calendar Server 6 2005Q4 Administration Guide』を参照してください。
複数のフロントエンド / バックエンドサーバーの配備には、ユーザーの認証とユーザー設定の格納に使用するディレクトリサーバーが必要です。
Access Manager (リリース 6.1 (リリース 6 2003Q4) 以降) を使用して、シングルサインオン (SSO) の実装、Sun Java Enterprise System LDAP スキーマ 2 の使用、またはホスト (仮想) ドメイン、ユーザー、グループ、組織、リソース、ロールのプロビジョニングと管理を行うことができます。
エンドユーザーは、2 つの Web ユーザーインタフェース (UI) の 1 つ、つまり Sun Java System Calendar Express または Sun Java System Communications Express のいずれかを使用して、クライアントマシンから Calendar Server に接続します。これらのインタフェースの使い方については、各インタフェースのオンラインヘルプを参照してください。